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本作は、暴力団対策法が成立する以前の広島を舞台に、組織間の激しい抗争を描く物語。役所が暴力団との癒着をうわさされる刑事・大上を演じ、松坂桃李、江口洋介、竹野内豊らも出演した。
まずは紀伊國屋書店 新宿本店にて開催される「孤狼の血」特別展の開催記念テープカットセレモニーに、役所と柚月が参加。期間中は店内が本作の場面写真などで特別装飾されることを受け、役所は店の前に集まった大勢の観客へ「新宿の皆様、こんにちは。紀伊國屋書店の中が『孤狼の血』だらけになっていますので、ぜひお立ち寄りください。原作を読んでから映画を観ても、映画を観てから原作をお読みになってもけっこうです!」とアピールし、テープカットを行った。
続いて同店4階の紀伊國屋ホールにて、本作に署長役で出演もしている映画コメンテーター・赤ペン瀧川の進行のもとトークイベントを開催。まずは柚月が1人でステージに上がって「『仁義なき戦い』を観て、いつかこういう熱い世界を書いてみたいと思って『孤狼の血』の小説を書き上げました」と話し、もともと「麻雀放浪記」のような“男の世界”を描く映画が好きだったことや、初恋は俳優の渡瀬恒彦だったことを明かした。
続いて監督の白石も登壇。役所が演じた大上について「役所さんが演じることで、怖いところとキュートなところのメリハリが絶妙になって、なんとも言えない魅力が出ていた」と絶賛する。また役所や江口らキャスト陣が放つ色気について「東映の映画って『不良性感度』と言われていて、出ている役者さんはみんな色っぽいんです。狙っている部分もそうでない部分もあるのですが、その色気はこういう映画を撮るときのキーワードだなと思う」と解説した。
そして最後に役所もステージへ。瀧川の顔を見て「署長……」とつぶやいたり、小道具のたばこに関して「実は禁煙をしたばかりのときにこの役が来まして……」と告白したりして笑いを起こす。破天荒な大上という男をどう捉えているか聞かれた役所は「自分との共通点はまったくないですね。でも、この男は天使だと思っていました。汚れた街に舞い降りてきた天使。そして、ときどき街にたんを吐く天使です(笑)」と独自の意見を述べて登壇者たちをうならせる。それを聞いた白石は「役所さんから『僕は天使を演じます!』というお言葉はもちろんなかったので、『たんを吐いてください!』『ここでおっぱいを触ってください!』と演出してしまったんですが……俺は天使に何をやらせていんだろう(笑)」と後悔して笑いを誘った。
また終盤には、大上と松坂演じる日岡が1対1で話し込む重要なシーンの話題に。役所が「僕も松坂くんも、セリフがたくさんあって……。現場に行ったらいきなり監督に『ここワンカットですから』って言われて、冗談かなと思った(笑)」と回想する。対する白石はワンカットにこだわった理由を「このシーンが肝だよなとか、もしかしてこれは映画史に残るシーンになるんじゃないかという思いを感じた。僕くらいの演出家がカットを割るより、お二人のむき出しのお芝居を、編集できないように抜き出したかった」と語った。
最後に柚月は「観終わったらじっとしていられなくなるような熱量のある映画です。そして出ている俳優の方々のうち、必ず誰かに惚れる映画です。推しを見つけに来ていただきたい」と観客にアピール。役所は「これが日本映画の毛色が変わっていくきっかけになればいいなと思っています。ヤクザや危ない刑事のような登場人物が多いですが、きっと『正義とはなんじゃ?』と考えてもらえる映画になっています」とイベントを締めくくった。
「孤狼の血」は5月12日よりロードショー。
※「孤狼の血」はR15+指定作品
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- 「孤狼の血」公式サイト
- 「孤狼の血」本予告
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役所広司が新宿で「孤狼の血」をPR、自ら演じたマル暴は“街にたんを吐く天使”
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