映画「
真藤順丈の同名小説をもとにした「宝島」は、アメリカ統治下にあった戦後の沖縄を舞台に、米軍基地から奪った物資を住民らに分け与える“戦果アギヤー”と呼ばれた若者たちの物語。妻夫木が過渡期を全力で生きたグスクを演じ、広瀬すずが幼なじみのヤマコ、窪田正孝が兄を見つけるためヤクザへの道を選んだレイ、永山瑛太がレイの兄で突然失踪するリーダーのオンに扮した。
6月から始まった全国キャラバンは、この2日間で20エリア目を達成。2日間で総勢1200人を超える観客1人ひとりに直接名刺を手渡し、本作に込めた思いと感謝を届けた妻夫木は、大友とともに笑顔で20エリア目となる鹿児島の地を後にした。
8月9日(土)京都府
京都のT・ジョイ京都では、コザ暴動のシーンでの演技や、カチャーシー(沖縄の踊り)に関する感想が観客から寄せられ、妻夫木は「カチャーシーは本当に難しい。皆さんが子供の頃から自然に踊っているものなので、教える人がいないんです」と説明。「公民館のガラス張りのところで練習していたら、おじいが通りかかって『酔っ払った人がいるのかと思ったよ』と言われてしまいました」と振り返って笑いを誘い、改めて「カチャーシーを褒められるのはすごくうれしいです」と喜んだ。この日は、長崎への原爆投下から80年を迎えた日。観客からの「いろんな感情が湧きました」「モヤモヤした思いはどう昇華すればいいのか」といった声に対し、妻夫木は「昇華しなくていい。簡単に片付けないでほしい」と静かに語りかけた。
8月9日(土)兵庫県
続く兵庫・OSシネマズ神戸ハーバーランドでは、コザ暴動のシーンで使用された車について「本物ですか?」という質問が。大友は「約80台のヴィンテージカーを実際に集めて、ひっくり返したり、焼いたりしました」と答え、会場を驚かせる。スタッフの間でも「もったいない」という声があったものの、リアリティを追求するために決断したと明かした。また妻夫木は「伝えていくことをあきらめたくない。映画という手段で届けたい」と強く訴えかけ、大友も「この映画を通して登場人物たちの感情を追体験してもらいたい。ここにいる皆さんはそれを体験したわけですから、もう“大友組”です」と映画のバトンを託した。
そのあとに訪れた兵庫・アースシネマズ姫路では、舞台挨拶の直前に劇場へ到着して「間に合ってよかった!」とホッとする2人。観客から、神聖な場所であるウタキ(御嶽)について質問が上がると、妻夫木は「沖縄にはそこら中にウタキがあるので、いつも手を合わせるように心がけていました」と振り返る。しかし「天候だけはなんともならなかったですね」と苦笑いし、「500人ぐらいエキストラさんを呼んだシーンがあったんですが、雨がじゃんじゃん降っちゃって……あのときは参りましたね」とエピソードを披露した。
8月10日(日)熊本県
翌日8月10日は、熊本・熊本ピカデリーからスタート。エンドロールに使われた写真について観客から質問が上がると、大友は「実際の写真です」と明かし、「実は出すべきか迷っていました。でも、これはフィクションではない。今と地続きの出来事だと知ってもらいたかった」と説明する。「映画を通して戦争や平和について考えが変わりましたか?」という質問には、妻夫木が「当然、変わりました」と即答。「沖縄戦では約20万人の方が亡くなり、その多くが民間人で、“集団自決”によってたくさんの方が亡くなった。ただ実際は、身内同士が手をかけあって亡くなった。そんな狂った世界が存在していたのに、僕は教科書の中の言葉しか知らなかった」と悲痛な現実について触れた。
8月10日(日)鹿児島県
鹿児島・鹿児島ミッテ10では、これまでのキャラバンで印象に残った場所を回想。最初に訪れた沖縄を挙げた妻夫木は、沖縄の人に観てもらうことへの不安が残っていたが、観客から「ありがとう」と言われてうれしかったという。さらに「大友監督から見た妻夫木さんは?」という質問も。大友は「この題材を主役として背負ってくれた。それも表面的ではない、自分が大切にしている沖縄の友人たちへの思いを大事にしながら、細やかに丁寧に役に取り組んでくれた。僕にとっては本当に信頼に足る人。彼でなければこの映画は成立しなかった」と語り、妻夫木への感謝の思いを重ねた。
「宝島」は9月19日より全国ロードショー。
映画「宝島」本予告
関連記事
妻夫木聡の映画作品
リンク
関連商品
ひろせすき @MioSakota
「宝島」の妻夫木聡さんと大友啓史さんが全国を行脚中!🌍✨京都、兵庫、熊本、鹿児島で彼らの熱い思いを届けています。ファンとの交流も充実していて、とても楽しそう!ぜひ応援してあげてください!🎉💖 https://t.co/yf5XyLTY2o