ベストアルバム「WWDBEST ~電波良好!~」の発売に合わせ、千葉・幕張イベントホールで3DAYS、兵庫・ワールド記念ホールで2DAYSと5公演を行ってきたでんぱ組.inc。このツアーでは、ギター、ベース、ドラム、キーボードに3人のホーン隊とカルテット編成のストリングスを加えた「でんでんビッグバンド」の生演奏によるパフォーマンスが展開された。今回の日本武道館公演はツアーの追加公演として実施されたもので、彼女たちが武道館のステージに立つのは2014年5月のツアー「ワールドワイド☆でんぱツアー2014 in 日本武道館 ~夢で終わらんよっ!~」最終公演に次いで2回目。6人は武道館でもでんでんビッグバンドをバックに、ベストアルバムからの人気曲を次々と披露した。
オープニングムービーが終わる頃、ステージに横一列に並んだ古川未鈴、相沢梨紗、夢眠ねむ、成瀬瑛美、最上もが、藤咲彩音の6人は「W.W.D」で2度目の武道館ライブをスタートさせる。冒頭から熱狂的な歓声に包まれる中、1曲歌い終えたメンバーは1人ひとり自己紹介をすると、「以上6名と、ここにいる武道館のみーんなで、でんぱ組.incです!」と挨拶した。ステージ上はでんぱ組.incとでんでんビッグバンドで総勢18人の大にぎわい。管楽器と弦楽器のメンバーは演奏に加わらない楽曲でもペンライトを振ったりヲタ芸をしたりと、6人のパフォーマンスを一緒に盛り上げる。また、2014年の武道館公演で初披露された楽曲「Dear☆Stageへようこそ▽」では、でんぱ組.incを生んだ東京・秋葉原ディアステージで現在活動中のアイドルたちも登場し、華やかなレビューを思わせるステージを作り上げた。
ライブ終盤、「でんでんぱっしょん」「でんぱれーどJAPAN」といった勢いのある“電波ソング”を畳みかけたでんぱ組.incは、続けてメンバーの心の痛みまでリアルに表現した「W.W.D II」を歌う。そして6人は「ここでみんなに伝えたいことを考えてきました」と、1人ずつゆっくりとグループへの思いを語った。藤咲は「本当にでんぱ組.incでよかったなと思いました。私は強い女になって皆さんを支えたりできるようがんばります。私はでんぱ組.incと応援してくださっている皆さんが大好きです」と改めて感謝の思いを伝え、藤咲と同じく5年前に加入した最上は「でんぱ組.incで突っ走ってきた5年間はぼくを大きく変えてくれました。楽な道ではなかったですけど、こうやって集まってくれる皆様がいて、メンバーがずっと一緒にいてくれて、支えてくれるスタッフさんもどんどん増えて……誰一人欠けてはいけない存在だと実感しております。なのでぼくは、これからもでんぱ組.incを続けていきたいし、皆さんに付いてきてほしいなと思います」と涙ぐむ。成瀬はいつも通りの元気な笑顔を見せながらも「みんなを元気にしたいという気持ちはずっと変わらないけど、1つだけ変わったことがあって。私は1人で遊ぶのが好きで、シンガーとしてもソロでやりたいと最初は思ってたんですけど、この6人のメンバーが本当に好きなので、今の私の夢はこの6人でずっとでんぱ組.incを続けることです」と涙ながらに宣言した。
でんぱ組.inc初期からのメンバーである夢眠は「私は『ここにいる全員ででんぱ組.incです』という言葉をよく言うんですけど、本当にいろんな方の力ででんぱ組.incは成り立っていて。よくケンカとかもしちゃうけど、これからも仲よくしてください。これからもでんぱ組.incの一員でいてください」とファンに呼びかけ、リーダー相沢は「私はアイドルになるまで『この世界に必要なのかな』と毎日思ってました。努力することや何かに期待することが怖かった頃に、私たちを見つけてくれて、一緒に笑ったり怒ったり泣いてくれたりした皆さんに、がんばる勇気とがんばるチャンスをもらって、今日はこうやって2回目の武道館という素晴らしいステージに立っています。これからもこの先も、ずっとでんぱ組.incを愛してくれますか? 私も、メンバーを含め大好きなみんなが幸せになれるようにがんばります」と笑顔を見せた。そして最後に古川が「私はまだまだやりたいことがたくさんあります。もっと大きなところでライブもしたいし、もっといろんなところに行きたいし、もっとテレビとかに出て有名になりたいし。だから私思ったんです。私は何があってもでんぱ組.incを諦めません」と話すと、武道館は大きな拍手と歓声に包まれた。
さらに古川は「こんなちぐはぐな6人ですけど、でんぱ組.incに対する気持ちはみんな一緒です。この先少しの間ライブの予定がないんですけど、でんぱ組.incは1人ひとり力を付けて、こうやってステージに戻ってこれるようにがんばっていきます」と続け、6人は最後に「でんぱ組.incのことを思ってくれた全ての人を思って歌います」と、ベストアルバムに収録された「W.W.D」シリーズの第3弾「WWDBEST」を熱唱。この曲はこれまででんぱ組.incの楽曲を手がけてきた多数の作家が共作したナンバーで、人気曲「ORANGE RIUM」歌唱時の光景を歌ったフレーズでは観客が瞬時にオレンジ色のサイリウムを点灯させる圧巻の光景が広がった。
「みりん! りさ! ねむ! えい! もが! ピンキー! アンコール!」と息を合わせてアンコールを求める観客の声を受け、でんぱ組.incとでんでんビッグバンドは再びステージへ。そしてイントロが流れ出した瞬間、会場は再度オレンジ色の光に包まれる。曲はもちろん「ORANGE RIUM」だ。すり鉢状の空間が完全にオレンジに染まった光景にメンバーも感動した様子で、夢眠は「やっぱ武道館で見るオレンジリウムが一番好きだわ」としみじみつぶやいた。6人は改めて2度目の武道館公演が実現した喜びを噛み締め、相沢が「あっという間に駆け抜けてきましたけど、でんぱ組はまだまだ止まる気は全くないので」と宣言すると客席からは歓声が上がったが、夢眠が「でも『今日はいいライブだったなー』と思っても、寝て起きたら別の若いアイドルのことを……」と不安を口にすると観客の一部は苦笑い。最上も思わず「金髪ショートだったらなんでもいいんだろお前らー!」と叫び、数分前に嗚咽を漏らしていたメンバーも観客もすっかり笑顔になった。すっかりなごんだ会場を再び燃え上がらせるべく、6人とバンドはここで超高速ナンバー「破!to the Future」を投下。そのままの勢いでラストナンバーになだれ込もうとするも、古川は「でんぱ組.incはまだまだ未来へ、このまま突っぱっし、だー!」と煽り文句を盛大に噛んでしまう。メンバーと観客から総ツッコミを受けた古川は、仕切り直してもう一度「でんぱ組.incはこのまま未来へ突っ走ります! またまたここから!」と叫び、6人は「夢がはじまるよ!!」と声をそろえてメジャーデビュー曲「Future Diver」を披露。にぎやかに2度目の武道館公演を終えた。
「でんぱ組.inc 幕神アリーナツアー2017 in 日本武道館 ~またまたここから夢がはじまるよっ!~」
2017年1月20日 日本武道館 セットリスト
01. W.W.D
02. ちゅるりちゅるりら
03. 君も絶対に降参しないで進まなくちゃ!
04. 最Ψ最好調!
05. サクラあっぱれーしょん
06. くちづけキボンヌ
07. キラキラチューン
08. Dear☆Stageへようこそ▽
09. でんでんぱっしょん
10. でんぱれーどJAPAN
11. W.W.D II
12. WWDBEST
<アンコール>
13. ORANGE RIUM
14. 破!to the Future
15. Future Driver
でんでんビッグバンド メンバー
板垣祐介(G)
山田裕之(B)
松原 “マツキチ” 寛(Dr)
田辺貴広(Dr)
村山☆潤(Key)
横山知子(Sax)
山崎千裕(Tp)
須賀裕之(Tb)
白須今(1st Violin)
沖増菜摘(2nd Violin)
角谷奈緒子(Viola)
塚本慈和(Cello)
※文中▽はハートマークが正式表記。
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