「花の名前を知るとき」は彼女たちが最新アルバム「愛のゆくえ」を携え、3月より行ってきたワンマンツアー。中野サンプラザホール公演2日目、機材以外に何も置かれていないシンプルなステージに現れたきのこ帝国は、この季節にぴったりな「桜が咲く前に」でライブをスタートさせた。
「怪獣の腕のなか」「クロノスタシス」とミドルテンポのナンバーが続いたあと、あーちゃん(G)による鮮烈なギターフレーズが鳴ったのを合図にバンドは「海と花束」へ。西村“コン”(Dr)が鳴らす3拍子のリズムを軸に、4人は美しい旋律と轟音を奏でた。中盤ではシティ感あふれる洗練されたサウンドの「LAST DANCE」、サイケデリックな雰囲気を持った「夏の影」、谷口滋昭(B)のやわらかいベースラインが響く「MOON WALK」といった「愛のゆくえ」の収録曲が続く。佐藤千亜妃(Vo, G)は「スカルプチャー」を艶っぽく歌ったかと思えば、「雨上がり」では温もりのある歌声を届けるなど、ボーカリストとしてのスキルの高さを見せていた。
フロアでクラップが弾けた「風化する教室」を経て、このツアーで定番となっている谷口のMCスキルを鍛えるMCパートへ。佐藤に「ツアー中、幸せだったことは?」と聞かれた谷口は「大阪公演のときに551の肉まんをみんなで食べたのがツアーで一番幸せだった」と答えるものの、即座に佐藤から「ライブのことを言わないと!」とツッコミを受けていた。そんな微笑ましいMCのあと佐藤は、主題歌として「愛のゆくえ」を提供した映画「湯を沸かすほどの熱い愛」について「泣けるけど前を向ける、陽のエネルギーを持った映画。そんな映画の主題歌にきのこ帝国をオファーしてくれた監督、映画を観てくれたお客さんに感謝しています」と語る。そしてバンドは盤石の演奏で「愛のゆくえ」を届けた。
ライブ定番曲の1つである「夜が明けたら」を熱演したあと、きのこ帝国は「東京」を披露。力強いバンドサウンドでオーディエンスを熱狂させる。そのまま彼女たちは「クライベイビー」「死がふたりをわかつまで」と包容力のあるナンバーを続け、ライブ本編の幕を下ろした。
アンコールを受けたきのこ帝国はライブグッズに着替えてステージへ。「疾走」を演奏したあと、佐藤は「2007年の秋に結成した私たちは今年の秋、バンド結成10周年を迎えます。秋に向けていろいろ準備しているので楽しみにしていてください」と楽しげに語る。拍手が起こる中、きのこ帝国はこの日のために用意したという新曲「夢みる頃を過ぎても」を披露。最後に「ありふれた言葉」をダイナミックに演奏し、ツアーの幕を下ろした。
なお、きのこ帝国は西村“コン”の誕生日である6月24日に東京・新代田FEVERにて行われるライブイベント「楽しい夜にドラムを叩く」に出演。このイベントにはきのこ帝国のほか、
きのこ帝国 ワンマンツアー2017「花の名前を知るとき」2017年4月20日 中野サンプラザホール セットリスト
01. 桜が咲く前に
02. 怪獣の腕のなか
03. クロノスタシス
04. 海と花束
05. 猫とアレルギー
06. LAST DANCE
07. 夏の影
08. MOON WALK
09. スカルプチャー
10. 畦道で
11. 雨上がり
12. 風化する教室
13. 愛のゆくえ
14. 夜が明けたら
15. 東京
16. クライベイビー
17. 死がふたりをわかつまで
<アンコール>
18. 疾走
19. 夢みる頃を過ぎても(新曲)
20. ありふれた言葉
楽しい夜にドラムを叩く
2017年6月24日(土)東京都 新代田FEVER
<出演者>
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