「
暴力団対策法が成立する以前の広島を舞台に、組織間の激しい抗争が描かれる本作。暴力団との癒着をうわさされる刑事・大上を役所、部下の日岡を松坂が演じた。松坂は、劇中の小道具であるジッポライターを大切そうに握りしめ「役所さんとバディを組ませてもらったことが何よりも宝。作品の中で役所さんが使っていたライターをもらったんです。皆さんも、観終わったときには『いいな』と感じると思います」と語る。対する役所は「松坂くんとは2度目の共演。頼もしい俳優さんだと思います」とたたえた。
暴力団・尾谷組の若頭である一之瀬役の江口は「東映さんがやってきた『仁義なき戦い』。それからVシネマブームもありましたが、オールバックの男たちが熱いことをやってきた時代がどこかで止まっていた感覚がある。この映画が新しい突破口になれば」と話す。また「仁義なき戦い」キャストでもある組長・尾谷役の伊吹は「『仁義なき戦い』は、あの時代だからこそできた作品だと思う。当然“その筋”の方に指導していただき、たくさんお世話になった。でも今の時代にこの作品を企画した東映さんは大変だったと思う」とスタッフへ感謝を述べた。また尾谷組構成員・永川役の中村は「ご覧の通り童顔の僕が! たばこを買いに行くたびに年齢確認される僕が! 左手に注射器、右手に銃を持っているというエキセントリックな役を、白石さんに振っていただきました。もし駄目だったら……全部白石さんのせいにしようと思う」と笑いを起こした。
尾谷組と敵対する組織・加古村組の若頭・野崎を演じた竹野内は、自らのイメージをくつがえすような役柄について「私はこれまで、静と動で言ったら静の、いい人な役が多かった。今回初めてこのような役をいただけたことがうれしかった」と感慨深げに振り返る。大上の理解者であるクラブのママ・里佳子役の真木は「キャストの皆さんが切磋琢磨する姿を間近で観て、カッコいいと思うと同時に『私も男性だったらこんなお芝居をやってみたい』と思いました」と、男性陣へ憧れの眼差しを向けた。
柚月は、完成した映画について「アウトローな男性が多く登場するので、小説では“漢”を前面に出そうとがんばって書きました。映像になると迫力がダイレクトに伝わって、私が考えていた以上のカッコよさを感じられる」と感想を述べる。また白石は、ほぼ全編広島ロケを行った撮影を回想しつつ「できあがってしまうと、何ひとつ苦労したことを覚えておらず、充実して幸せな時間だったなという気持ちです」と作品の出来に満足気だった。
最後に役所は「ヤクザ関係者役の人たちは、普段はちゃんとした社会人みたいな顔をしてますけど、根が不良ですからね(笑)。すごくのびのびと演じていました。そこに真木さんと阿部さんが華を添えてくれた」とまとめたかと思いきや、「僕と松坂くんは、刑事として正義の味方をやっています」と作品内容にそぐわぬ紹介で笑いを誘う。そして「これから公開されますので、ぜひたくさんの人に勧めてください」と観客に語りかけた。
「孤狼の血」は5月12日よりロードショー。
※「孤狼の血」はR15+指定作品
関連記事
役所広司の映画作品
関連商品
リンク
- 「孤狼の血」公式サイト
- 「孤狼の血」本予告
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
tAk @mifu75
【イベントレポート】「孤狼の血」松坂桃李、「役所広司さんとバディを組ませてもらったことが宝」(写真40枚) - 映画ナタリー https://t.co/bCHFQnpa6c