映画「
第160回直木賞に選ばれた真藤順丈の同名小説をもとにした本作。アメリカ統治下にあった戦後の沖縄を舞台に、米軍基地から奪った物資を住民らに分け与える“戦果アギヤー”と呼ばれた若者たちの姿が描かれる。妻夫木が過渡期を全力で生きたグスク、広瀬が幼なじみのヤマコ、窪田が兄を見つけるためヤクザへの道を選んだレイを演じ、
妻夫木は「この映画は(撮影が)2回流れて、ようやく完成することができました。今日を迎えたことが感慨深いです」と心境を口にし、本編を観た感想を「まだ客観的には観られていないとは思いますが、この作品が持つ圧倒的な生命力を感じました。『生きていかなきゃいけないな』と心の底から思いました」と伝える。広瀬は「いい意味で、すごく疲れました。いろんなものをくらいすぎて……。濃厚な撮影の日々を思い返す瞬間がたくさんありました」、窪田は「死というものが(劇中の)彼らにとっては隣り合わせにあるからこそ、全力で生きている青年たちの魂を感じました」とそれぞれ述懐。大友は「原作を読んだとき、生きるエネルギーを痛切に感じた。映画を通して少しでも彼らの人生を追体験してもらいたい。それを役者たちも感じながら演じてくれてたんだと思い、心強く感じました」と笑顔を見せた。
クランクイン前、妻夫木は役作りのため沖縄に行ったという。親友たちによる案内のもと、2つのガマと、『沖縄戦の図』という作品がある佐喜眞美術館を訪れた妻夫木は「いろんな勉強をして知ったことよりも、大切なものや声が(自分に)入ってくるというか。絵を見て涙して動けなくなってしまったのですが、一番感じなきゃいけないものを最初に2人(の親友)がくれて、それが最後まで僕の支えとなりました」と真摯に言葉を紡ぐ。広瀬は撮影期間を振り返り「『生き抜いてやるぞ』という覚悟を持ったヤマコという女性はすごくまぶしかった。濃厚な毎日を過ごす中でいろんな感情に出会えて、エネルギッシュな感覚が体験できたなと。楽しくも苦しく、もがきながら演じさせてもらえました」と述べた。
ヤマコが感情を爆発させるシーンが多かったという話題では、広瀬が「何日かに分けて撮る予定だったシーンも、段取りを見た監督が『一発で撮ろう!』とテンションが上がって。ほぼ一発かつ一連で撮りましたね」と回想し、大友は「窪田くんとすずちゃんのシーンは、5日用意されていたけど2日で撮っちゃった。最高(の演技)ですから」と自信を見せる。また大友はコザ暴動の場面に触れ、「コザ暴動はコザ騒動とも言われている。あの場にいた人たちの感情は“怒り”だけだと捉えられがちだけど、調べていくといろんな人がいたんです。そのカオスな状況こそアメリカ統治下。“ごった煮”のような感情のうねりをどうやって作り、その中でグスクたちの芝居がどう際立ってくるか。それこそがリアルですよね。僕らが『こういうふうにしよう』と思っちゃダメなこともある」と演出における矜持を語った。
永山からはビデオメッセージが届けられた。彼は「(撮影が)始まる前からオンを演じるということの重圧にどう向かっていけばいいのかという葛藤はあったんですけど、大友監督と共演者に全部委ねていいかなというつもりで挑みました」「涙腺の弱い私は、試写場で周りの方にばれないように涙を拭きながら観ました」とコメント。妻夫木は「20歳ぐらいのときから、何回共演したんだろうというぐらいの間柄。彼がいるだけで心強いし、魅力的なオンちゃんを演じてくれたおかげで、彼を“生きる意味”にしてグスクという役を演じられたので感謝しています」と深い信頼関係をうかがわせる。窪田は「誰よりも大きな背中で、誰よりも自由に、風のように駆け抜けていた姿が印象に残っています」と口にした。
イベント後半、妻夫木が本作の“宣伝アンバサダー”に就任したことが発表され、彼は「僕にとって『宝島』は映画を超えた作品になってるんです。目の当たりにしてもらいたい、体験してもらいたい、感じてもらいたいと思っていて。皆さんに直にこの作品を届けにいきたい。先々の土日のスケジュールは全部埋まっています!」と意気込む。今後、妻夫木と大友を中心に、沖縄、静岡、富山、長野、北海道など全国を回る予定だ。イベント情報など詳細は映画の公式サイトの続報を待とう。
最後に妻夫木は「僕はこの映画を観終わったあと、人生のバトンの話だなと思いました。過去の人たちの思いを背負って、僕たちは今を精いっぱい生きていかないといけない。1人でも多くの方に観てもらいたい渾身の作品です」と力強くアピールし、イベントの幕を引いた。
「宝島」は9月19日より全国ロードショー。
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戦後沖縄を舞台に、史実に記されてこなかった真実を描き切った傑作小説「宝島」の映画化。 https://t.co/9MMnfl0nXn