フィッシュ・リウが「私の愛のかたち」出演理由語る、カルロス・チャンは脚本との出会い回想

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香港映画「私の愛のかたち」(原題「像我這樣的愛情」)のワールドプレミアが第38回東京国際映画祭内で開催。本日10月31日に東京・TOHOシネマズ 日比谷で行われたQ&Aにキャストのフィッシュ・リウ(廖子妤)、カルロス・チャン(陳家楽)、監督のタム・ワイチン(譚惠貞)が登壇した。

香港映画「私の愛のかたち」(原題「像我這樣的愛情」)Q&Aの様子。左からカルロス・チャン(陳家楽)、タム・ワイチン(譚惠貞)、フィッシュ・リウ(廖子妤)

香港映画「私の愛のかたち」(原題「像我這樣的愛情」)Q&Aの様子。左からカルロス・チャン(陳家楽)、タム・ワイチン(譚惠貞)、フィッシュ・リウ(廖子妤)

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本映画祭のウィメンズ・エンパワーメント部門に選出された「私の愛のかたち」は、都市に生きる人々の複雑な心の機微を繊細に描きながら、障害のある人々が愛や身体的自立を求めて歩む姿を映し出す作品。脳性まひの女性ムイは、生活と言うにはほど遠い、ただ生きるだけの日々を送っていた。ある日友人の勧めで彼女は障害者を対象に性的サービスを提供する施設を訪れ、ボランティアのケンと出会う。この出会いは彼女の人生を大きく変えるが、ケンは彼女に対して心を開こうとしなかった。「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」の燕芬姐役などで知られるフィッシュ・リウがムイを演じ、ケンにカルロス・チャンが扮した。

香港映画「私の愛のかたち」(原題「像我這樣的愛情」)ポスタービジュアル

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大きな拍手に迎えられ、笑顔で登場した登壇者たち。東京に来るのは初めてだというタム・ワイチンは「お会いできてうれしいです。観に来てくれてありがとうございます」と、カルロス・チャンは「香港映画を世界に紹介するのが私の使命、このような機会をいただけてうれしいです」と笑みをこぼす。

タム・ワイチン(譚惠貞)

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昨年も本映画祭で出演作「幼な子のためのパヴァーヌ」が上映され、2年連続の来日となったフィッシュ・リウ。本作への出演を決めた理由を尋ねられると「6、7年前に、身体障害者のために性的サービスを提供するNPOのような組織があるということを報道で知って、とても興味を持ちました。なぜなら性に対する権利は誰もが持つべきものだと思っているからです。それ以来こういったテーマには関心を持ってきたので、この映画の脚本を読んだときに、とても心惹かれました。そしてムイとケンが出会い愛を育む様子に感動を覚えたんです」と語り、「監督の前作を観て、ずっと一緒に仕事をしたかったことも出演を決めた理由の1つです。また、あまりラブストーリーに出演したことがなかったので、参加したいと思いました」と明かす。また「ムイは本当に難しい役でした。どう自分の体と心を使って演じていけばいいのか? まったく経験したことのない役どころだったので、もう一度生まれ変わったような気持ちでした」と述懐。「ムイを演じるにあたって、監督は脳性まひの方とお会いする機会も設けてくださいました。難しかったのは、ムイの心の状態を理解することです。彼女は体は不自由ですが、心は前向きでチャレンジしていきたい女性。そう理解して演じていきました」と伝えた

フィッシュ・リウ(廖子妤)

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「脚本を受け取ったときすごく興奮しました」と回想するのはカルロス・チャン。「ケンは体は健康ですが、心のどこかに闇があって、ある種の病を抱えています。一方のムイは非常に明るくて対照的な人物。そんな2人がどのように一緒になっていくのか、ものすごく知りたくなったんです」と思い返し、「監督と役柄について話す中で、ケンに近付いていきたいと思うようになりました。ご覧になった方はわかると思いますが、とあることが原因で彼は心に打撃を受けた人物。演じるにあたって、監督から闇のあるイメージが欲しいと言われたので、ダイエットはかなり努力しました」と言及した。

カルロス・チャン(陳家楽)

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タム・ワイチンは本作のようなテーマを持った作品を撮ることになるとは思っていなかったそう。「2019年にテレビドラマの撮影を終えて脚本家と雑談をしていたとき、台湾に性的なサービスを提供するボランティア組織があると聞いたんです。たまたまボランティアをしたことがある友人がいたんですが、彼は40代の女性の入浴介助をしたときに、突然女性から『私の一番大事なところを触ってみてくれませんか』とお願いされたそうなんです。彼女は自分の体について理解しておらず、恋愛もしたことがなかった。私は、この話を聞いたときに、もっと性に対する権利を認識すべきだと感じました。そしてこの映画を撮ったんです。何か偉大なテーマを持った作品を撮りたいと思ったわけではなく、単純にラブストーリーとして描きたかったんです」と言及した。

第38回東京国際映画祭は11月5日まで東京の日比谷・有楽町・丸の内・銀座エリアで開催。

香港映画「私の愛のかたち」(原題「像我這樣的愛情」)Q&Aの様子。左からカルロス・チャン(陳家楽)、タム・ワイチン(譚惠貞)、フィッシュ・リウ(廖子妤)

香港映画「私の愛のかたち」(原題「像我這樣的愛情」)Q&Aの様子。左からカルロス・チャン(陳家楽)、タム・ワイチン(譚惠貞)、フィッシュ・リウ(廖子妤) [拡大]

香港映画「私の愛のかたち」(原題「像我這樣的愛情」)予告

第38回東京国際映画祭 概要

会期・会場
開催中~2025年11月5日(水)東京都 日比谷・有楽町・丸の内・銀座エリア

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にゃむ副長@お江戸歩き隊 @oedoarukitai

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