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Nowlu「在処」ジャケ写

Nowlu 在処

アニメ「ギルティギア」をドラマチックに彩るチルホップバラード

ナカニシキュウ

Nowluの新曲「在処」は、テレビアニメ「GUILTY GEAR STRIVE: DUAL RULERS」のエンディングテーマとして書き下ろされたチルホップテイストのバラードナンバー。抑えの効いたスタイリッシュなアレンジとNowluの絶妙な抑揚表現がガッチリと噛み合い、深い余韻と神秘的なムードにどっぷりと浸ることができる。毎週目まぐるしく展開するスリリングなアニメ作品の終わりに、ホッとひと息つきながらストーリーを噛みしめ、キャラクターの心情に思いを馳せるにはうってつけの1曲だ。

楽曲の冒頭で寂しげに爪弾かれるアルペジオギターに乗せ、Nowluは情感たっぷりに息遣いを強調した表現で歌い始める。明確に“音”として使われるブレスは言うに及ばず、語尾における息の残し方などには、歌詞の意味以上の情報量をボーカルに込めようという意思がハッキリとうかがえる。そしてバックトラックの音数が増えていくに従って少しずつ声の輪郭を際立たせる発声にシフトしていくが、ドラムビートの加わるサビで安易にパワフルな表現へは行かずに、ファルセットを交えた柔らかな表現を貫いているところがユニークなポイントだ。

それでも単調にならないのは、細やかなビブラートや瞬間的なしゃくりなど、多彩な表現技法を局面局面で微に入り細を穿って使い分けているからにほかならない。しかし決して技巧的な印象は与えず、あくまで自然な感情表現として昇華してしまうところにNowluというシンガーのスペシャリティがある。そんな彼女の類いまれな力量を余すところなく味わい尽くせるという意味で、いわば“Nowlu見本市”のような1曲と言えるだろう。

もうひとつの重要な聴きどころは、「新世紀エヴァンゲリオン」劇中音楽の演奏などで知られるNAOTOによるエモーショナルなバイオリンだ。ピアノとのユニゾンでみるみるエキサイトしていくドラマチックな間奏は本楽曲のクライマックスと言ってもよく、楽曲のステージをもう一段階上げる要素として機能している。

Nowlu「在処」オフィシャルオーディオ

Nowlu「在処」
2025年4月4日(金)配信開始 / Lantis
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作詞:Nowlu
作編曲:クレハリュウイチ

Nowlu(ノウル)

Nowlu

2022年6月にテレビアニメ「薔薇王の葬列」第2クールエンディングテーマ「螺旋」でメジャーデビュー。2022年11月に2ndシングル「Stuck on you」を発表すると、その歌声が高く評価され、Spotifyを中心にアメリカでバイラルし、通算980万回再生を記録した。2023年3月に楽曲「リナリア」、2024年10月にテレビドラマ「ウイングマン」エンディングテーマ「yoin」をリリース。2025年4月にアニメ「GUILTY GEAR STRIVE:DUAL RULERS」のエンディングテーマ「在処」を発表した。Nowluという名前には「Night(夜)」「Owl(フクロウ)」「Luna(月)」という意味が込められている。