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快晴続いた18回目のフジロックに10万人熱狂

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GREEN STAGEの様子。

GREEN STAGEの様子。

7月25日から27日にかけて、新潟・苗場スキー場で恒例の夏フェス「FUJI ROCK FESTIVAL '14」が行われた。

通算18回目、苗場に会場を移してからは16回目となる今回のフジロック。3日間の来場者数は延べ9万2000人(1日目2万7000人、2日目3万5000人、3日目3万人)、前夜祭を含めると10万2000人もの動員を記録した。

昨年は3日とも夕方以降雨に見舞われたが、今年は25、26日が終日快晴、27日のみ小雨が降り続くという、前年よりは比較的過ごしやすい天候となった。今回のレポートでは国内アーティストを中心に、今年のフジロックの様子を伝えていく。

■1日目:7月25日(金)

初日の7月26日、GREEN STAGEのトップバッターを務めたのは、昨年同様に「ROUTE 17 Rock'n'Roll ORCHESTRA」と名付けられたスペシャルバンド。池畑潤二(Dr)、井上富雄(B)、松田文(G)など名うてのプレイヤーたちをバックに、TOSHI-LOW(BRAHMANOVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND)、トータス松本(ウルフルズ)、甲本ヒロト(ザ・クロマニヨンズ)、仲井戸“CHABO”麗市が国内外のロックンロールやR&Bの名曲を、それぞれの解釈で歌唱した。またこの日はWHITE STAGEでG-FREAK FACTORY、RED MARQUEEでTHE BERMONDSEY JOYRIDERS、FIELD OF HEAVENでNabowa、ORANGE COURTでH ZETTRIOといった国内外のアーティストたちが各ステージのオープニングを飾った。

フジロック初出演となるMIYAVIは、日が高く昇った13:10にWHITE STAGEに登場。盟友BOBO(Dr)と2人だけでステージに立ったMIYAVIは、唯一無二のギタープレイとキャッチーな楽曲の数々で会場を徐々に自分のペースに巻き込んでいき、終盤には会場後方まで観客が詰めかけ、大きな盛り上がりのうちにフジロック初陣を終えた。

GYPSY AVALONでは津田大介、加藤登紀子、後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)、TOSHI-LOWによるトークのほか、辻仁成やエセタイマーズ、大森靖子が独自のスタイルでライブを実施。そしてGREEN STAGEでは佐野元春が1984年の名盤「VISITORS」発売30周年を記念して、同アルバム完全再現ライブを行い注目を集めた。この日はコーラス&アコースティックギターでLOVE PSYCHEDELICOのKUMIが参加して、名曲の数々に華を添えた。

日が暮れると、GREEN STAGEには今年結成25周年を迎えた電気グルーヴが登場。ステージ後方に白い階段が設置し、その中央にDJブースが用意したステージセットに石野卓球とサポートメンバーのagraphが登場すると、会場からは怒号のような歓声が鳴り響く。そしてステージにピエール瀧が姿を現すと、その歓声はさらに大きなものとなり、スクリーンに表示された「コンニチハ電気グルーヴデス」の文字を合図に、怒濤のライブがスタートした。電気グルーヴは近年の楽曲のみならず、「FLASHBACK DISCO」「Shangri-La」「N.O.」など往年の名曲も惜しげなく披露。中でも「N.O.」ではDJブースから飛び出した卓球がハンドマイク片手に、ステージ前方で動き回りながら熱唱して会場を盛り上げた。また白い階段のステージセットを用いたプロジェクションマッピングが随所に取り入れられ、視覚面でも観客を魅了した。最後の「富士山」では、富士山に見立てた青いカラーコーンを体にいくつも付けた瀧が、観客と一体になって「富士山!」「フジロック!」と絶叫。最高の盛り上がりの中、70分にわたるステージを完遂した。

その後60分のインターバルを経てステージにステージに登場したのは、初日ヘッドライナーのFranz Ferdinand。「No You Girls」からライブをスタートさせると、「Right Action」「Do You Want To?」「Take Me Out」など人気曲を次々に披露していった。ヒット曲の数々に対し、観客は大合唱で応えていく。そしてバンド側もその声に鼓舞され、より熱い演奏でライブを盛り上げた。またWHITE STAGEではBasement Jaxxが5年ぶりにフジロックに登場。同ステージでのヘッドライナーは2004年以来10年ぶりということで、いつも以上に気合いの入った、エンタテインメント性豊かなステージで満員の観客を魅了した。

このほかRED MARQUEEではThe Birthdayが、最新アルバム「COME TOGETHER」からの楽曲を中心とした圧倒的なライブを展開。ORANGE COURTでは大友良英による「大友良英スペシャルビッグバンド・フェスティバル FUKUSHIMA!オールスターズ大盆踊り大会」が、盆踊り色濃厚なステージで観客を踊り狂わせた。なおORANGE COURTではその後、恒例となった「オールナイトフジ」も実施。The Orbやゴールディ、KEN ISHII、EYEなど国内外の強豪たちが翌朝5時まで熱狂的な宴を繰り広げた。

■2日目:7月26日(土)

2日目も朝から晴天に恵まれた今年のフジロック。GREEN STAGEではThe Heavyの重厚なバンドサウンドとソウルフルな歌声が朝から響き渡る。続くウルフルズは今回がフジロック初出演。まずは誰もが知る代表曲「ガッツだぜ!!」で勢いよくライブを開始させると、その後も「SUN SUN SUN'95」「借金大王」「バンザイ ~好きでよかった~」など人気ナンバーと最新アルバム「ONE MIND」からの楽曲を織り交ぜたステージを展開していった。

WHITE STAGEは日高央(Vo)率いるTHE STARBEMSからライブがスタート。勢いのあるアップチューンを連発し、会場を沸かせる。さらに2011年にROOKIE A GO-GOに出演して以来のフジロック参戦となるSiMは、オープニングからフルスロットルのライブを展開。MAH(Vo)は前回がゲートの外にあるステージだったこと、ずっと“ゲートの中”のステージに立ちたかったことに触れ、「今、夢を叶えた奴がみんなの目の前にいます!」と高らかに宣言した。さらに会場中央に設置されたPAテントを囲んでサークルを作ったり、ライブ終盤で観客が左右から走って衝突する“ウォールオブデス”をしたりと、熱気に満ちた50分間となった。

RED MARQUEEではThe Inspector Cluzo、The Three O'Clock、グラント・ニコラス(Feeder)といった海外勢に混じって、THE NOVEMBERS、the band apart、Gotchなどの国内勢が善戦。FIELD OF HEAVENではOVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND、加藤登紀子らが圧倒的なパフォーマンスで独自の世界を作り上げていった。

夕方になるとGREEN STAGEではフジロック常連組の1つ、ザ・クロマニヨンズがパワフルなライブパフォーマンスを披露。デビュー時から変わらぬワン&オンリーのロックンロールで、GREEN STAGEに集まった観客を笑顔にさせた。さらにWHITE STAGEにはフジロック初出演のMAN WITH A MISSIONが登場。USツアーを終えたばかりの彼らは、レーザー光線や特効を用いた豪華なステージングで観客を驚かせる。またライブ中、Tokyo Tanaka(Vo)やKamikaze Boy(B)、DJ Santa Monica(DJ)がステージから下りて客席に飛び込むサプライズもあり、初のフジロックとは思えない堂々としたパフォーマンスを提示した。

Blurとはひと味違ったステージングで観客を惹き付けたデーモン・アルバーンに続いて、いよいよGREEN STAGEにはヘッドライナーArcade Fireが登場した。さまざまな楽器を総勢12名という大所帯で駆使しながら展開していくステージは、まさに圧巻の一言。ライブ終盤にはステージが見えなくなるほど大量の紙吹雪が舞うなど、かつてないスケール感のライブにオーディエンスは驚きの声を上げた。

またWHITE STAGEではBiffy Clyro、Manic Street Preachersというロックバンド2組が、唯一無二のライブを披露。上半身裸でステージに現れたBiffy Clyroの3人は、誰もがサビを合唱できそうなキャッチーなロックチューンを立て続けに演奏し、会場の観客を独自の世界へと巻き込んでいった。そしてWHITE STAGEトリのManic Street Preachersは最新アルバム「Futurology」の楽曲を4曲フィーチャーしながらも、全体的にはグレイテストヒッツと呼べるセットリストでライブを進行。代表曲「A Design For Life」などでは熱狂的なファンによる大合唱が、会場中に鳴り響いた。

このほか、RED MARQUEEではフジロック初参加となるYoko Ono Plastic Ono Bandがトリを担当。小山田圭吾や本田ゆか(CIBO MATTO)、大野由美子(Buffalo Daughter)などの日本人アーティストがサポートメンバーとして加わったライブでは、“これぞオノ・ヨーコ”と呼べるアバンギャルドな歌と緊張感のあるバンドサウンドが多くの観客を驚かせた。

■3日目:7月27日(日)

2014年のフジロック最終日は初日、2日目とは異なり朝から小雨が降り続く。そんな中、キャンプサイトの奥地に設置されたキャンパー向けステージPYRAMID GARDENでは、SANDIIのフラダンスに続いてOVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUNDが2時間にわたるステージを展開。ライブ中盤にはJxJx(YOUR SONG IS GOOD)、武藤昭平(武藤昭平 with ウエノコウジ)、片平里菜がゲスト出演し、それぞれコラボセッションを行った。

GREEN STAGEではOzomatli、BEGINが緩やかでご機嫌なステージを繰り広げ、WHITE STAGEではTHE MAN、The Heartbreaksが極上のロックンロールを演奏。RED MARQUEEではPHONO TONES、downy、オーウェン・パレット、OK Goなどカラーの異なるアクトが独自の世界を展開させた。またFIELD OF HEAVENではオーサカ=モノレール、ORANGE COURTでは→Pia-no-jaC←が各ステージで勢いあふれるパフォーマンスでオーディエンスを魅了した。

夕方のGREEN STAGEにはTHE ROOSTERSが10年ぶりにフジロックに登場。「テキーラ」から始まった彼らのライブではタイトなロックンロールが矢継ぎ早に披露され、開始当初は少なかった観客もバンドの音に導かれるように徐々に増えていく。序盤で「Rosie」「Do The Boogie」といった1stアルバムからの名曲たちがプレイされると、会場は大歓声に包まれる。曲の合間には大江慎也(Vo, G)が時折英語でのMCを挟まれるも、THE ROOSTERSは最後までストイックなまでに鬼気迫る歌と演奏で10年ぶりのフジロックでのライブを完遂した。

憂歌団がORANGE COURTでいぶし銀のパフォーマンスを繰り広げる頃、GREEN STAGEに登場したThe Flaming Lipsはゴージャスかつサイケデリックなステージングを展開。開始早々、ステージ上には大量の紙吹雪が舞い、ウェイン・コイン(Vo)は謎の着ぐるみたちと戯れながらライブを進めていく。終盤になるとウェインは透明のボールの中に入って歌い、そのまま客席へと運ばれていく。初日のBasement Jaxxとは別の意味でショーアップされたそのステージングに、会場からは盛大な拍手が送られた。続いてヘッドライナーとしてステージに現れたジャック・ジョンソンは、雨のせいで肌寒くなった気候にも負けじと、緩やかなサーフミュージックを歌唱。その歌と演奏に多くのオーディエンスが耳を傾け、会場はピースフルな空気に包まれた。

WHITE STAGEではケリス、OutkastといったアメリカのR&B、ヒップホップ勢が独特の世界を作り上げる。中でも今年デビュー20周年を迎えたOutkastは、圧倒的なステージングで会場後方まで集まった観客を圧倒させる。アンドレ3000とビッグ・ボーイは巧みなコンビネーションを見せつつも、ライブ中盤ではそれぞれソロ曲をパフォーマンス。中でもアンドレ3000による大ヒット曲「Hey Ya!」ではステージ上の出演者と会場のオーディエンスが一体となって盛り上がり、この日のピークを迎えた。そして再びステージに戻った2人は初期の楽曲を矢継ぎ早に披露して、90分以上におよぶライブを終えた。

そして日付が日曜から月曜に変わろうとした頃、GREEN STAGEには今年のクロージングアクトを務めるThe Poguesが登場。ご機嫌な“酒飲み”ケルティックパンクに乗せて、オーディエンスは今年のフジロック終了をなごり惜しむかのように全力で踊る。この3日間で一番気温が低いのではないかと思わせる気候にも関わらず、バンドの演奏にあわせて会場は巨大なダンスホールへと一変。フロントエリアにはいくつものサークルピットが発生するほどの盛り上がりで、2014年のフジロックは大団円を迎えた。

なお最終日には早くも来年のフジロック開催も発表された。今年とほぼ同じスケジュールで行われる2015年のフジロックにはどのようなアーティストが出演するのか、早くも期待が高まる。

FUJI ROCK FESTIVAL '15

2015年7月24日(金)新潟県 湯沢町苗場スキー場
2015年7月25日(土)新潟県 湯沢町苗場スキー場
2015年7月26日(日)新潟県 湯沢町苗場スキー場

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