映画「
真藤順丈の同名小説をもとにした「宝島」は、戦後アメリカ統治下の沖縄で、米軍基地から物資を奪い住民に分け与えた“戦果アギヤー”と呼ばれる若者たちを描く物語。過渡期を全力で駆け抜けたグスクを妻夫木、幼なじみのヤマコを広瀬、兄を探すためヤクザへの道を選んだレイを窪田、レイの兄で突然失踪するリーダーのオンを永山が演じた。
コロナ禍により2度の撮影延期を経て、3時間超の大作として完成した「宝島」。大友は6年の歳月が掛かった経緯を語り、「僕にとっては10年ぐらいのよう」と振り返る。さらに「この規模の映画は、一度頓挫すると消えてしまうことも多い。それでも完成したのは奇跡だと思います」と感慨深げに述べた。その思いを受け、妻夫木も「僕は映画の力を信じたい。1%でも誰かの人生や未来を変える力があるなら、映画の奇跡を信じたい。この作品には、その力があると心から信じています」と力を込めた。
圧倒的なカリスマ性を持つオンを演じた永山は「妻夫木くんより歳下なので頭を抱えました」と述懐。「理屈ではなく肉体で表現したいと思い、嘉手納基地の周りを毎日ランニングして、あまり思考しないようにしました」と明かすとともに、「妻夫木聡さんを先輩だと意識しないと決めました」と続ける。それに対し、妻夫木が「『ランチの女王』で初めて共演したとき『友達役だからブッキーって呼んでいいですか?』って。当時からそんな感じだった(笑)」と回想すると、永山は「ブッキーって呼んで仲良くしてきましたが、心のどこかでは『瑛太、生意気だな』と思われてないか心配だった(笑)」と本音を明かして笑いを誘う。そして「自分が先頭切って『おい、行くぞ!』という関係性の役は初めてだったので、今回は本能的に思い込まないと無理でした」と口にした。
広瀬は10代のグスク、オン、レイの3人が走るシーンについて「楽しそうでまぶしくて、写真のように焼き付いています」と述懐。「そのときのオンちゃんの笑顔や、みんながオンちゃんを見つめる表情……『この人がいるから生きられる』という希望のようでした」と永山演じるオンの存在感をたたえる。一方、偉大な兄を持つレイを演じた窪田は「僕も兄弟がいるから気持ちがわかりました。兄に対する弟の呪縛みたいなものはあると思うけど、兄が失踪することでレイの人生は動き始めた」と分析。「その背中を追い続ける中で、鏡のように跳ね返ってきて、自分の小ささを改めて痛感する。でもレイは純粋に、お兄ちゃんが大好きだったんだろうなと思います」と役に寄り添うように語った。
舞台挨拶にはこのほか、
「宝島」は9月19日より全国ロードショー。
※塚本晋也の塚は旧字体が正式表記
映画「宝島」本予告
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