Novelbright

令和のアーティストとSNS 第2回 [バックナンバー]

Novelbrightが明かす、令和の売れ方

わくわく感をどう演出するか

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「有名人だから何を言ってもいい」を変えたい

──SNSを活用するうえで避けて通れないのがエゴサーチだと思うんですけど、皆さんはエゴサーチしてネガティブなものが引っ掛かったとき、メンタルの持っていき方はどうされてますか?

圭吾 最初はやっぱり傷つきましたね。でも、傷つきすぎて何も傷つかなくなったというか(笑)。もう慣れたというか、みんな通る道なんじゃないですかね。

雄大 どんなことに対しても何かにつけて文句を言う人っているじゃないですか。そういう人は気にしないようにしてます。

圭吾 最近は「こういうアイコンで、こういうプロフィールの人は俺らのこと嫌いなんやな」って見方ですね。

雄大 そうなんや(笑)。

圭吾 今はもうそういう感じでしか見てない。だから、むしろ音楽を作るうえで参考になる情報を得られているんじゃないかなと思ってます。

──そこまでいくと最強ですね(笑)。

圭吾 スルースキル、これからの時代さらに大事になると思います(笑)。ただ、真っ当な批判から誹謗中傷に近いレベルのものまでSNS上にきつい言葉はいろいろありますけど、そういうのをかわすことのできる人とできない人がいますよね。それは有名人でも同じなのに、SNS上には「有名人だから何を言ってもいい」みたいな空気があるなとはいつも感じていて。そういうのは自分でも変えていきたいと思っています。

──ちょうど先日「テラスハウス」の木村花さんの件があった際に、圭吾さんはまさに今おっしゃっていただいたこととリンクする内容のツイートをされていましたね。

圭吾 はい。ああいうときに「急にSNSの使い方の話をするのはどうなの?」という意見もあるのはわかるんですけど、僕としてはああいうときだからこそ注目されている人が発言することで今までのよくない常識に対して問題提起ができると思ったので。ファンの方からネガティブな反応はあまりなかったと思うんですけど、何かしら伝わっていればうれしいです。

圭吾

圭吾

「バズ」を狙って起こすのは無理

──Novelbrightは8月に「Sunny drop」でメジャーデビューしたばかりですが、楽曲制作の過程では「SNSでバズるか」みたいなことを意識しているんですか?

雄大 基本的には自分たちがやりたい、自分たちにとって気持ちいいものを作るというのが最優先ですけど、「こういう形でバズったらいいな」ということを考えたりもします。例えば、「Sunny drop」に関しては、普段は使わないような高い音をサビで使っていて。

圭吾 今までで一番高い音ですね。

雄大 あれも歌っていて気持ちのいい流れを感覚で作ってはいるんですけど、メジャー1発目で話題になってほしいって思いも込めて、「いったれ!」と思ってああいうメロディになりました。カラオケで歌うのは難しいかもしれないけど……。

圭吾 むしろ「カラオケで歌えないでしょ、これ」ってバズってほしいなと(笑)。

──「Sunny drop」のサビのファルセットについては、ただ高いだけじゃなくて手前とのギャップ、音程の跳躍があるので確かに歌うのが難しそうですね。

雄大 そうですね。Aメロはわりと抑えめのメロディですし、「この音程の幅が難しい!」「チャレンジしてみたい!」って話題になってほしいですね。

圭吾 ただ、他人のふりをしたツイートが想像以上にバズったって話もそうなんですけど、「狙ってバズを起こせるか」っていうと必ずしもそうではないんですよね。意識はしているんですけど、じゃあ「何がバズるか」を文章に書けと言われたら絶対書けないです。

雄大 TikTokで一気に話題になる曲も、明確な理由はないと思うんですよね。何年も前の曲が急に人気になったりするし。だから、TikTokで流行る曲を狙って作ることはたぶんできないと思うんですよ。例えば僕らの「Walking with you」という曲はTikTokだと学生がリレーで走っている動画にたくさん使われているんですけど、別にあれは僕らが「リレー動画に使ってね」と言ったわけじゃないのに、今ではなぜか定番になっていて。

圭吾 いつの間にか「リレーの動画と言えば『Walking with you』」みたいになっているのかなと思うんですけど、そういうふうに僕らの予期しないところで勝手に話題になっていくのがSNSの面白さなんじゃないかなと思います。

雄大 もちろん「こうやってバズってほしい!」って考えてSNSに投稿したりもしますけど、思わぬ形で話題になったものを気を付けて見るようにもしていますね。

左から竹中雄大、圭吾。

左から竹中雄大、圭吾。

SNSは自分たちを広める手段

──そうやって「バズるもの」「バズらないもの」を観察していく中で、自分たちのクリエイティビティがその物差しに引っ張られてしまうことはないですか? 要は「やりたいこと」より「バズりそうなこと」を優先してしまうというか。

雄大 それはないです。やりたいことが大前提で、それをどうやって広げるかを一生懸命考えている、ということでしかないので。

圭吾 バンドとしての芯はあくまでもぶらさずに、というのは5人の間でも共有されています。

──現状、Novelbrightの「やりたいこと」「芯」というのを言語化するとどういったものになりますか?

雄大 「王道」ですね。変化球ではない、いつの時代も戦えるキャッチーなメロディラインの音楽。

圭吾 そうだね。Novelbrightとして流行り廃りのない音楽をやりたいと思っています。

雄大 いいこと言ってくれた。それです(笑)。

竹中雄大

竹中雄大

Novelbrightは体験共有型バンド

──「王道」というのは、先日TwitterやInstagram、YouTubeで公開されていた「一問一答」でお二人が「5年後の目標」として共に答えていた「日本を代表するバンド」といったお話ともつながりますね。そしてそういった存在を目指していく中で皆さんはSNSを積極的に活用されているわけですが、NovelbrightのSNSとの向き合い方を見ると、ファンの方を巻き込むというか、自分たちの“共犯者”になってもらおうというメッセージを打ち出しているように見受けられます。

雄大 まさにそうですね。例えば「みんなで配信のチャートを上げよう!」みたいなことをこっちから発信して、それで実際に順位が上がったら、協力してくれたファンの人たちも喜んでくれて……っていう形で、みんなで一丸となって出した成果を分かち合えるんですよね。これはSNSを介してファンの皆さんとつながってるからこそなんじゃないかなと。

圭吾 僕らは“体験共有型のバンド”なんですよね。お客さんが「自分の周りの人にもNovelbrightを知ってもらいたい」って気持ちでアップしてくれた路上ライブの動画が伸びたこともそうですけど、「私たちが一緒になってNovelbrightを押し上げていくんだ」と考えてくれてるファンの方が多いんです。

──なるほど。そのあたりの距離感と言いますか、ファンの方の「私たちが売ってあげた」という気持ちを盛り上げすぎる怖さみたいなものを感じたりはしないですか? ファンからの“期待”が“過剰な要求”に変わってしまう危険性というか。

圭吾 うーん、ファンの方たちのおかげでNovelbrightの存在が広まっているのは事実ですからね。ファンのみんながいないと自分たちはバンドとして成功できないので、それに関しては感謝の気持ちしかないです。

──お話を聞いていると、バンドの5人がいて、その周りのファンの方々まで含めてNovelbrightだっていうイメージが浮かびます。みんなでNovelbrightという存在を形作っているというか。

圭吾 ホントそんな感じですね。

雄大 SNSがあることによってファンの人からの意見をダイレクトにもらえるし、逆に自分たちもファンの人に直接発信できるので、これからも先もそうやってつながりながらファンのみんなと一緒に大きくなっていきたいという気持ちが強いです。

──「一緒に」というのがポイントですね。

雄大 さっき言った「分かち合う」とか、圭吾が言った「体験の共有」の話ともつながるんですけど、SNSのいいところとして「夢が叶ったときにそれをみんなで一緒に喜べる」ということがあると思うんです。この前「今年Mステ出たい…」ってツイートをしたらファンのみんなが実際に番組にリクエストをしたりしてくれたんですけど、もし本当に出演が決まったらみんなほんまに喜んでくれると思うんですよ(※取材は8月中旬に実施。その後9月4日放送回に出演した)。だからこれからも自分の夢は積極的に発信していきたいし、バンドメンバーだけじゃなくてファンの人たちとも一緒に夢に向かって進んでいきたいと思います。

リリース情報

メジャーデビューデジタルシングル「Sunny drop」配信中
https://Novelbright.lnk.to/Sunnydrop

Novelbright プロフィール

大阪出身の5人組ロックバンド。2013年にオリジナルメンバーで結成され、2019年1月に現体制となる。同年7月に行った「崖っぷちどチクショー路上ライブTOUR」がSNSで拡散され、その名を全国へと広める。2020年5月に初の全国流通アルバム「WONDERLAND」をリリース。同年8月に「Sunny drop」でユニバーサル ミュージックよりメジャーデビューを果たした。2021年7月には大阪・大阪城ホールでワンマンライブを開催することが決定している。なおボーカルの竹中雄大は口笛の世界大会で2度の優勝経験がある。

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