「KENSHI YONEZU 2025 WORLD TOUR / JUNK」パリ公演の様子。(Photo by Jiro Konami)

米津玄師が海外7都市で受けた祝福と熱い歓迎、世界へ踏み出した新たな一歩を現地レポート

自身最大規模のワールドツアーは、目にしたことがないほどの熱狂だった

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米津玄師が6年ぶりのワールドツアー「KENSHI YONEZU 2025 WORLD TOUR / JUNK」を3月から4月にかけて開催。全カ所ソールドアウトし大盛況となった本ツアーが、4月6日にアメリカ・ロサンゼルスのYouTube Theaterで幕を閉じた。

国内では新作がリリースされる度にチャートをにぎわせ、ドーム公演のチケットが争奪戦になるほど絶大な人気を誇る米津。海外では、2023年に発表したアニメ「チェンソーマン」の主題歌「KICK BACK」がアメリカレコード協会(RIAA)から日本語曲として初めてゴールド認定を受け、「RIAA Class of 2023」にも選出されるなど(日本史上初!米津玄師、アメリカレコード協会選出「今年を代表するアーティスト」に)、J-POPの歴史に刻まれる快挙を成し遂げた。

音楽ナタリーでは、新型コロナウイルスの流行でやむなく中止となった2020年の「米津玄師 2020 TOUR / HYPE」を除くすべてのツアーに参加し、長年米津に取材し続けている音楽ジャーナリスト・柴那典氏がソウル・INSPIRE ARENAとファイナルのロサンゼルス・YouTube Theaterに足を運ぶと聞きつけ、現地のレポートを依頼。海外でどのように米津の音楽が受け入れられ、現地の人々を熱狂させているのか分析してもらった。

取材・/ 柴那典 構成 / 清本千尋 撮影 / 小浪次郎、山谷佑介

それぞれの都市で米津玄師のライブへの期待が非常に高まっていた

米津玄師は、今、世界各国で支持を集めている。待ち望まれている。その確かな熱量を、この目で見届けてきた。

3月から4月にかけて米津はワールドツアー「KENSHI YONEZU 2025 WORLD TOUR / JUNK」を開催した。これは、1月から2月にかけて東京ドームを含む16公演が行われ35万人を動員した国内ツアー「米津玄師 2025 TOUR / JUNK」に続くものだ。ワールドツアーでは上海、台北、ソウル、ロンドン、パリ、ニューヨーク、ロサンゼルスの7都市で計10公演が行われた。

「KENSHI YONEZU 2025 WORLD TOUR / JUNK」パリ公演の様子。(Photo by Jiro Konami)

「KENSHI YONEZU 2025 WORLD TOUR / JUNK」パリ公演の様子。(Photo by Jiro Konami)

上海と台北では2019年の初海外公演「米津玄師 2019 TOUR / 脊椎がオパールになる頃」以来、実に6年ぶりの公演となった。筆者は2019年に上海メルセデス・ベンツアリーナで行われた上海公演も目撃したが、当時も満員のアリーナには歓喜の空気が渦巻いていた。ずっと待っていた現地のファンも多かったはずだ。

意外にもソウルでは初のライブとなった。ここ数年、米津の韓国での人気は顕著に高まっている。Billboard JAPANが発表した「Japan Songs(国別チャート)」によれば、韓国の2024年の年間チャートでは「Lemon」が2位、「Lady」が8位と、2曲がトップ10にランクイン。近年韓国ではJ-POPの人気が上昇しているが、その中でも米津は特に大きな支持を集めている。BTSのジョングクを筆頭にさまざまな韓国のアーティストが「Lemon」などの楽曲をカバーしたことも、その魅力が広まる一因になったと考えられる。

米津がヨーロッパへ上陸するのは今回が初めて。ロンドンにも多くのリスナーがいるが、特にフランスでは日本のマンガやアニメ文化が深く浸透し、パリ公演には近隣欧州諸国からファンも集まる。スタジオジブリの宮崎駿監督作「君たちはどう生きるか」の主題歌「地球儀」をはじめ、グローバルな人気を持つ日本のアニメやゲームをきっかけに米津のことを知ったファンも少なくない。

「KENSHI YONEZU 2025 WORLD TOUR / JUNK」パリ公演の様子。(Photo by Jiro Konami)

「KENSHI YONEZU 2025 WORLD TOUR / JUNK」パリ公演の様子。(Photo by Jiro Konami)

アメリカでも米津の注目度は急上昇している。2023年、アニメ「チェンソーマン」のオープニング主題歌「KICK BACK」はアメリカレコード協会(RIAA)から日本語曲として初めてゴールド認定を受け、「RIAA Class of 2023」にも選出された。さらに2025年初頭、グラミー賞を主催する米レコーディングアカデミーは「J-POPの世界的なブーム」を今年の音楽トレンドとして予測し、米津のワールドツアーを「エポックメイキングな出来事となる」と評価。ニューヨークとロサンゼルスでの初ライブには、現地ファンから熱い期待が寄せられていたに違いない。

結果として、このワールドツアーは全公演がソールドアウトという快挙を達成。海外だけで計9万人を動員し、国内公演と合わせると総勢44万人が参加する大規模なツアーとなった。

では、実際のライブの模様はどうだったのか? 筆者は3月23日のソウル公演と、ツアーファイナルとなった4月6日のロサンゼルス公演の両方に足を運んだ。どちらの公演でも、米津玄師の音楽が国境と言語の壁を軽々と超え、現地リスナーの心を鷲づかみにしている様子が手に取るように伝わってきた。

ここからは韓国とアメリカのオーディエンスがどんな反響を見せたのか、詳細にレポートしていきたい。

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現地の若者が集ったソウル公演「こんなに熱いライブ、人生で初めてでした」

読者の反応

柴 那典 @shiba710

米津玄師ワールドツアー「KENSHI YONEZU 2025 WORLD TOUR / JUNK」のレポートを書きました。

「こんなに熱いライブ、人生で初めてでした」と米津さん自身が語ったソウル公演、特別な思いを打ち明けたツアーファイナルのLA公演、そして今回のツアーの意義について。是非読んでみてください。 https://t.co/gygxNlmTOg

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