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本作は、劇作家の平田オリザとロボット工学者の石黒浩による演劇プロジェクトを映画化したもの。放射能で汚染された世界を舞台に、死を目前にした女性・ターニャと彼女に寄り添うアンドロイド・レオナの物語を描き出す。ロングがターニャ役を、新井がその恋人である敏志役を務め、アンドロイドのジェミノイドFがレオナを演じている。
深田は「本作は平田オリザさんが作り上げた演劇、そして石黒浩先生が作り上げたロボット工学、この2つの成果をお借りしてできた作品です。2010年のアンドロイド演劇から苦節5年、ようやく映画が完成し公開することができました」感慨深げに挨拶。ロングは「アンドロイドと死期が近い女性との会話で成り立ち、それ以上の設定がないアンドロイド演劇を映画化するにあたり、どういうふうに世界観を広げていくのかが監督やキャスト、スタッフのチャレンジでした」と、新井は「深田監督の世界がちゃんと出ていた。最近すごく細かいカット割りの映画が多い中で、『さようなら』のように長回しの見ごたえあるものはとても好きです」と話す。
本作でジェミノイドFと共演したことについて、新井は「人間ではないから待ち時間に寒いのとか気を遣わなくていいから楽なんです(笑)。人間同士だと気を遣うから。あとアンドロイドがミスするようなことは絶対にないですね」と笑いを誘う。さらに自身の演技に関しては「もともと、台本には敏志が自己嫌悪で自分の頬を殴るシーンがありました。自分は、性格上(芝居であっても)ガチでやる人なので、思い切り殴ったら腫れるだろうな……と心配していたのですが、監督からそのシーンがなくなったと聞いて内心ホッとしました」というエピソードを披露した。
最後に深田が「本作で一番描きたかったのは“メメント・モリ(死を想え)”。人はいずれ死ぬがそのときが来るまで経験することはできません。それをバーチャルとして体験できるのものが、“死”を描いた芸術作品であると思います」と語り、イベントは幕を閉じた。
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