音楽ナタリー

Perfume、3年半ぶり武道館で会場外ファンにも感謝

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Perfumeが全国ツアー「キリンチューハイ 氷結 Presents Perfume 3rd Tour『JPN』」の追加公演として東京・日本武道館4DAYSライブを敢行。その最終日となる5月12日のライブに9000人のファンが熱狂した。

会場内は開演前から異様な熱気で満たされ、待ちかねた満員の観客から大きな手拍子が沸き起こった。フロアが暗転するとビリビリした電子音が空気を震わせながら響き、照明機材が光を放ちながらゆっくりと上昇。ステージに設置された階段の上から登場したPerfumeは、インスト曲「The Opening」にあわせて一歩一歩階段を降り、彼女たちの動きにあわせて階段が発光する。前回のワンマンライブとなる2010年の東京ドーム公演と同様に、今回のツアーもオープニングは静かで厳かな演出となった。

ファンの拍手に包まれながら3人が階段を一番下まで降りてきたところで、ステージは真っ赤な光で染まり、1曲目「レーザービーム」がスタート。強烈なビートが響く中を弾幕のように無数のレーザー光線が飛び交い、場内のテンションは一気に急上昇した。色とりどりの光は曲の展開とシンクロしてめまぐるしく姿を変え、そのたびに客席からは歓声が上がった。

次なる「VOICE」ではスモークを通した柔らかい光線がステージ上を照らし、攻撃的な1曲目とは一転した雰囲気の優しい光のショーに。キラキラした銀色の衣装はカラフルな照明を反射して周囲の色を取り込み、曲の展開によってさまざまな表情を見せる。

「エレクトロ・ワールド」では3人を乗せたまま床の一部が上昇。彼女たちはその狭い床の上でダンスを繰り広げ、後方に吊るされた十数枚ある三角形のスクリーンには、この曲が発売された当時のPerfumeのイメージに近い近未来的でスペーシーなCG映像が映し出された。激しく明滅するストロボとともに「ワンルーム・ディスコ」がスタートすると、3人はカラフルな衣装に早着替え。あ~ちゃんはシャウトで会場を煽り、ファンもそれに応えて手を振って盛り上がる。曲が終わった直後、照明が暗くなると3人の衣装はブラックライトを浴びて鮮やかに発光した。

MC中は扉を開放するなどの対処をしたものの、場内はかなりの熱気で満たされた武道館ライブ。この状況をのっちは「シリコンスチーマーの中にいるみたい」と表現し、またあ~ちゃんとかしゆかは、のっちが北海道の塩サウナであまりの暑さに2秒で逃げ出したというエピソードを紹介。さらに、あ~ちゃんは観客に「暑さで具合が悪くなった人は、手を挙げても、周りの人もみんな挙げててわかんないから代わりにしゃがんでください!」「だからライブ中にしゃがんでたら外に連れていかれるよ!」と声をかけて観客を笑わせていた。

また、MCでかしゆかが観客に「初めてPerfumeのライブを観た人ー?」とアンケートを取ったところ、インディーズ時代からライブに通っているファンが手を挙げているのを発見し「すごいウソついてる人がいる!」とうれしそうに非難。あ~ちゃんはそのファンに向けて「昔、ライブのたびにチョコレートいただいてましたけど、今だから言うけどあのチョコおいしくない(笑)」と告白し、会場は大きな笑いに包まれた。その後、彼女たちはエリアごとに観客を「パ」チーム、「フュー」チーム、「ム」チームに分けて、来場者とコール&レスポンスを行った。

ここから彼女たちはアルバム「JPN」収録曲を連続でパフォーマンス。「Have a Stroll」では歌詞の登場人物を演じるかのような、キュートで楽しいダンスを繰り広げた。続いてのっちとあ~ちゃんがサイドステージに移動し、3人がそれぞれ離れた場所に立って「時の針」がスタート。彼女たちが紫色のピンスポットライトを浴びながらマリオネットのようにゆっくりと踊ると、背後のスクリーンには歌う3人のモノクローム映像が映し出され、観客はその幻想的な光景にじっと見入っていた。

「微かなカオリ」では楽しそうに歌う3人に促されながら観客が手拍子。曲の最後には3人がセンターステージから360°の全方向に向けて投げキッスをしていた。「スパイス」がスタートするとPerfumeを乗せてセンターステージが上昇。センターステージから斜め下にライトが向けられ、神秘的な雰囲気の中でパフォーマンスが繰り広げられた。

ここでメンバーはいったん退場。モニターには「music by 中田ヤスタカ(capsule)」という文字が映し出され、ステージ後方に可変スクリーンが合体した巨大な三角形のスクリーンが登場。「JPNスペシャル」と銘打たれたこのパフォーマンスでは、中田ヤスタカが本ツアーのために書き下ろしたハードなテクノにあわせて、メンバーが格闘ゲームのように1対1でバトルするCG映像などが投影された。Perfume自身による「今、私たちにできること」というナレーションが流れたのち、スクリーンの裏側からメンバー本人が再登場。プロジェクションマッピングを使用して、Perfume自身のダンスとCG映像がシンクロするという意欲的なパフォーマンスが披露された。

「GLITTER」では会場内に再び嵐のようにレーザービームが降り注ぐ。この曲では、床から天井に向けて発射されたレーザーが、踊るメンバーの手の動きにあわせて動きまわるという斬新な演出も。歌詞のとおりのキラキラした夢のような空間を作り上げ、オーディエンスを陶酔させた。

会場が暗転して「シークレットシークレット」のイントロが流れ始め、センターステージの床下から紫色の衣装に着替えたメンバーが上昇。メドレーで「不自然なガール」「love the world」「I still love U」「575」「Baby cruising Love」などが矢継ぎ早に繰り出され、ラストに「シークレットシークレット」のサビ部分が披露された。なお、のっちによるとメンバーはこのメドレーを「ツンデレメドレー」と呼んでいるとのこと。

また、かしゆかが「JPNスペシャル」の音楽を中田ヤスタカが作ってくれたことに感謝の言葉を述べると、観客から「ヤスタカは神!」と声が上がり、それを聞いたかしゆかは「そうだね、Perfumeの現場にはたくさんの神がいるんです。照明の神、振り付けの神、PAの神、ヤスタカさんだって神、普通の人は私たちだけ」と答え、場内は大きく沸き上がった。

続いての曲は、今回の日本武道館追加公演で初披露となった「コミュニケーション」。キュートな曲調ながらも細かく複雑な振り付けに、観客は手拍子しながら見入っていた。「ポリリズム」ではあ~ちゃんの「武道館!」というシャウトに会場が沸騰。太いベース音と怒号のような歓声が会場を揺らした。

観客との一体感を高めるべく行われているPerfumeライブ恒例の「P.T.A.のコーナー」では、早見優のヒット曲「夏色のナンシー」などを使ったコール&レスポンスを実施。なお、今回のツアーから「夏色のナンシー」をライブで使っていることを知った関係者からPerfumeに早見優のアルバムが届いたことが明かされ「ありがとうございます!」と感謝の言葉を述べていた。

激しいフラッシュの明滅と爆音ノイズで始まった「FAKE IT」では、観客も光のシャワーを浴びながら飛び跳ね狂乱状態。これを皮切りに「ねぇ」「ジェニーはご機嫌ななめ」「チョコレイト・ディスコ」とアッパーチューンが畳み掛けるように披露された。その後、あ~ちゃんが観客に向けて「せーの!という掛け声で一緒に手を挙げてください」と声をかけ、「せーの!」の合図で本編最後の曲「MY COLOR」がスタート。この曲には「P.T.A.のコーナー」で教えられながらも何の曲の振りなのか説明されていなかった振り付けが組み込まれ、さらに曲中で新たな振り付け指導も行われ、会場全体が一体となって同じ振り付けでダンスした。

Perfumeは盛大なアンコールを受けて再び登場し、のっちは「今日の盛り上がり方を見てると、みんなと仲良くなれそうだと思いました。これからも仲良くしてください!」と挨拶。かしゆかは「私たちにとってはツアー最終日だけど、今日来た皆さんとは今日しか出会ってないわけで、今日みなさんと1日特別な思い出を作れたのがうれしいし幸せでした。ありがとう」と話していた。

また、アンコールでいったん退場した際にスタッフから「この日のチケットが手に入らなかったので会場の外で音漏れだけを聴きにきたファンが200人以上いる」という話を聞いたあ~ちゃんが、「200人っていったらShibuya O-Crestが埋まるくらい。SHIBUYA BOXXだって埋まる」と、かつてワンマンライブを行った会場を思い出して涙ぐみながらコメント。3人で相談し、会場の外にいる人々に向けて声をあわせて「外のみんな! ありがとう!」と絶叫した。

アンコール1曲目「Spring of Life」では、同曲のビデオクリップでも使用された大量のLEDが埋め込まれた衣装が曲に合わせて明滅。ラストの「心のスポーツ」ではステージ上の階段に座りながら、3人は星空のような照明に照らされて楽しそうに歌った。また「P.T.A.のコーナー」で観客に教えた振り付けは「心のスポーツ」でも活用され、最後までPerfumeと観客の一体感が高まったままライブは終了した。

公演が全て終わり、Perfumeが壇上で来場者に向けて深々と礼をした直後、客電がつき場内が明るくなるというスタッフからのサプライズが。あ~ちゃんは満員の会場を見渡しながら「3年6カ月ぶりに武道館でワンマンライブをやって、うわーっ!お客さんとの距離が近いなー!ってビックリしました。3年6カ月前の武道館では、うわーっ!遠いなー!って思ってたんですが、この期間でちょっとでも成長できたのかなって思います。今後もっと大きなステージに立つときに胸を張って立てるように、精進します!」と宣言し、ファンからの声援を背中に受けながら3人はステージを後にした。

なおWOWOWでは5月27日(日)20:00より、今回のツアーから地元凱旋公演となった4月1日の広島グリーンアリーナ公演の模様をオンエア。また5月26日には沖縄・宜野湾海浜公園屋外劇場にてツアーの打ち上げ公演となる「打ち上げ公演!海(うみ)パーン!!!」の開催も予定されている。

2012年5月12日「キリンチューハイ 氷結 Presents Perfume 3rd Tour『JPN』」東京・日本武道館公演セットリスト

01. レーザービーム(Album-mix)
02. VOICE
03. エレクトロ・ワールド(Perfume ~Complete Best~Ver.)
04. ワンルーム・ディスコ
05. Have a Stroll
06. 時の針
07. 微かなカオリ
08. スパイス
09. JPNスペシャル
10. GLITTER(Album-mix)
11. メドレー
12. コミュニケーション
13. ポリリズム
14. 「P.T.A.」のコーナー
15. FAKE IT
16. ねぇ
17. ジェニーはご機嫌ななめ
18. チョコレイト・ディスコ
19. MY COLOR
<アンコール>
20. Spring of Life
21. 心のスポーツ

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