映画「
真藤順丈の同名小説をもとにした「宝島」は、アメリカ統治下にあった戦後の沖縄を舞台に、米軍基地から奪った物資を住民らに分け与える“戦果アギヤー”と呼ばれた若者たちの物語。妻夫木が過渡期を全力で生きたグスクを演じ、
イベントでお披露目されたのは、映画の世界観を凝縮した3種のポスタービジュアル。あらゆる感情が爆発するコザ暴動のシーン、残酷な現実に打ちひしがれたヤマコをグスクが抱きかかえる姿、そして未来を変えようと希望を抱く若き日の4人の姿が切り取られている。
山形では、大友が「レジェンド&バタフライ」、妻夫木が大河ドラマ「天地人」の撮影を通じてゆかりがあり、それぞれ感慨深い様子で登壇。「天地人」の撮影後にも直江兼続の墓参りに何度も来ていたという妻夫木は、あるとき両親と一緒に大雪の中で墓参りしたことを振り返り、「僕が着いた途端に晴れて。パッと後ろを見たら僕の両親が泣いていたんです。『なんで泣いてるんだよ』と思ったんですが(笑)、線香をあげて『失礼します』と去った瞬間、また雪が降ってきた。迎えられたような神秘的な体験をしました」とエピソードを披露する。
この日は、物語の鍵を握る少年・ウタを演じた
翌3日に行われた新潟キャラバンでは、妻夫木が「この映画を通じて死生観が変わった」と語る。沖縄・千原地区に伝わる千原エイサーを例に、「死って終わりを意味するものだと捉えていたんですが、思いは残るんじゃないか」と述べ、「『永眠』という言葉がありますけど、ただ眠っているだけで、僕らも亡くなったらその場所に行ってまた会うことができる。そう思えたら、終わりっていうイメージがなくなったんです。だから日々に感謝して生きなきゃいけないし、子供たちにどういう未来を残せるのか。そういう考え方を持てるようになりました」と伝えた。
また1945年8月1日から翌2日未明にかけて長岡空襲があったことを踏まえた感想も、観客から数多く寄せられた。大友は「この映画を沖縄以外の出身の人間が撮ることに並々ならぬ覚悟があった」と率直に述べ、「アメリカ統治下の沖縄というのは本当に情報がないんです。地元の人たちが固く口を閉ざしてる部分もある。だから自分たちが代弁者となって“声なき声”を伝えるのは怖かった」と述懐し、「そのために取材を重ねてきたんですが、沖縄の方の『ありがとうございました』という言葉は、本当に僕も妻夫木くんも救われる思いというか。感謝したくなりました」と語った。
「宝島」は9月19日より全国ロードショー。
※塚本晋也の塚は旧字体が正式表記
映画「宝島」本予告
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