のっちはゲームがしたい! 第15回(後編) [バックナンバー]
ポケカはどうやって作られてるの?クリーチャーズ開発チームにカードゲーム作りの裏側を聞きました
開発者たちがポケモンのゲームをプレイしながら考えていることとは?
2023年12月4日 12:30 31
ポケカ開発者たちが、ポケモンのゲームをプレイしながら考えていること
のっち お二人とも「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」はプレイしたと思うんですけど、やっぱりカードの開発にどうつなげるか考えながらやるんですか?
小林 そうですね。「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」はシリーズ初のオープンワールドで、「水辺にはこんなのがいる」「森にはこんなのがいる」みたいなそれぞれの生態をより意識しやすくなったし、ポケモンのサイズ感とか、「自分がこう動いたらこのポケモンはこんなことするんだ」ということがわかりやすくなったんです。だからカードでもそれを表現できるように作り替えようと思って、意識しながら遊んでました。
のっち 遊び方の視点が普通の人と全然違いますね(笑)。
塚本 ポケモンはゲームだけでなくアニメもあるしアプリもある。その中で自分たちが魅力に感じた部分をカードに落とし込む、ということを意識しています。
のっち 「ポケモン スカーレット」と「ポケモン バイオレット」、両方遊んだんですか?
塚本 私は「ポケモン スカーレット」を選びました(笑)。社内には2つともやってる人もいますね。
小林 そしてそれぞれに話を聞いて、お互いに好きになったところを共有したりしてます。
塚本 ゲーム発売直後は面白かったところの感想を書きあう場所を作るんです。そこでみんなが共通して印象に残った部分がわかったり、お互いに気付かなかった部分を知れたりして。コライドンやミライドンの性格や仕草は実際にゲームをやるまでわからないので、ゲームをプレイしながら見た目だけでなく内面までカードに落とし込むにはどうすればいいか考えながらプレイしてますね。
のっち 仕事をしながらもゲームをする時間も作らなきゃいけないし、「ゲーム休暇」みたいなのはないんですか? 今日は1日ゲームだけするぞ、みたいな(笑)。
塚本 ゲームをするのは苦じゃないですからね。ゲーム休暇じゃなくても普通に休日はゲームしてるし(笑)。
ゲームの中では旅して戦ってるけど、そうじゃない普段の生活がポケモンにもありますからね
のっち 私は「ポケモン バイオレット」で最初のパートナーをホゲータにしたからすごく思い入れがあって、このホゲータと一緒にスーパーでお買い物をしてるカード、すごく好きですね。アチゲータ、ラウドボーンと進化していくにつれて時間の経過が表現されてて。
小林 3枚で1つのストーリーになってるんですよね。
のっち こういうの見たら泣いちゃうわ……。このシリーズを作った人いいなあ……。きっと「ポケモンと一緒にスーパーでお買い物したい」って思いながらこのカード作ったんだろうな……。
塚本 ゲーム内にこういうシチュエーションがあったわけではないんですけどね。
のっち 「かつりょくのうた」「バーニングボイス」ってワザなのに、まったく歌いそうにない(笑)。あと、このコジオもかわいい……。食卓で味付け担当として生きているんですかね(笑)。こういうイラストを発注するときは、どんなふうにお願いするんですか?
塚本 ポケモン図鑑のテキストを読みながら「もし現実にいたらこんな感じなんだろうな」と想像してイメージを考えるんです。ポケモンが生きていることが感じられるように。
のっち そっか、ゲームの中では旅して戦うことが多いけど、そうじゃない普段の生活がポケモンにもありますからね。
小林 ちなみにこれはAR(アートレア)のコジオですけど、こんなコジオのカードもあります。
のっち わー、普通!(笑) かわいい~! 推しのポケモンがいる人は大変ですね。絶対に全部集めたくなっちゃう。
提示したものと別の答えが返ってきたときが、この仕事をしていて一番楽しい
のっち ポケモンカードの開発をしていて一番楽しい瞬間ってなんですか?
小林 私はそもそもモノづくりが好きでこの仕事に興味を持ったんですけど、自分が作ったものがユーザーの手に渡って、遊んでもらえたり喜んでもらえたりするのってすごくうれしいんですよね。ときどきユーザーと対戦する機会もあって、自分が作ったゲームで一緒に遊べるのは楽しいです。
のっち わっ、それは素敵ですね。
塚本 私は小学生の頃に初めてポケモンのゲームをやってから、ずっとポケモンが身近な存在だったので、今こういう仕事をしながら、ポケモンがどんどん変わっていくところをお客さんの反応を見ながら一緒に楽しめるのがいいですね。「ポケモン 赤・緑」(1996年発売「ポケットモンスター 赤・緑」)の頃と今とではリザードンの印象も変化してるし、自分もポケモンと一緒に成長しているんだなって感覚があって。
のっち ある意味、そういう印象の変化に自分が携わってるわけですよね。
塚本 でもそれは自分たちだけでなく、お客さんたちが作ってくれている面もあるんです。自分たちが作って世に出したものを見た方々が「このポケモンって、こうなんじゃないか?」とイメージしていろんなところで話してくれることで、ポケモンは完成すると思っているので。
のっち みんなに好きに想像してもらって、どんどん解釈が増えることで、ポケモンに深みが出るってことですね。私たちも新曲をリリースしたときに、自分では全然考えてもいなかった解釈をファンのみんながしてくれることがよくあるんです。「これはこういう歌なんだ」って。それを聞いて「へーっ! いただき!」って採用することもありますね(笑)。
塚本 すごくわかります(笑)。答えって1つじゃないから、こちら側から提示したものと別の答えが返ってきたときが、たぶんこの仕事をしていて一番楽しいときなのかもしれませんね。
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