今回のツアーは日本フィルハーモニー交響楽団とのコラボによるクラシックコンサート仕様。多くのクラシックコンサート同様、間に休憩を挟む2部構成で行われた。ツアー最終日にして、通算6回目の“JUJUの日”に当たる、この日のライブには約2000人の観客が詰めかけた。
大友直人の指揮のもと日本フィルハーモニー交響楽団の演奏する序曲が終わると、ブルーグレーのロングドレスに身を包んだJUJUが大きな拍手に迎えられながら登場。ピアノ1本を背に1曲目「明日がくるなら」を歌い始めると、そのメロディにストリングスの音色が絡み合い、伸びやかな彼女の歌声を華やかに彩る。「皆様、こんばんは」というかしこまった挨拶で始まった最初のMCで彼女は「今年は今までで一番ゴージャスな“JUJUの日”」「生音の素晴らしさを感じてもらいたい」と今回のライブの魅力を生真面目に紹介する。しかし客席に、普段の彼女のライブを観に来ているファンが多くいることがわかると一転。気取らない普段の顔を覗かせ、会場の雰囲気を和ませた。
「私のオリジナル曲がオーケストラアレンジでどのように変わったのかも楽しんでもらいたい」というJUJUの言葉通り、日本フィルがJUJUナンバーをいかに料理するかは、このツアー最大の見どころのひとつ。彼女と日本フィルが、管弦楽ならではの流麗なサウンドに生まれ変わった四つ打ちのハウス曲「光の中へ」と、スウィングジャズ風の1曲「My Life」を続けて披露すると客席からは惜しみない拍手が送られる。さらに第1部のラストナンバー「YOU」は壮大なバラードへと変身。1音1音を丁寧に歌い上げるJUJUの姿と、日本フィルの重厚な演奏に観客は酔いしれていた。
第2部は日本フィルによる「グリーンスリーブスによる幻想曲」のあと、黒の切り替えドレス姿で再びステージに現れたJUJUが「Distance」を情感たっぷりに歌い上げるところから幕を開けた。ひと息ついたJUJUはマエストロの大友に「スタイルいいですよね」と感心したようにひと言。すると大友に「JUJUさんは長い曲をツアーでもきっちり歌い上げていてすごいです」と切り返され、2人はお互いを褒め、照れ合う微笑ましいひと幕を図らずも演出する。そして彼女は「今年の“JUJUの日”があと10日くらい続けばいいのに」と日本フィルと共演できたことの喜びを改めて口にした。
ヒット曲「また明日...」などに続けて演奏されたのは、JUJUが「今回披露した曲のなかでも一番好きなアレンジに仕上がった」と語る「ANTIQUE」。柔らかな歌声とハープ、グロッケンの音色とともにまさに“アンティーク”なムードを醸し出すと、荘厳なアレンジの施された「ありがとう」を高らかに歌い上げてライブ本編を締めくくった。
鳴りやまないアンコールの拍手を受けたJUJUはまず、ゆずの北川悠仁が作曲を手がけた新曲「守ってあげたい」を初披露する。そして「皆さんが観に来てくださるから私は歌い続けられる」「皆さんとつながれたのは、この曲のおかげなんじゃないかなと思います」と、この日のラストナンバー「奇跡を望むなら...」を紹介。ハープを大きくフィーチャーした同曲をJUJUが熱唱し、それに応えた客席からスタンディングオベーションが巻き起こったところで今年の“JUJUの日”ライブはフィナーレを迎えた。
なおJUJUは11月20日にニューシングル「守ってあげたい」、12月11日にはこの日の公演の模様を収めたライブアルバムをリリース。さらに来春には全国ツアーも開催する。
PREMIUM CLASSIC CONCERT 2013
2013年10月10日 東京・ Bunkamuraオーチャードホール セットリスト
<第1部>
序曲:Overture
01. 明日がくるなら
02. やさしさで溢れるように
03. 光の中へ
04. My Life
05. この夜を止めてよ
06. YOU
<第2部>
07. グリーンスリーブスによる幻想曲
08. Distance
09. 願い
10. また明日...
11. ANTIQUE
12. ありがとう
<アンコール>
13. 守ってあげたい
14. 奇跡を望むなら...
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音楽ナタリー @natalie_mu
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