「音楽と行こう」特集|「音楽と行こう ミライクリップ」に新鋭アカルミ参加、フォーリミGEN&WurtSからのメッセージも

今年3月、東京・Zepp Haneda(TOKYO)でKDDI主催のライブイベント「音楽と行こう SUPER LIVE Presented by au」が行われた。「音楽と行こう」は、コロナ禍の2022年に配信ライブをはじめとした映像コンテンツを通じて全国各地の魅力を発信するプロジェクトとして始動。4年目を迎える今回はDAY1にcoldrainとハルカミライ、DAY2に04 Limited SazabysとWurtSが出演し、フロアを大いに沸かせた(参照:coldrain×ハルカミライ、音楽と生きる相思相愛2バンドがオーディエンスと共闘した夜 / 「音楽と行こう」で04 Limited SazabysとWurtSが化学反応起こした一夜)。

そんな人気アーティストたちの対バンと並行して、今回プロジェクトの一環でKDDIの「未来人材育成」のビジョンを体現する企画「音楽と行こう ミライクリップ」が進行していた。「音楽と行こう ミライクリップ」は次世代を担うアーティスト1組の“思いの実現”をサポートする施策で、Zepp Hanedaの舞台でパフォーマンスを行う機会を創出し、若手アーティストの活動を“未来”へとつなげていく。

その「ミライクリップ」の参加アーティストに選ばれたのが、関東地区を中心に活動する3ピースバンド・アカルミだ。20代の青春期ならではの青臭い思いを、無骨なバンドサウンドに乗せて表現している彼ら。3人にとって初の大舞台への挑戦は、「音楽と行こう」DAY2の出演者である04 Limited SazabysとWurtSが見守る中で展開された。この特集では、当日の密着映像を紹介するとともに、大舞台を完遂したアカルミのインタビュー、そしてGEN(04 Limited Sazabys)とWurtSというライブを見届けた先輩アーティストからのメッセージを掲載する。

取材・文 / ナカニシキュウ撮影 / 吉場正和

アカルミ インタビュー

とうとう“そっち側”に行けた

──アカルミの皆さんは、3月17日にZepp Haneda(TOKYO)にて行われた04 Limited SazabysとWurtSによる対バンライブの開場前に、同会場でステージパフォーマンスを披露しました。この企画の参加アーティストとして声がかかったとき、まずどんなことを思いましたか?

アイカワヨウタ(Vo, G) 最初は疑いました。「こんなことある? 偽物なんじゃないか?」って(笑)。

──企画内容の字面だけ見たら、悪い大人にだまされているかと思いますよね。

ヨウタ 怖いなーと思ったんですけど(笑)、その連絡をくれた方が知り合いだったので信用して。本当の話なら面白そうだし、Zeppのステージに立てるならやりたいなと思って「お願いします」と返事をしました。

アカルミ

アカルミ

──実際にZepp Hanedaのステージに立ってみて、いかがでしたか?

ヨウタ 高校生の頃から客として通っていたZeppのステージで自分たちの音を鳴らすことができたのは、素直にうれしかったですね。無観客とはいえ、とうとう“そっち側”に行けたというか。

オカジマセナ(Dr, Cho) Zeppは“ライブを観に行くところ”っていう感覚だったので、今の自分たちからするとまだまだ遠い目標というか、自分たちがライブをするところとは思えていなくて。そこに立てちゃうんだ?という感じはありました。

ウシヤマリク(B, Cho) すごい裏技を使って立った、みたいな感じはしたよね(笑)。

セナ そうそう(笑)。

リク 僕は一昨年、大学進学のタイミングで東京に出てきたばかりで、そもそもZeppのような大きいライブ会場に行ったことがなくて。だからめちゃくちゃ緊張はしましたけど……なんだかんだ自分たちの曲をやり始めたら、プロと同じ環境で演奏できる充実感が味わえました。

Zepp Haneda(TOKYO)でパフォーマンスを披露するアカルミ(Photo by AZUSA TAKADA)

Zepp Haneda(TOKYO)でパフォーマンスを披露するアカルミ(Photo by AZUSA TAKADA)

ヨウタ よく「会場が広くなればなるほど、イヤモニがないとまともにモニターできない」という話は聞いてたけど、「ホントにそうなんだ!」と実感できて面白かったです。俺、最初ドラムがズレてるのかと思ったんですよ(笑)。実際にはズレてなかったんですけど。

セナ (笑)。普段なかなか体験できないような規模感で、素晴らしい音響設備の中で演奏できたので、そこはめちゃくちゃ気持ちよかったです。

リク 僕は普段ライブハウスでバイトしていて、主に照明を担当してるんです。その立場からすると、プロの現場の照明機材のすごさに衝撃を受けました。「このライト1個で何万すんだよ!」みたいな、変なところでテンションが上がってましたね(笑)。

アカルミ

アカルミ

今できる全部をちゃんとやれた

──そのステージの様子を含む密着映像が制作されました。

ヨウタ 撮影のときは、あまりカメラを意識していなかったんですよ。だからいざできあがった映像を観たら、「え、俺こんなこと言ってたの?」とか、恥ずかしいところが多かったです(笑)。

セナ 改めて客観的に観ると「緊張してんなー」みたいな。

リク わかるー。裏側の様子と、ステージに上がったときのギャップがすごい。

ヨウタ やっぱり、一番は演奏シーンを観てもらいたいですね。

アイカワヨウタ(Vo, G)

アイカワヨウタ(Vo, G)

セナ そうだね。そこが俺らの一番カッコいいところなんで。

リク ステージ上の自分たちは自信を持って見せられますね。緊張で顔がこわばってはいたけど(笑)。

ヨウタ フロアに関係者の人がいっぱいいてね(笑)。しかもフォーリミ(04 Limited Sazabys)さんがいて、WurtSさんもいて、っていう。

──あり得ない状況ですよね。

セナ 確かに(笑)。でも、僕は普段から「誰が観ているかとかは関係ない」という姿勢でライブをやっているんです。もちろんフォーリミさんやWurtSさんにご挨拶する瞬間はすごく緊張したんですけど、演奏が始まっちゃえばいつも通りにできたかな。

リク そうだね。今できる全部をちゃんとやれた感触はありました。

ヨウタ 俺は「誰々が観ているから」とか考えすぎると空回りしちゃうタイプなんですけど、あの日はもう何も気にしていませんでした。単純に「この程度か」とナメられたくない思いが強すぎて、逆にそれしか頭になかったというか。だから余計なことを考えず、迷いなく臨めたと思います。

リク ヨウタがそういう状態のときは、バンドも大丈夫なんです。彼が空回ってると僕らも一緒になって空回っちゃうんですけど(笑)。

セナ ね(笑)。あの日はヨウタがちゃんと意志を持って前に出てくれていたので。

オカジマセナ(Dr, Cho)

オカジマセナ(Dr, Cho)

青臭さ”をずっと持ち続けていたい

──アカルミの演奏を観たフォーリミとWurtSさんから、感想やアドバイスももらえたんですよね。

ヨウタ はい。僕らのことはもちろん知らなかったと思うんですが、ステージを観てコメントをしてくださったのがすごくありがたかったです! それで僕らも「もっと本気でやんねえとな」って、気持ちが切り替わりました。その意味でも、本当にこの企画に参加してよかったなと思っています。

──特にどんな言葉が心に残っていますか?

ヨウタ フォーリミのGENさんが「もっと自分に酔ってもいいんじゃない?」みたいなことを言ってくれて。これまでにも「もっと自信持ちなよ」といろんな人から言われてきたんですけど、フォーリミさんやWurtSさんのステージを観て「そういうことか」と初めて腑に落ちた感じがしました。

リク フォーリミさんもWurtSさんも、とにかく自分たちのやっている音楽に対する自信に満ちあふれているんですよね。その確信を持ったうえでお客さんに演奏を届けていて、それがプロだと思いました。

ウシヤマリク(B, Cho)

ウシヤマリク(B, Cho)

セナ 「これをやればウケる」とかじゃなく、ちゃんと自分のやりたいことをやり続けた結果として、あんなにも多くのお客さんを熱狂させている。それがものすごくカッコよくて。

リク だから僕たちも、「これが自分たちの音楽だ」と自信を持って言えるような確固たるものを構築していく、それが今やるべきことなのかなと。

──その“自分たちの音楽”とは、現時点でどういうものだと考えていますか?

ヨウタ 自分は考えすぎると何も出てこないタイプで、考えずにパッと出てくるものを信じているというか。それが1人にでもいいから届いてほしいという気持ちでやっています。もちろん多くの人に届けば届くほどいいんですけど、まずは「誰か1人にでも届いてくれ!」と思って俺は音楽をやっていますね。

セナ その意味で、GENさんの「流行り廃りとは関係なくやっていってほしい」という言葉にはすごく勇気付けられました。GENさんは「もともとプロになることは考えていなかった」ともおっしゃっていましたけど、「売れるために自分を曲げることはしなくていいんだ」と言ってもらえたような気がして。僕自身そういう“青臭さ”はずっと持ち続けていたいなと思ってライブをしてきたので、とても心強かったです。

ヨウタ 曲を作っていて、「もっと売れそうな感じに寄せたほうがいいのかな」と迷うこともあったんです。でも今回の企画を通じて、「自分がカッコいいと信じるものを貫いていいんだ」と改めて思い直すことができました。

──アカルミはこれまでもそうしてきたんでしょうけど、そのやり方に確信が持てたということですよね。

ヨウタ そうです! なんか、自分の作る曲を迷いなく愛せるようになったなって感じています。この気持ちをずっと忘れずにいたいですね。

アカルミ

アカルミ

プロフィール

アカルミ

「あなたのそばにいれる音楽を」をコンセプトに掲げ、関東地区を中心に活動するロックバンド。メンバーはアイカワヨウタ(Vo, G)、ウシヤマリク(B, Cho)、オカジマセナ(Dr, Cho)の3人。2022年4月に1st EP「大好きな音楽で」、2024年7月に2nd EP「生きが止まるまでに」をリリースした。

先輩アーティストから
アカルミに向けて応援メッセージ

GEN(04 Limited Sazabys)

GEN(04 Limited Sazabys)

アカルミはZeppという環境の中で、関係者や僕らのような先輩が観ている中でもすごく堂々としてましたね。僕らが22歳くらいのときにこういった舞台に立っていたら、けっこう震え上がっていただろうし、うまくライブをするのは難しいと思うんですけど、思いっ切りやっていたのがすごいなと。

彼らの歳くらいの頃、僕はプロになれるとすら思ってなかったですね。やりたくてやってる感じだった。ただ、なかなかうまくいかなくて、悔しくて意地になってバンドを続けているような感じでもあった。だから彼らのようなストレートでむき出しの生々しいロックバンドの音楽が、流行り廃り関係なく、誰かの心にちゃんと刺さってくれたらいいですよね。アカルミのようなバンドがどんどん突き抜けてくれたら(音楽シーンの)未来は明るいと思います。

WurtS

WurtS

アカルミさんのライブをお客さんとして観ることができてうれしかったです。3人の出している音がすごくパワフルで、ちゃんと思いが伝わってきたというのがあって。僕も学ぶことがたくさんありましたし、ホントにいい機会をいただけました。

僕はプロになる前は漠然とエンタテインメントの仕事をしてみたいという気持ちで、大学を選んだりしてて。趣味である音楽を極めたいということを友達や両親には話していましたね。手探りで活動をしていたら世の中で言うプロになっていた感じです。プロのアーティストというのは自分が楽しいだけじゃなくて、人に聴いていただいて、ライブを観てもらって、みんなに楽しんでもらって、満足していただけるのが一番大事かなと。そういうことを考えられるようになって初めてプロになれるんじゃないかと僕は思っています。

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