名古屋おもてなし武将隊“最高齢”の紅白目指す

名古屋おもてなし武将隊の結成5周年記念イベントが昨日11月3日に愛知・名古屋城 二之丸東庭園にて開催された。

名古屋の魅力を伝えるべくよみがえったという、名古屋ゆかりの織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、前田利家、前田慶次、加藤清正の6武将と陣笠隊4人からなるこのユニット。活動開始からちょうど5周年を迎えたこの日、会場には県外から参加のファンも含む1500人が集結した。

開演時間を迎え、ほら貝と拍子木の音を鳴らしながらメンバーがゆっくりと登場。信長は客席を見据えて「皆の衆、今日はよう来てくれた。我々が5周年を迎えられたのはお主ら、民のおかげである。誠に大儀である」と“武将”ならではの言葉づかいで感謝を述べた。そして「我らの武士（もののふ）の姿、そして生きた証を、刮目せよ！」と声を上げたのをきっかけに武将たちがパフォーマンスを開始。琴とシンセサイザーによるBGMにあわせて陣笠隊が和太鼓を打ち鳴らし、その手前で武将たちは1人ずつ名乗りを上げる。重さ20kg以上におよぶという甲冑をまとった武将たちは殺陣を取り入れた激しいダンスパフォーマンスを披露したのちに全員で「われら名古屋おもてなし戦国武将隊、ここによみがえる！」と声を合わせ、彼らを囲む観客は大きな拍手を送った。

続いて彼らが毎回テーマを変えながら行っている演武の披露が始まる。今回の演目は関ヶ原の戦い以後の物語「華演武『天下統一の巻』」で、家康を主人公としながら信長や秀吉らも登場。迫真の演技と俊敏なパフォーマンスで参加者を魅了していった。演武がフィナーレを迎えたあとはシリアスな演技から一転し、武将たちのユーモアあふれるトークへ。演武の主役を務めた家康が控えめにしているとほかの武将が「名古屋城の築城者はもっと堂々としとればいいんじゃ！」と檄を飛ばすなど、歴史の小ネタが会話に織り込まれるたびに客席からは笑い声が上がった。

そして武将たちは観客にイベント後の握手会を促したあとで、10月29日にリリースされた新曲「不離威騎！」（フリーキー）をファンの前で初披露。エレクトロサウンドと和モノ楽器の音をミックスしたトラックに合わせて歌とダンスを繰り出す。清正や利家らがユーモラスに楽曲の振り付けを指南した効果もあり、初めてにもかかわらず観客は曲展開に応じて拳を上げる振り付けを行った。パフォーマンスを終えて秀吉は「これからもどしどし歌って、現世の日の本の民にこの歌を広めて参りてゃーですな！」と興奮気味に家康に話した。

歌唱後の囲み取材で信長は「いろいろなことを経た上でのこの5周年ゆえに、われらは晴れやかな気持ちでこのときを迎えられた」とコメント。そして楽曲「不離威騎！」のリリースについて「もっと多くの民に我々を知らしめるべく、歌を世に放ったのじゃ」と説明した。そこへ秀吉が「殿、目指すはオリコン天下一ですな！」と合いの手を入れると、信長は「お前や家康と違ってわしは天下を統一できておらん。今度ばかりは統一したいと思っておる」と声を落とした。そして家康は「インターネットにこの曲の“踊ってみた”動画が数多く上がれば面白いことになるのではなかろうか？」と現世における楽曲の波及方法を提案。これを聞いた信長は「名古屋城で1万人が拳を掲げるフラッシュモブなる“戦”をやってみたいのう」と同調した。そして次の目標について信長は「紅白歌合戦の最年長記録更新」と回答し、「音楽としての軍場（いくさば）で頂点を目指すのじゃ」と、戦国時代から数えること“400歳以上”となるパフォーマーとしての決意を明らかにした。

終盤に彼らは会場に集った人々と集合写真を撮影し、CD購入者を対象とした握手会を実施。武将たちは子供から年配者まで幅広いファンとにこやかに握手を交わした。

名古屋おもてなし武将隊・織田信長 コメント

戦国のスーパースターと呼ばれし織田信長じゃ。現世ではこの名古屋を世界一の観光都市にしたいと思っとる。そして多くの民を幸せに、元気にしたい。そう思って400年前からよみがえったんじゃ。みなの衆、まずはわしらにいっぺん会いに来てくれんじゃろか。もちろんインターネットというからくりを使ってもよし。でも、最終的には会いに来てちょうよと。そうすれば一発でわしのトリコじゃよ。

名古屋おもてなし武将隊・徳川家康 コメント

なかなか歴史上、教科書上の人物に会うことはないじゃろう？ なのでまずは会ってその体験をいたしてもらいたい。そして歌を聴くなり、演武を見るなり、わしらと談笑するなりして遊ぼうではないか。まずもっては名古屋城へ！ 待っておるぞ！

※記事初出時、本文中に誤字がありました。訂正してお詫びいたします。