アジカン×スカパラ共演も!ナノムゲン大盛況

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ASIAN KUNG-FU GENERATION主催のロックフェスティバル「ASIAN KUNG-FU GENERATION presents NANO-MUGEN FES.2014」が、7月12日と13日に神奈川・横浜アリーナにて開催。各日ともに大勢のオーディエンスが集まり、個性的なアーティストたちの競演を味わい尽くした。

ASIAN KUNG-FU GENERATION(撮影:岸田哲平)

ASIAN KUNG-FU GENERATION(撮影:岸田哲平)

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7月12日

KANA-BOON(撮影:岸田哲平)

KANA-BOON(撮影:岸田哲平)[拡大]

It's A Musical(撮影:岸田哲平)

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初日の先陣を切ったKANA-BOONは「ないものねだり」から勢いよくライブをスタートさせる。谷口鮪(Vo, G)が「トップバッターからみんな来てくれたね」とオーディエンスを歓迎すると、バンドは「結晶星」「盛者必衰の理、お断り」とシングル曲を連発。さらに8月27日発売のシングル曲「生きてゆく」を披露し、現在のバンドの勢いを見せつけた。続くIt's A Musicalのステージはロバート・クレッチマー(Dr, Vo, Vibraphone)の軽快なドラムプレイから幕を開ける。「The Music Makes Me Sick」では会場から自然と手拍子が響き始め、エラ・ブリクスト(Vo, Organ)は「ダイスキ!」とラブコールを送る。「Fish Song」ではエラがパーカッションに加わり、ロバートがヴィブラフォンをプレイするなど多彩なパフォーマンスでオーディエンスを魅了した。「何年もオファーを送り続け、やっと出演が決定した」という後藤正文(Vo, G)と喜多建介(G, Vo)の紹介から登場したのは、カナダ出身の双子デュオ・Tegan and Sara。彼女たちが「Goodbye, Goodbye」を演奏し始めると、盛大なハンドクラップが沸き起こる。アコースティックギターのソロプレイから2人がツインボーカルを重ねていく「The Con」ではオーディエンスが体を揺らしてそのサウンドを楽しんだ。最後に彼女たちは日本語で「アリガトウ!」とシャウトし、ステージを後にした。

グッドモーニングアメリカ(撮影:古溪一道)

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ストレイテナー(撮影:岸田哲平)

ストレイテナー(撮影:岸田哲平)[拡大]

ASIAN KUNG-FU GENERATIONの“カンフー”にちなんでブルース・リーの衣装で登場したのはグッドモーニングアメリカのたなしん(B, Cho)。彼がグドモのライブで恒例となっている「ファイヤー!」コールをオーディエンスとともに横浜アリーナに響かせると、バンドは「空ばかり見ていた」をプレイし始める。「アブラカタブラ」「イチ、ニッ、サンでジャンプ」とアップテンポなナンバーを畳みかけてオーディエンスを躍らせていき、「未来へのスパイラル」では会場内に大きなシンガロングを巻き起こした。続いて登場したのはNANO-MUGENフェスの常連、ストレイテナー。彼らはホリエアツシ(Vo, G, Piano)の「音楽の嵐を吹かせにきました」というMCからの「Melodic Storm」でライブの口火を切る。「呼んでくれてありがとう」といった短いMCを挟みつつ、「Super Magical Illusion」「KILLER TUNE[Natural Born Killer Tune Mix]」「ROCKSTEADY」など新曲や初期のアンセムを堂々と披露。演奏終了後、4人が肩を組んでお辞儀をすると万雷の拍手が贈られた。

Owl City(撮影:古溪一道)

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LOSTAGE (撮影:岸田哲平)

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アダム・ヤングによる「ヨコハマ、コンニチハ!」という挨拶からスタートしたのはOwl Cityのライブ。「Fireflies」ではマイクスタンドに体を預けながらアダムがエモーショナルな歌声を響かせて会場中を圧倒。オーディエンスが息の合ったハンドクラップを打ち鳴らした「Gold」、会場中が一体になってシャウトした「Good Time」など、アウェイな雰囲気を微塵も感じさせないパフォーマンスを展開した。続くLOSTAGEは五味岳久(Vo, B)のハーモニカのメロディから始まる「Flowers / 路傍の花」でライブをスタートさせる。間髪入れずに最新アルバム収録曲の「Nowhere / どこでもない」を披露し、オーディエンスのテンションをじわじわ高めていく。MCでは五味が“あまり人に頭は下げずにやっていきたい”と前置きしつつも「ASIAN KUNG-FU GENERATIONとイベントを作り上げたスタッフのみんなに感謝したい」と真摯な心情を語った。

くるり(撮影:古溪一道)

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くるりはサポートメンバーを組み込んだ5人編成でライブを展開。リラックスした表情の岸田はMCで「ゴッチより俺のほうが目が悪い」などと話しオーディエンスの笑いを誘うものの、演奏では髪を振り乱しながらハードなプレイを繰り広げる。「ちょっと変な曲」とのひと言から新曲「Liberty & Gravity」が、「普通の曲やります」とのMCから「ばらの花」が披露されるなど新旧織り交ぜたセットリストで多くのファンを楽しませた。続くThe Young Punxは多彩なコラボステージを展開。まず最初にSOIL & "PIMP" SESSIONSのタブゾンビ(Tp)と元晴(Sax)が登場し「Harlem Breakdown」をプレイする。続く「MASHitUP」からはイギリスの2人組ユニット・RedNPinkがマイクを取り、華やかなステージを展開。ライブ後半にはフロアに巨大バルーンが登場し、お祭り騒ぎのような盛り上がりを見せた。The Rentalsのライブではマット・シャープがAshのティム・ウィーラー、Ozmaのライアン・スレガー、Afiのハンター・バーガンらを引き連れて登場。1曲目の「Thought Of Sound」から、マットはステージ上でうれしそうにジャンプを繰り返す。ライブ後半ではティムがマイクを取りAshの「Girl From Mars」をプレイ。マットから繰り出される「オゥ!」という高音のコールにオーディエンスもしっかりとレスポンスを送り、洋楽ファンと邦楽ファンが垣根分け隔てなく盛り上がったステージをマットは満面の笑みで見つめていた。

ASIAN KUNG-FU GENERATION(撮影:岸田哲平)

ASIAN KUNG-FU GENERATION(撮影:岸田哲平)[拡大]

満を持して登場したASIAN KUNG-FU GENERATIONは「サイレン」「Re:Re:」といきなりライブの定番曲を投下し、フロアの熱気を高めていく。アウトロで後藤がオーディエンスに近付きギターをかき鳴らした「スタンダード」、会場全体で恒例のシャウトを成功させた「君という花」など、彼らは圧巻のパフォーマンスを披露。MCでは後藤が「アリーナに来ると、気が引き締まる」と語り「もっと求めていいよ。もっといい曲書くから」とオーディエンスに向けて宣言した。後藤がラストナンバー「マーチングバンド」を高らかに歌い上げ、メンバーがステージを後にしても会場の拍手は鳴りやまず、ライブはアンコールに突入。アジカンとともにThe RentalsのマットとAshのティムが登場し、彼らは代わる代わるマイクを取りながらWeezerの「UNDONE-THE SWEATER SONG」を披露した。マットとティムがステージを後にすると後藤は「10代とか20代の初めに聴いていた彼らと一緒に音楽ができるなんて、本当にうれしい」と素直な気持ちを口にし、この日最後の曲「今を生きて」をプレイ。フロア中のオーディエンスが笑顔のまま、初日のステージは大団円を迎えた。

7月13日

NICO Touches the Walls(撮影:古溪一道)

NICO Touches the Walls(撮影:古溪一道)[拡大]

2日目はASIAN KUNG-FU GENERATIONの山田貴洋(B)と伊地知潔(Dr)の前説からスタート。フェスTシャツに身を包んだ2人は、ホームとも言える横浜アリーナのステージの舞台でリラックスしたトークを繰り広げる。この日のトップバッターを飾ったNICO Touches the Wallsは、フェスでは初めてとなるアコースティックセットに挑戦。チェックのネルシャツで衣装をそろえたメンバーは、「THE BUNGY」「Diver」などの骨太で斬新なアレンジを施したライブの定番曲を披露していく。光村龍哉(Vo, G)は「同じレーベルのアジカン先輩に、キューン7年目にしてようやく呼んでいただきました。超カッコイイ先輩の背中を僕らなりに追いかけていきたいと思います」と先輩へのリスペクトを込めたMCを展開。さらに4人は先輩である後藤に褒められたという最新曲「天地ガエシ」を届け、爽快な余韻を残して初「NANO-MUGEN FES.」の出番を終えた。

メインステージに登場した東京スカパラダイスオーケストラは貫禄たっぷりのプレイと、ハイボルテージな曲の連投で観客のテンションを高めていく。中でも盛り上がりを見せたのはアジカンとのコラボ曲「Wake Up!」の初パフォーマンス。軽快なスカのサウンドとエネルギッシュなバンドサウンドが融合し、観客の熱狂を煽っていく。さらに「せっかくなのでアジカンの曲を……」という紹介から「遥か彼方」のコラボセッションになだれ込むと場内の温度は一気に上昇。ホーンのゴージャスなサウンドが後藤の歌声を後押しし、楽曲の持つスケール感を倍増させていた。

the chef cooks me(撮影:古溪一道)

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初日に続いての出演となったIt's A Musicalは、チャーミングで心地よいサウンドと味わいのあるデュエットを披露。エラは「We're so happy to be here! ダイスキ!」と日本語を交えたMCでも観客を微笑ませた。It's A Musicalと同じく2日連続で登場したTegan and Saraはエレクトロチューンから攻撃的なロックナンバーで構成されたバラエティに富んだセットリストを用意。双子ならではのツインボーカルの妙や、メロディアスなサウンドを届けた。またthe chef cooks meはにぎやかなアンサンブルで、オーディエンスを大いに踊らせる。また下村亮介(Vo, Key, Programming)のパフォーマンスは時間の経過とともに白熱していき、観客を巻き込んで一斉にジャンプをしたり、ラストナンバーの「song of sick」ではアリーナのスタンディングエリアで絶唱したりと奔放さが全開に。最後は「こんなバンドも世の中にいるから見つけてこい!」というシャウトが炸裂した。

ユニコーン(撮影:岸田哲平)

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メインとなるアリーナエリア以外でもアジカンのメンバー発案による企画が会場内で行われ、この日は喜多建介プロデュースのSunday in Brooklynに片平里菜、木下理樹(ART-SCHOOL)、YeYeが、伊地知潔プロデュースのGUESTReALMには磯部正文(HUSKING BEE)、Kat McDowell、小川コータ&とまそんが登場。中にはメンバーが飛び入りするステージもあり、観客は目の前で繰り広げられる貴重な共演を楽しんだ。そしてイベントの後半戦の一番手はユニコーンが担当。奥田民生(Vo, G)は「ツアー終わったばかりで元気です。曲覚えてます」と堂々と宣言し、先日終了したばかりのツアーの内容を踏襲した遊び心たっぷりのセットリストでライブを進めていく。EBI(B)がボーカルを務め、曲中に巨大フラフープを回す「夢見た男」、ABEDON(Key)がフロントに立ち熱唱する「Boys & Girls」、奥田がハンドマイクで練り歩きエネルギッシュに歌い上げる「服部」と、個々のマルチプレイヤーぶりを存分にオーディエンスに印象付けた。

The Rentals(撮影:古溪一道)

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2日連続出演となったThe Rentalsは初日とは異なるセットリストでライブを行ったほか、マット・シャープが「Friends of P.」の曲中に“AKGコール”を巻き起こし、さらには「Come and save me AKG!」と後藤をステージ袖から呼び出す一幕も。さらにマットと後藤はステージで追いかけっこを始め、観客をおおいに笑わせていた。続くThe Young Punxは初日同様、SOIL & "PIMP" SESSIONSの元晴(Sax)とタブゾンビ(Tp)とのセッションや、RedNPinkとのコラボを繰り広げ、アッパーなダンスチューンで会場をディスコへと変えていた。

the HIATUS(撮影:岸田哲平)

the HIATUS(撮影:岸田哲平)[拡大]

「NANO-MUGEN FES.」の常連the HIATUSは、ツアー中ということもあり「Roller Coaster Ride Memories」を皮切りにタイトなアンサンブルでオーディエンスを圧倒していく。MCで細美武士(Vo, G)は、さまざまな困難の中にあっても「NANO-MUGEN FES.」を継続し、リスナーに音楽を届け、社会に対して真摯に向き合い続ける盟友アジカンへの賛辞も惜しみなく口にする。「いいバンド見つけたね。一生付いていったほうがいいんじゃない?」と笑顔を浮かべ、ファンの喝采を浴びていた。そしてトリ前のOwl Cityはキャッチーでダンサブルなエレクトロチューンをたっぷりと披露。アダム・ヤングは前日以上に伸びやかでエモーショナルなハイトーンボイスを響かせ、オーディエンスをしっかり味方に付けていた。

ASIAN KUNG-FU GENERATION(撮影:岸田哲平)

ASIAN KUNG-FU GENERATION(撮影:岸田哲平)[拡大]

ASIAN KUNG-FU GENERATIONのライブに飛び入り参加したティム・ウィーラーとマット・シャープ。(撮影:古溪一道)

ASIAN KUNG-FU GENERATIONのライブに飛び入り参加したティム・ウィーラーとマット・シャープ。(撮影:古溪一道)[拡大]

そして2日間のフェスは「センスレス」で幕を開けたアジカンのアクトでクライマックスへ。4人は前日とは異なるセットリストを用意し、勢いのあるパフォーマンスで会場を揺らしていく。後藤はオーディエンスに向かって「本当にありがとう」と噛み締めるように感謝を告げ、2011年3月11日に起きた東日本大震災がきっかけとなり再びバンドの結束が固まったこと、最近再び4人だけでスタジオに入っていることを明かす。さらに2年ぶりの「NANO-MUGEN FES.」について「今年は帰ってきた感じがしました」と微笑んだ。そして「例え負け犬だったとしても、大きな声で吠え続けますよ」という後藤の言葉から4人は「ライカ」を力強く奏でる。アンコールでは、マットとAshのティムが参加してのWeezer「Say it ain't so」のカバーと、スカパラホーンズを迎えての「迷子犬と雨のビート」というスペシャルセッションも実現。高揚感に満ちたアンサンブルが高らかに響く中で、2年ぶりの「NANO-MUGEN FES.」は華々しく幕を閉じた。

なお2日間のフェスの模様は、スペースシャワーTVにて9月5日(金)と6日(土)の2日間にわたって放送される。ファンは熱狂の2日間の模様をオンエアで追体験しよう。

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スペースシャワーTV「ASIAN KUNG-FU GENERATION presents NANO-MUGEN FES. 2014 Day 1/Day 2」

Day 1:2014年9月5日(金)20:00~21:30
Day 2:2014年9月6日(土)20:00~21:30

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Gotch / Masafumi Gotoh @gotch_akg

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