TM NETWORK、宇宙船セットで魅せたSF映画的ライブ

TM NETWORKが、全国ツアー「TM NETWORK 30th 1984～ the beginning of the end」の最終公演を5月20日に東京・東京国際フォーラム ホールAにて開催した。

2012年の日本武道館公演、2013年のさいたまスーパーアリーナ公演と、3人がタイムトラベルをしているという設定でスペイシーな世界観を提示しているTM NETWORK。今回のステージは、小室哲哉（Key）が影響を受けてきた映画「未知との遭遇」や「2001年宇宙の旅」を彷彿とさせる、“2時間のSF映画体験”をコンセプトとしたものだった。ステージ中央には制作途中のヒューマノイドらしき光る物体が収められた大きなポッドがあり、この物体はライブの時間経過によって女性、少女、赤ちゃんと、時間を逆行するかのように姿を変えていく不可思議な生命体となっていた。

暗転後、映画のようなオープニング映像を経て紗幕が上がると、最新シングル「LOUD」のビデオクリップで舞台となった宇宙船のセットが現れる。小室哲哉、宇都宮隆（Vo）、木根尚登（G）と、サポートの松尾和博（G）、Ruy（Dr）は初めに「LOUD」を演奏。その後「Come on Let's Dance 2014」「永遠のパスポート 2014」「金曜日のライオン 2014」など、4月にリリースされたばかりのセルフリプロダクトアルバム「DRESS2」の収録曲を中心にファンキーなパフォーマンスを展開する。

壮大なスケールのイントロを経て「I am 2013」が始まると、物語は佳境へ。計8つの鍵盤を駆使した小室のソロプレイタイムでは、「TIME TO COUNT DOWN」や「SEVEN DAYS WAR」のフレーズを盛り込みつつ徐々にボルテージを上げていく。トラックの盛り上がりが頂点に達し、小室が足を振り上げ鍵盤をハイキックした瞬間、ステージでは爆発の特効が起きてアンセム「Get Wild 2014」「Self Control 2014」へと続いた。

物語のクライマックスでは、小室が「TM NETWORK」と書かれたカプセルを手に取り、それが木根、宇都宮の手に渡って小型ポッドの中へ。カプセルを乗せた小型ポッドは宇宙に向けて放たれ、「Fowerd to London 1974」というメッセージがスクリーンに映し出された。ライブは「Beyond The Time」で幕を下ろし、最後にヒューマノイドだった少女とメンバー3人がゆっくりと歩いて、宇宙船の外へ出ていくように姿を消した。

なお、このツアーはTM NETWORKのデビュー30周年を記念したライブの“1st season”と位置付けられており、終演間際には「NEXT TM NETWORK WILL BE WINTER 2014 TO BE ANNOUNCED」という2nd seasonの予告メッセージも。小室はこれら一連の演出について「すべてのストーリー、完結までは僕自身で文章化しています。脚本も、2章、3章まで続くことは間違いないです。ダンスミュージック＋シアトリカルのグループは非常に珍しいので、今後、若手アーティストにも継承していってほしいです」とコメントしている。

また、昨日5月21日にはTM NETWORKが“TMN”名義で発表したオリジナルアルバム「RHYTHM RED」「EXPO」が高品質CD Blu-spec CD2としてリリースされた。今作の発売元のソニー・ミュージックダイレクトによる30周年スペシャルサイトも立ち上がっているので、FANKS（ファン）はチェックしておこう。

TM NETWORK「TM NETWORK 30th 1984～ the beginning of the end」
2014年5月19・20日 東京国際フォーラム ホールA セットリスト

01. LOUD
02. Come On Let's Dance 2014
03. Kiss You
04. 永遠のパスポート 2014
05. ACCIDENT 2014（19日） / 金曜日のライオン 2014（20日）
06. RAINBOW RAINBOW 2014
07. Be Together 2014
08. CUBE
09. I am 2013
10. Just One Victory 2014
11. TK Key Solo
12. Get Wild 2014
13. Self Control 2014
14. Beyond The Time