「世界中にハッピーを届ける」というコンセプトを掲げ、「ハッピーを創造する」という直球なグループ名を冠して誕生した新たなアイドルグループ・HAPPY CREATORS。楽曲制作にはFRUITS ZIPPER「わたしの一番かわいいところ」などで知られるヒットメーカー、ヤマモトショウが“弟子”として自信を持って送り出す若き作曲家・谷のばらがデビュー時から深く携わっており、ヤマモト譲りのキャッチーなナンバーを数多く作り上げている。
2024年秋のデビューからおよそ半年、ハピクリは日々ライブ経験を重ね、今年3月から4月にかけて全国10会場を回る初の全国ツアーにチャレンジした。4月13日には谷とのタッグで作り上げてきた7曲をまとめたデジタルミニアルバム「はっぴー7」を発表。7月には初のフルアルバム「make happy」および2ndシングル(タイトル未定)をリリースすることが決定している。まさに駆け出しのアイドルグループであるハピクリが、ここからどのような成長を遂げていくのか? メンバー7人へのインタビューのみならず、一念発起してグループを立ち上げた新人プロデューサーの安藤氏と、グループのカラーをともに作っている谷にも話を聞き、その実情に迫る。
取材・文 / 西廣智一撮影 / 臼杵成晃
「世界中にハッピーを届ける」七色のアイドル
──ナタリー初登場となりますので、まずは7人それぞれの個性を知れたらと思います。皆さん1人ずつ、ご自身の推しポイントを教えていただけますか?
七瀬こあ HAPPY CREATORSのイエロー担当、七瀬こあです。私の推しポイントは、めちゃめちゃ笑顔なところとパワフルな歌声だと思っています。
松本せりな オレンジ色担当、松本せりなです。私はひと言でいうと、元気なところです。
七瀬 元気というより、おっとり?
橘あや あとは、15歳という圧倒的若さ。フレッシュさでは叶わない(笑)。
楠森しゅり ピンク色担当、楠森しゅりです。私はミュージックビデオなどの映像系で面白いことをやる担当になっているので、そこですね。あとは、ちょっとふわふわしてます(笑)。
逢川あい ミントグリーン担当、逢川あいです。私の推しポイントは個性ある歌声です。
小鈴かれん パープル担当、小鈴かれんです。私のアピールポイントはヘアアレンジが得意なところと、あとライブでレスをするのが得意です。
夏目りこ 赤色担当、夏目りこです。私はひと言で言うと、面白担当なのかな……(笑)。
──本人的には不本意なんですか?
夏目 いやいや、そんなことないですよ?(笑)
橘 (笑)。水色担当、橘あやです。私のアピールポイントはダンス。グループの中でもダンスリーダーを担当してます。
──HAPPY CREATORS結成当初からグループの雰囲気などに変化はありますか?
橘 初めてのCDリリースがあったりミュージックビデオを公開したり、ツアーで全国を回ったりと、すごく濃い時間を過ごさせていただいていて。私たちの中にはアイドル経験者も多いけど初めてアイドルを経験する子もいて、それぞれ緊張や不安もあったと思うけど、最近は1人ひとりアイドルとしての向き合い方や、グループとして何を伝えていくかをすごく考えられるようになっていきた。そういう意味では、少しずつ成長できているのかなと思います。
七瀬 グループ全体をパッと見たときに1人ひとりが個性を出し切れてるかと言われたらまだまだかもしれない。でも、最近は今できることを全力で表現できるようになってきたのかなと思います。
7人それぞれのアイドル活動に懸ける思い
──あやさんがおっしゃるように、HAPPY CREATORSにはアイドル経験者が多く在籍しています。皆さんどんな思いで、新しいグループでもう一度アイドルに賭けてみようという思いに至ったんでしょう。
橘 私は以前、2年半ほど違うグループで活動していたんですけど、アイドルとしてこうなりたいという目標を叶えられないまま終わってしまったんです。個人的にもアイドルを全うしてこの人生を終わりたいって考えていましたし、なにより応援してくださるファンの方からの「ずっと待ってるよ」という言葉が次のステップを踏み出す原動力になったので、HAPPY CREATORSとしてまたアイドルをがんばろうっていう気持ちになるまではすごく早かったです。
夏目 私は今とはまったく違ったコンセプトのアイドルグループで2年ほど活動していて、卒業した時点では「もうアイドルをやることはない」と思っていたんです。でも、HAPPY CREATORSのお話をいただいて楽曲を聴いたとき、すごく惹き付けられるものがあって。それに、私はもともと歌もダンスもそこまで得意じゃなくて、アイドルとして活動することに対してあまり自信がなかったんですけど、性格的には根っからハッピーなので、ステージからハッピーを届けることだけは誰にも負けないという自信を持っていました。だからHAPPY CREATORSのコンセプトに共感して、またアイドルとしてがんばってみようと思ったんです。
小鈴 私はもともとInstagramとかTikTokとかをやっていて、そこから以前所属していたアイドルグループへお誘いいただいて。1年3カ月くらい活動したんですけど、そこで出会ったファンの方たちが自分に会うだけで喜んでくれたり、私のパフォーマンスで感情を動かされたりと、そういうことにすごく感動したんです。卒業してからも誰かに力を与えられる人になりたいと思っていましたし、だからこそアイドルの夢が諦めきれなくて。そんな私が思い描いているイメージにHAPPY CREATORSのコンセプトがぴったりだったので、加入を決めました。
楠森 私は高校2年生のときにアイドルになって、これまでいくつかのグループで活動してきたんですけど、なかなかうまくいかなくて。何度も「もうアイドルはいいかな」と諦めようとしたんですけど、そんなときにHAPPY CREATORSの話をいただいて、グループのコンセプトにものすごく共感したんです。かつ、今までファンの人たちに心配をかけてしまっていたからこそ、その恩返しをちゃんとしたいと思って加入を決めました。
七瀬 私もかれんと同じグループで1年半活動していたんですが、卒業したときはもうアイドル活動は終わりにして、社会人として働こうかなって考えていたんです。その一方で、私もほかのみんなと同じく歌やパフォーマンスを通して観た人に「今日も幸せだったな」という気持ちになってほしいと思いながらアイドルをしていましたし、どうしても諦めきれない気持ちが残っていて。そんなときにハピクリの運営さんと出会って「世界中にハッピーを届ける」というコンセプトを聞いて、「あ、私と同じだ」と気付いたんです。自分自身はそこまでポジティブっていうわけでもないですし、なんならけっこう落ち込みやすいところもあって、「今度はやり切れるかな?」っていう不安も正直あったんですけど、ハピクリとしてステージに立ってみると逆にファンの方から幸せをいただいたりして。ハピクリでこの先もがんばりたいと強く思い、前向きに活動をしています!
──あいさん、せりなさんはHAPPY CREATORSが初めてのアイドル経験ですが、どうしてアイドルになってみようと思ったんですか?
逢川 私はもともと個人で歌い手をしていたんですが、その活動の中でファンの皆さんから「笑顔になれた」とか「元気が出た」と言っていただいているうちに、ネット上ではなくて直接その笑顔を見たいなと思うようになったんです。アイドル自体にはもともとすごく憧れがあって。笑顔ってハッピーだからこそ成り立つものだし、ハピクリの「世界中にハッピーを届ける」というコンセプトは自分が目指しているものと一緒。「これだ!」と思ってオーディションに応募しました。
松本 私は普通の中学生でなんの目標もなかったですし、勉強も運動もできるわけでもなく、コミュニケーション能力もそんなにあるほうじゃなくて。そんな自分を変えたいなと思っていたとき、たまたまYouTubeでアイドルの映像を目にしたんです。ステージでキラキラしているその姿にすごく惹かれて、「こんなふうになりたいな」と思っていたときにハピクリのオーディションを知って挑戦してみました。
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「アイドル人生が始まるんだ!」デビューライブの実感