映画「
本作では、うだつの上がらない脚本家・李(イ)が、旅先のおんぼろ宿で“べん造”と名乗る宿主と出会い、人生と向き合う様子が描かれる。シム・ウンギョンが李、堤がべん造に扮した。
三宅は「この映画は登場人物同士が協力をするわけでもなく、それぞれの人たちの話。自分にとっては全員が主人公という感覚なので、今日は4作品分の舞台挨拶をさせてもらっているような気分です」と挨拶する。シム・ウンギョンは「脚本を読んだとき、私の話じゃないかと感じるくらい親近感があって。もしかしたら、これを運命というのかなと思いました」と回想。また三宅の監督作「ケイコ 目を澄ませて」が大好きだというシム・ウンギョンは「いつか三宅監督とご一緒できたらと思っていました。こんなに早くチャンスが来るとは思わず、本当にびっくりしました」と口にした。
堤は「べん造は山形の庄内弁をしゃべるのですが、なんで僕にオファーが来たのかなと。僕は関西の人間ですし、東北弁は初めてでした。監督に『ガチでやってください』と言われたので方言テープをもらって。あんなに自分のセリフを聞いたことはないというくらい、勉強しました。チャレンジでした」と明かす。河合は「『旅と日々』を終えて、もう一度三宅さんとご一緒することが目標になりました。それくらい(三宅作品への参加は)特別な意味があり、叶ってうれしかったです」とコメント。オーディションで役を射止めた髙田は「大きなチャンスだと思い挑戦しました。(本作は)僕の人生にとって大きな節目になると感じました」と振り返った。
つげ義春のマンガ「海辺の叙景」「ほんやら洞のべんさん」をもとにした本作。三宅は原作について「好きだと言うのがおこがましいくらい、すごいマンガです。映画作りを通じて、改めてつげさんの作品の豊かさを味わいました」と言及。また彼は「原作の絵柄をそのまま再現しようとは考えていませんでした。1コマ1コマに驚きがある作品なので、その驚きが連鎖していく感じは、映画で表現できたら面白いだろうと思っていました」と述べる。
MCから好きなシーンを尋ねられると、シム・ウンギョンは「べん造と李のやり取りで何が起きるか、ぜひ観てほしいです。またラストシーンにこの映画で届けたいメッセージが込められています」と回答。堤は「風景の描写が入るのですが、奇跡的で素晴らしいです」、河合は「2つの季節が登場しますが、自然に触れる感覚がとても豊かです。登場人物たちが自然をどのように捉えているか伝わってきます」とそれぞれ言葉を紡ぐ。髙田は「どのシーンも大切ですが、自分が演じた夏男は可哀想な目に遭うことが多くて……(笑)。楽しみにしていてください」と発言し、笑いを誘った。
本作は、第78回ロカルノ国際映画祭インターナショナル・コンペティション部門にて、最高賞である金豹賞とヤング審査員賞特別賞を受賞。三宅は「画面に映っていない数多くのスタッフの力によってできた作品なので、そういった働きを含めて認められたことがうれしかったです」と語った。スタッフの手によって丁寧に金豹賞のトロフィーが壇上に運ばれる中、三宅が「俺、リュックに入れて持って帰ったよ」と呟き、登壇者たちを驚かせる。三宅、河合とともに映画祭に参加したシム・ウンギョンは「受賞を知ったとき、河合さんは泣いてましたよね? 私も感動しました。本当なの?えー!と、夢のような感覚でした」と述懐。その言葉を受け河合は「受賞を聞いたときはびっくりして、大きな声が出てしまいました。恥ずかしくて、泣いたことは記憶から消したかもしれません(笑)」とほほえむ。堤がトロフィーを見つめ「監督のリュックの匂いがする」とジョークを飛ばすと、三宅は「さすがに立派な箱がありました!」と説明した。
「旅と日々」は、11月7日より東京・TOHOシネマズ シャンテ、テアトル新宿ほか全国でロードショー。
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【イベントレポート】シム・ウンギョン、三宅唱の「旅と日々」に運命を感じる 堤真一は庄内弁を猛特訓(写真12枚) https://t.co/vE94bJK9q7主演のウンギョンさん、盛り上げようとしてました❣️❣️微笑むしかったです❣️ウンギョンさんありがとう💓