深田晃司監督作の“女優”アンドロイド、舞台挨拶でスムーズな会話披露

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第28回東京国際映画祭が開催中の東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて、10月24日、深田晃司監督作「さようなら」のワールドプレミア上映が行われた。

「さようなら」ワールドプレミア舞台挨拶の様子。左から石黒浩、ジェミノイドF、ブライアリー・ロング、村上虹郎、深田晃司。

「さようなら」ワールドプレミア舞台挨拶の様子。左から石黒浩、ジェミノイドF、ブライアリー・ロング、村上虹郎、深田晃司。

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ジェミノイドF

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劇作家・平田オリザとロボット学研究者・石黒浩による“ロボット演劇プロジェクト“で上演された戯曲を映画化した本作。放射能汚染にさらされた日本を舞台に、死を目前にした女性と彼女に寄り添うアンドロイドの交流を描く。上映前の舞台挨拶には、深田監督、アンドロイドアドバイザーとして参加した石黒、キャストのブライアリー・ロング村上虹郎、アンドロイドのジェミノイドFが登壇した。

村上虹郎

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監督作「歓待」が5年前の同映画祭で日本映画・ある視点作品賞に輝いた深田が挨拶すると、会場は歓迎ムード一色に。また同作が映画初出演作となったロングは「この映画祭に育てていただいていると感じてます」と感謝し、この場に登壇できる喜びを噛みしめた。映画史上前例のない、アンドロイドとの共演については「華がある大先輩ですので、光栄でした」と恐縮。一方で村上が「さっき手を握ったんですけど、感触ヤバかったです!」と興奮気味に伝える。

ジェミノイドFの達者なしゃべりを楽しむ一同。

ジェミノイドFの達者なしゃべりを楽しむ一同。[拡大]

会場中の視線を独り占めする中、ここでジェミノイドFが口を開いた。「深田監督の素晴らしい指導のもと、とてもいい体験をすることができました」と流暢に話す“彼女”は、ジョークを飛ばす余裕も。「映画も素晴らしいと思いますが、私の演技も思いのほかよかったので最優秀女優賞をいただけるのでは。アンドロイドの受賞は世界初のこととなるので、東京国際映画祭さんも話題になっていいのではないでしょうか」と茶目っ気を見せ、観客を大いに沸かせた。

左から石黒浩、ジェミノイドF。

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また同日に行われた記者会見では、石黒から本作でのチャレンジについてコメントが。「ハリウッド映画と違い、CGではなく本当のロボットが演技をしている。これは映画界における大きな一歩。人間とアンドロイドどちらがいいかはわからないけれど、人間にはできない表現もできる」と、本作が導く新たな可能性を伝える。また深田は「アンドロイドが人間っぽく見えるかどうかは主観にまかせます」と言い切り、「アンドロイドが人間より人間らしく見える瞬間が訪れるそのとき、観る人は『人間とは? アンドロイドとは?』と思いをめぐらせるはず。僕は人間の内面にアンドロイド性を見出したけれど、逆の人もいる。この映画はそういったことを考える時間を人に与えるのでは」と語った。

「さようなら」は、11月21日より全国ロードショー。

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