「この恋は、理想形。」高橋文哉×原菜乃華インタビュー | “不思議な力”で結ばれる2人の純愛、TELASA配信の「エピソードゼロ」撮影も振り返る

高橋文哉が主演・企画プロデュースを担当する縦型ショートドラマ「この恋は、理想形。」が、配信アプリ・UniReelで本日10月24日に配信スタートする。TGC(東京ガールズコレクション)20周年を記念して製作された同作は、高校の1学年違いである恋人・高峰広と朝比奈澪が織りなすラブストーリー。劇中では“不思議な力を持つ服”によって変化する2人の関係性がつづられていく。広役の高橋、澪役の原菜乃華のほか、岡崎紗絵、綱啓永、八村倫太郎(WATWING)が出演。高橋が審査員を務めるオーディション「FANFARE 1ST PROJECT」で選ばれた池本征矢、永井湖白もキャストに名を連ねた。

映画ナタリーでは高橋、原にインタビューを実施。王道のラブストーリーにファンタジーの要素を融合した同作の見どころや、連続テレビ小説「あんぱん」に続く共演によって抱いた互いの印象を語ってもらった。さらに映像配信サービス・TELASA(テラサ)で配信中の「エピソードゼロ」についても。「次にタッグを組むとしたら?」という質問から、次回作のアイデアも飛び出した。

取材・文 / 大畑渡瑠撮影 / 間庭裕基

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世に出ることにすごくワクワクします(高橋)

──高橋さんは企画プロデュースとしても参加されましたが、改めてご自身が手がけた作品が配信される心境はいかがでしょう?

高橋文哉 今年の頭から長期にわたる企画でしたので、世に出ることにすごくワクワクしますし、うれしい気持ちが大きいです。でも同時に恐怖心も抱いていて、皆さんの「これが高橋文哉が作りたかったものなのか」という見方がどう転んでいくのかがとても気になっています。

高橋文哉

高橋文哉

──本作は王道のラブストーリーでありながら、「ヒロインがワンピースを着ると、心の底から願ったことを叶えられる」というファンタジーの要素も加わっているのが特長です。このアイデアはどのように生まれたのでしょうか?

高橋 TGCさんとコラボさせていただくという前提があったので「洋服を題材にした物語で何が一番シンプルに面白いのかな」というところから着想を得ました。企画当初はプロデューサーという肩書きはなかったのですが、せっかく初めて縦型ショートドラマの主演をやるからと、複数あった企画の中から選ばせていただくことになりました。でもその中にはあまりうまくイメージできるものがなくて、「こういう話はいかがでしょうか?」と提案してみたところ「それいいね。じゃあ“高橋文哉企画”ということにしようか」と話が進んでいきました。そこでプロデューサーとしての役割が加わったんです。

──なるほど。制作のプロセスで特に印象に残ったことはなんでしょうか?

高橋 脚本を作る段階において、毎週5~6時間スタッフみんなで集まって話し合いをするという作業を2~3カ月続けていたのは楽しくもあり、過酷でした。でも今振り返ると、その期間はすごく大事だったなと思います。あとはキャスティングも大変で……。当初はスタッフさんから「このメンバーを集めるのは現実的に難しい」と言われたんですが、結果的には妥協なく「この人にお願いしたい」と強く思える方たちに引き受けていただけた。出演してくださった皆さんにはもちろん感謝していますし、僕の願いを実現してくれたスタッフにも頭が上がらないです。

高橋文哉

高橋文哉

さすがだな! 高橋さん!!(原)

──原さんはそんな高橋さんからの熱いオファーを受け取ったわけですよね。

原菜乃華 お話をいただいたのは朝ドラ「あんぱん」の撮影中だったんです。高橋さんからは「澪役にぴったりだから」と言っていただきました。おっしゃる通り、脚本を読んだら澪の言葉選びや、なんとなく自信がなくて人の目を気にしてしまうところはすごく自分と似ているなと。だから「さすがだな! 高橋さん!!」というのが一番最初の感想でした。演じていて、とってもやりやすかったんですよね。

原菜乃華

原菜乃華

高橋 「見透かされているみたい」と言っていましたもんね。澪のキャラクターを作っているときは「誰に演じてほしいかな?」とずっと考えていたけれど、「あんぱん」の現場で一緒にいて「あ、こんな近くに澪のような人がいる!」と気付いたんです。

 それは素直に喜んでいいのかな……?

高橋 もちろん! 澪の人物像はもともと「おっちょこちょいで、天然なキャラクター」としか構想していなかったけれど、原さんがオファーを受けてくれたことで「空回りしちゃう瞬間もあるけど、まっすぐな性格で周囲から愛される人」という人物像を加えることができました。バランスが必要な難しい役ではあるけれど、きっと彼女だったら僕らの求めている澪になってくれるのではないかと。

 とってもうれしいです。ありがとうございます!

左から高橋文哉、原菜乃華

左から高橋文哉、原菜乃華

制服を着てお芝居するところを観てほしい(高橋)

──全50話で構成されている本作ですが、特に注目してほしい点は?

 広と澪の距離が縮まっていく過程にキュンキュンしますし、澪が好きな人と出会い、恋愛を通してもう1度自分と向き合っていく展開が苦しいけれどすごく素敵です。全体を通して澪の成長を観てほしいなと思います。

原菜乃華

原菜乃華

高橋 あと(高校の)制服姿には注目してほしいですね。もともと、原さんと僕が制服を着てお芝居するところを観てほしいと思って本作を作ったという面もあるんです。当初は大学時代から始まる物語として考えていたのですが、キャストが決まったときに、綱啓永さん演じる瀧公太を含めた3人の掛け合いの魅力は高校の制服を着ていたほうが出てくるのではないかと思いました。それにより、脚本を高校時代から描くことに変更したんです。制服を着ているからこそできる恋愛シーンもありますし、私服同士でやると違和感が出てしまう部分も、制服という“アオハル”を通すことで成立させることができました。

 高校・大学・社会人と進むにつれてヘアメイクもガラッと変わります。展開が早く、登場人物が各時代においてどういうふうに過ごしていたのか、劇中では描かれないけれど変化を感じさせる要素がちりばめられています。演じるうえでも、鏡に映った自分を見て自然と役へのスイッチが入る感覚がありました。