吉村界人・光嶌なづなら「ひらやすみ」をたっぷり語る、岡山天音&森七菜をリスペクト

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NHK夜ドラ「ひらやすみ」の関連イベント「夜ドラひらやすみを一緒に見ようの会」が本日11月16日に東京・杉並区役所で行われ、トークゲストとしてキャストの吉村界人光嶌なづな、演出の松本佳奈、髙土浩二が登壇。MCを制作統括の坂部康二が担った。

「夜ドラひらやすみを一緒に見ようの会」の様子。左から吉村界人、光嶌なづな

「夜ドラひらやすみを一緒に見ようの会」の様子。左から吉村界人、光嶌なづな

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真造圭伍の同名マンガを実写化した本作では、29歳のお気楽なフリーター・生田ヒロトが、人柄のよさだけで近所の“ばーちゃん”から平屋を譲り受けたことから物語が展開。美大に通う18歳のいとこ・小林なつみと2人暮らしを始めた彼のもとには、いつしか生きづらさを抱えた人々が集まるのだった。岡山天音がヒロト、森七菜がなつみを演じ、吉村がヒロトと高校からの親友である野口ヒデキ、光嶌がなつみの美大の同級生・横山あかりに扮している。

スマホやSNSがあまり出てこない、古典的な部分が好き

放送後の反響を聞かれた吉村は「友達がみんな『面白かった』と言っていて。僕も観ていて胸を打たれました」とほほえみ「スマホやSNSがあまり出てこない、古典的な部分が好きですね。会いたいと思ったら連絡を取るのではなく、もう直接会いに行っちゃう。そんなフィジカルな部分が魅力」と語る。レギュラー出演が初めてだったという光嶌は「地元の友人や、あまり連絡を取っていなかった幼なじみからもメッセージをもらいました」と続け、「全話観たのですが、最終話は泣きましたね。ぜひ楽しみに過ごしていただきたいです」とアピールした。

「夜ドラひらやすみを一緒に見ようの会」に参加した吉村界人

「夜ドラひらやすみを一緒に見ようの会」に参加した吉村界人 [拡大]

「夜ドラひらやすみを一緒に見ようの会」に参加した光嶌なづな

「夜ドラひらやすみを一緒に見ようの会」に参加した光嶌なづな [拡大]

続いて相関図を紹介するコーナーに。坂部からなつみとあかりの関係が「ちびまる子ちゃん」のまる子・たまちゃんに似ているという声が多かったと告げられると、光嶌は「光栄ですね!」と感謝。原作を読んだうえで撮影に臨んだそうで「似せなきゃいけないと思っていたけれど、森さんと芝居をするうちに、原作を大事にしつつも自由に演じていけばいいのだと学びました」と振り返る。吉村は視聴者から「マジでヒデキじゃん!」と称賛の声が寄せられていることに「本意なのか、不本意なのか……」と正直に述べて観客を笑わせたあと「メイク用の部屋には原作が置いてあり、天音や森さんがずっと読んでいたんです。僕は原作を読むにつれて『自分が演じて大丈夫か?』とナーバスになってしまうタイプなので、逆にあまり読まなかった」と打ち明けた。

「ひらやすみ」第6回より、車で登場する野口ヒデキ(吉村界人)

「ひらやすみ」第6回より、車で登場する野口ヒデキ(吉村界人) [拡大]

「ひらやすみ」第8回より、左から横山あかり(光嶌なづな)、小林なつみ(森七菜)

「ひらやすみ」第8回より、左から横山あかり(光嶌なづな)、小林なつみ(森七菜) [拡大]

「2人にとって演じたキャラはどんな人?」と聞かれると、吉村は「個性的ですが、1つの町に1人はいる」とヒデキを表現し、「本音と言動がズレてしまうときもあるけれど、悪いやつではないんです。そういった意味では等身大なのかな」とコメント。「誰も殺さないし、誰にも殺されないキャラ」と坂部から形容されると、「いつもは血まみれになったり、池に沈められたり……(笑)」とこれまでハードな作品に出演してきた過去を思い返す。光嶌は「あかりんは“強い”人物で、ちゃんと自分の弱さを知っている。それを表現できるかが不安でした」と吐露。演じるにあたって「あかりん宛に『このシーンはどう思っている?』と手紙を書き、彼女になりきってお返事をつづってみたりしたんです」と話すと、その独特な役作りに吉村は「見習うべきですね!」と驚き、「ヒデキがヒロトらと花火をするシーンでは、立っているだけで天音が笑い出すんです。森さんには『その芝居のやり方はいい意味で“天然記念物”ですよ!』なんて言われたり……(笑)。もう、やけっぱちで演技するしかないんです!」と嘆き、再び観客を笑わせた。

“明確に答えを出さない”演出の意図

続いて第5・6回がスクリーンで上映され、観客は登壇者と一緒に鑑賞。坂部によって第5回のヒロトが電車に乗るシーンはJR阿佐ヶ谷駅で撮影されたこと、なつみの髪留めは森の私物だったことが明かされていく。さらに第6回でヒロトらがシマアジに舌鼓を打つシーンでは、吉村が「おいしかった~!」と述懐。光嶌は「こういうところで笑ってくださっているんだ!」と観客の反応に新鮮さを感じていた。

「ひらやすみ」第5回より、生田ヒロト(岡山天音)が電車に乗るシーン。ホームまでのエスカレーターで立ち止まっていると、急いでいる立花よもぎ(吉岡里帆)から「速く行ってよ!」と注意される。

「ひらやすみ」第5回より、生田ヒロト(岡山天音)が電車に乗るシーン。ホームまでのエスカレーターで立ち止まっていると、急いでいる立花よもぎ(吉岡里帆)から「速く行ってよ!」と注意される。 [拡大]

中盤のトーク時には松本、髙土が合流。松本が「撮影は大変なことも多いですが、楽しかったことしか覚えていないんです。俳優と役の境界線があいまいになっていくさまを目の当たりにして、『次に何を見せてくれるんだろう?』とワクワクしました。シーンの想定はもちろんありますが、そこに収まらなくてもよいものになっていく。これが撮影の醍醐味ですよね」と口にすると、髙土も「僕らが俳優の動きを制限してしまうともったいない。特に本作の撮影ではその思いがあふれました」と充実した様子を見せる。

「夜ドラひらやすみを一緒に見ようの会」に参加した髙土浩二

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監督とのエピソードに話が及ぶと、吉村は「松本さんに『このシーンのヒデキはこういう感じですかね?』とアイドリングトークっぽく聞くと、『え、知らない』と言われることも。思ったことを正直に伝えてくださる監督は珍しい」と証言。“明確に答えを出さない”演出の意図を問われた松本は「本人がだいぶ面白い人なので(笑)。具体的に指示するより、ちょっと優しく追い詰めたほうが面白くなる」と答えていた。

「夜ドラひらやすみを一緒に見ようの会」に参加した松本佳奈

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光嶌がオーディションで選出されたことに話が移ると、彼女は「最終審査に森さんがいてくださった。かわいかった……」と回想。髙土は「基本は代役やスタッフと演技してもらうことが多いのですが、森さんがいてくださったことで空気感を確かめられましたね」と振り返る。松本は「このドラマではヒロトとヒデキ、なつみとあかりなど“2人組”の描写が多いので、視聴者に『本当に友達なんだな』と思わせないといけない。光嶌さんはまとっている雰囲気がまずあかりっぽいし、森さんとだったら本当に友達になれそうだなと。芝居経験はそんなにないけれど、即興芝居を入れ込む度胸がある。ぴったりだなと思いました」と賛辞を贈った。

「ひらやすみ」あるあるは「歩いているシーン、去り際がいつもアドリブ」

第7・8回は登壇者4名で鑑賞。第7回でのなつみとあかりがアルバイトしている場面のシーンでは、光嶌が「メガネを外すシーンでは顔が引きつってしまい、何度もチャレンジしたんです」と語る一幕が。2人で帰る場面が映ると「ここはオーディションでやったシーンなんです、撮影はとても濃い1日になりました。後半のセリフはほぼアドリブです」と告白する。第8回でなつみとあかりが自作したアクアパッツァに「微妙」と漏らすシーンを目にすると、「本当はすごくおいしかったんです。だから(演技が)難しかった……」と苦労をにじませていた。

「ひらやすみ」第7回より、一緒に帰る小林なつみ(左 / 森七菜)、横山あかり(右 / 光嶌なづな)

「ひらやすみ」第7回より、一緒に帰る小林なつみ(左 / 森七菜)、横山あかり(右 / 光嶌なづな) [拡大]

上映後、光嶌は「思い入れの強い2話で、台本もボロボロです。こうして完成された映像を観ると、改めてすごいところにいたんだなと思います」と発言。吉村が「これは『ひらやすみ』あるあるなんですが『歩いているシーンのとき、去り際がいつもアドリブ』。いつも何か発した言葉が使われている」と言うと、松本は「みんな、いつも何かしてくれるんです。なっちゃんとあかりは友達のような会話で、逆にヒロトとヒデキは言葉をひねり出すような感じ」と表現する。加えて「ヒロトは受けのタイプだから、どうしてもヒデキががんばるしかないんだよね」と目線を送ると、吉村は「天音も僕の顔をじーっと見て『どうするの? 界人くん』と言ってくる(笑)」と訴えた。

岡山天音、森七菜の魅力とは

森の印象にトークテーマが移行すると、光嶌は「森さんの“なっちゃん”が私を“あかりん”でいさせてくれた。私のいろいろな面を引き出してくれたんです。『お待たせー!』とこっちに来る姿でも、思わず笑ってしまったり。『今度は私が引き出さなきゃ』と思っていても、結局こちらが引き出されてしまう。本当にすごい、すごいんです!」と彼女をリスペクト。髙土も「撮影では順撮りでないことが多いですが、編集の際に見るとしっかり順番になっている」と目を丸くする。森からはビデオメッセージが寄せられ、彼女は「阿佐ヶ谷は東京の中でも“色”があって、来る意味がある場所。古本屋で絵を買ったので、見るたびに『ひらやすみ』と阿佐ヶ谷を思い出すんだろうなと」と充実感をのぞかせていた。

一方、岡山の印象を問われた吉村は「負けず嫌いですよね」とまず一言。「共演は2回目ですが、20代の頃には遊んだりも。何年かぶりに会い、改めて尊敬できるなと思いました。すごい役者です。ほかの人と比べられないほどにしゃべりやすいですし、お互いからっぽの状態でも会える」と口にする。松本も「なんでもできる人です。相手の分まで役の細かいことを考え、脚本を読み込んでくれる。でも“考えてきた感”をまったく出さず、“今ここにいる人”みたいな芝居ができます」とたたえ、「“受け”のバリエーションがとても多い。話を聞いているだけの芝居なのに、ヒロトが面白くなっていく」と岡山の演技力について語る。そして岡山は、ビデオメッセージで阿佐ヶ谷という場所に感謝を述べつつ、「なっちゃんとあかりんのシーンはいつまでも見ていられます。渋谷にある定点ライブカメラみたいにずっと配信してほしい。友情の機微を楽しんでください」と見どころをアピールした。

「ひらやすみ」第5回より、左から野口ヒデキ(吉村界人)、生田ヒロト(岡山天音)

「ひらやすみ」第5回より、左から野口ヒデキ(吉村界人)、生田ヒロト(岡山天音) [拡大]

最後に吉村は「今日は参加できてうれしかったです。また明日から一緒に楽しみましょう!」と挨拶。光嶌も「皆さんと一緒に鑑賞して『こんなに幸せなんだ』と感じました。これからも『ひらやすみ』を愛して、みんなで広めていきましょう!」と呼びかけ、イベントに幕を引いた。

「夜ドラひらやすみを一緒に見ようの会」の様子。左から松本佳奈、吉村界人、光嶌なづな、髙土浩二

「夜ドラひらやすみを一緒に見ようの会」の様子。左から松本佳奈、吉村界人、光嶌なづな、髙土浩二 [拡大]

全20回の「ひらやすみ」は、NHK総合で毎週月曜から木曜の22時45分より放送中。

ドラマ作品情報

夜ドラ「ひらやすみ」番組情報

放送局・放送日時

NHK総合 毎週月曜~木曜 22:45~23:00(全20回 / 5週)

スタッフ・キャスト

原作:真造圭伍
脚本:米内山陽子
音楽:富貴晴美
音楽プロデューサー:福島節
演出:松本佳奈 / 川和田恵真 / 髙土浩二
制作統括:坂部康二 / 熊野律時
プロデューサー:大塚安希
出演:岡山天音 / 森七菜 / 吉村界人 / 光嶌なづな / 吉岡里帆 / 根岸季衣ほか

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satsuki @osatsu51O

【イベントレポート】吉村界人・光嶌なづなら「ひらやすみ」をたっぷり語る、岡山天音&森七菜をリスペクト https://t.co/tk3fh1KSy9

素敵なイベント💓参加できた方羨ましい♪
明日から去り際注目しちゃう☺️

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