THE BACK HORN×9mm Parabellum Bullet対決で大惨事勃発

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6月からTHE BACK HORN9mm Parabellum Bulletが開催していたスプリットツアー「大惨事目眩大戦」が、7月8日にZepp Tokyoで千秋楽を迎えた。

9mm Parabellum Bulletのパフォーマンスの影響を受けてか、THE BACK HORNはいつになく奔放なパフォーマンスを見せた。

9mm Parabellum Bulletのパフォーマンスの影響を受けてか、THE BACK HORNはいつになく奔放なパフォーマンスを見せた。

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先輩THE BACK HORNに負けじと激しいステージを繰り広げた9mm Parabellum Bullet。9月9日には初の日本武道館公演を開催する。

先輩THE BACK HORNに負けじと激しいステージを繰り広げた9mm Parabellum Bullet。9月9日には初の日本武道館公演を開催する。

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開催決定当初から、双方のファンの間で話題となっていた今回のツアー。屈指のライブバンドとして支持を集める2組の直接対決を拝めるとあって、チケットはもちろん全公演ソールドアウト。最終公演となったこの日は、2組の戦いの行方を見届けるべく約2700人の観客が集結した。

先陣を切ったのはTHE BACK HORN。会場が暗転すると地鳴りのような歓声が響き、4人が荘厳なSEに乗せて次々とステージに足を踏み入れる。山田将司(Vo)の「こんばんは。THE BACK HORNです」という挨拶とともに、戦いの火ぶたが切って落とされた。

まずは好戦的な「幾千光年の孤独」でオーディエンスを圧倒すると、続く「フロイデ」で重厚なアンサンブルを響かせフロアを煽る。張り詰めた空気が会場を覆う中で披露された「野生の太陽」では、山田の声が会場を切り裂くように響き、観客はその鬼気迫る歌声に釘付けとなった。

ライブ映えする楽曲を間髪入れずに連発したところで勢いよく1回目のMCへ。しかし、ここでスマートにいかないのが彼ららしいところ。勢いに乗りすぎたのか松田晋二(Dr)は、一言目から噛んでしまい緊迫していた会場は瞬時に爆笑に包まれた。フォローするようにツアータイトル「大惨事目眩大戦」に引っかけ「自分がかなり眩暈になってます……」と口にし、再び笑いを誘った。

中盤はめまぐるしい転調が印象的な「怪しき雲行き」を挟み、「罠」「ひとり言」で再びボルテージを上げていく。強靭なドラムをバックに、フロントの3人は定位置を離れステージ上を激しく動き回る。そして観客のテンションがピークに達したところで会場を静寂が包み、「美しい名前」がスタート。丸みのあるギターが曲の始まりを告げ、優しい歌声が真っ暗なフロアに響くと、誰もが小さく体を揺らしながらその歌声に聴き入った。

その後始まった2回目のMCの舵取りも松田が担当。2年越しで実現した今回のツアーの経緯を語る中で、いつしか話題はタイトル決めのエピソードに。松田は自信満々に、2つのバンド名を組み合わせた「角笛と銃声」というタイトルを提案していたことを告白。しかしあまりの安直なタイトルに、双方のメンバーから却下されたことを未練がましく語る。結局のところ山田が何気なく口にした「眩暈大戦」と9mmの菅原卓郎(Vo,G)が提案した「大惨事」が合体したものが採用されたが、いまだに納得していない様子を見せ会場を笑わせた。

後半戦は、岡峰光舟(B)の切れ味の鋭いベースアレンジから始まる「涙がこぼれたら」からキックオフ。「無限の荒野」では一種の祭状態に陥り、菅波栄純(G)はマイクをくわえ雄叫びを轟かせる。そのテンションのまま「コバルトブルー」になだれ込むと、野太いoiコールが沸き起こり会場は狂騒状態となった。

ラストの「刃」では2階席の観客も激しく拳を上げ、4人の繰り出す音に応える。フロア前方ではダイバーが次々と転がり、後方ではモッシュやジャンプが繰り返され会場を揺り動かす。そして、演奏を終えた4人は満足気な表情を浮かべ、9mm Parabellum Bulletへとバトンを渡した。

20分弱の転換時間を経て、後攻の9mm Parabellum Bulletが登場。悲鳴と怒号がこだまする中、菅原は紳士のように丁寧なお辞儀をし、オーディエンスに始まりの合図を送る。THE BACK HORNが序盤は重めの楽曲を持ってきた一方、9mmは即効性のある「Mr. Suiside」を1曲目として用意。当然のように冒頭からoiコールやモッシュが起き、いきなりフロアの興奮度はピークに。

以降も「Vampiregirl」「Keyword」と激走ナンバーが続き、オーディエンスを高揚させていった。滝善充(G)と中村和彦(B)は暴れつつも、弾くところは弾く、暴れるところは暴れる、とメリハリをつけたパフォーマンスを展開。ときには菅原を含む3人で同じポーズを決めるなど、遊び心もみせた。

すっかり自分たちのペースを作り上げたところで、菅原が「こういうとき、アメリカでは『シートベルトの準備はいいか?』って聞くんだよね。要するにぶっ飛ばしていくってことだ!」と高らかに宣言。それが起爆剤となり、「We are Innocent」「Termination」「Trigger」と高速ナンバーを連ね、轟音を容赦なくフロアに叩きつけた。

中盤は9mm流サーフチューン「The Revenge of Surf Queen」から幕開け。ビッグウェーブを彷彿とさせるギターの音色が涼しい風を送り込み、オーディエンスは束の間のリラックスした空気を楽しんだ。

そして、妖しげな色気を放つボーカルと武骨なドラムが会場の空気を震わせた「Supernova」の後で、再びMCコーナーに。「THE BACK HORNと一緒にやることで、9mmはこういうバンドだったということに気付かされました」「実りのあるイベントになりました」とツアーを回想。また「俺たち4人で演奏しているように見えるけど、後ろにはTHE BACK HORNがいるからね」と“戦友”のサポートを感謝し、大きな拍手を浴びた。

その後は「Black Market Blues」「marvelous」「Talking Machine」とライブの定番ナンバーで攻勢をかけた4人。ラストの「Punishment」では次々とダイバーがステージ前方に押し寄せ、加えてペットボトルの水しぶきが宙を舞い、会場の熱狂は最高潮に達した。

アンコールを求めるoiコールに呼ばれステージに戻ってきた4人は、「Living Dying Message」と「Discommunication」を耳をつんざくような爆音で披露。演奏終了後もメンバーは去る様子を見せず、滝がドラムを乱れ打ち、菅原もギターをかき鳴らし、かみじょうちひろ(Dr)もマイクに向かって絶叫する。そして、壮絶なノイズの洪水が会場を充満したのを見計らうと、大きな笑顔を見せステージを去っていった。

客電がつくと2組のパフォーマンスを讃える大きな拍手が贈られ、全国6都市で行われたTHE BACK HORNと9mm Parabellum Bulletの戦いに終止符が打たれた。

THE BACK HORN × 9mm Parabellum Bullet「大惨事目眩大戦」Zepp Tokyo公演セットリスト

■THE BACK HORN
01. 幾千光年の孤独
02. フロイデ
03. 野生の太陽
04. 怪しき雲行き
05. 罠
06. ひとり言
07. 美しい名前
08. 涙がこぼれたら
09. 無限の荒野
10. コバルトブルー
11. 刃

■9mm Parabellum Bullet
01. Mr.Suicide
02. Vampiregirl
03. Keyword
04. We are Innocent
05. Termination
06. Trigger
07. The Revenge of Surf Queen
08. 次の駅まで
09. The World
10. Sundome
11. Supernova
12. Black Market Blues
13. marvelous
14. Talking Machine
15. Punishment
EN1. Living Dying Message
EN2. Discommunication

※記事初出時、セットリストに誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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🐧あずき🐧 @azukitsune999

大惨事眩暈大戦のセトリみて2009年に戻りたくなっている
https://t.co/JkqD2CcQs9 https://t.co/QoZEmKWFMs

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