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nene Is.「DANCE FLOOR」ジャケ写

nene Is. DANCE FLOOR

踊りたい欲求を増幅させる、ダンスロックリバイバルの注目株

文 / 森朋之

サカナクションやthe telephonesなどを筆頭に、“踊れるロック”が盛り上がったのが2010年代前半。それから約10年以上が経ち、今再び、ダンスやディスコの要素を取り入れたバンドが注目され始めている。海外でもFranz Ferdinandが新作を発表するなど、2025年はダンスロックの本格的なリバイバルが期待できそうだ。

そんな状況を踏まえてレコメンドしたいのが、「札幌発ディスコロックバンド」を掲げたnene Is.(ネネイズ)だ。2023年4月に活動をスタートさせた4ピースバンドで、ポップかつダンサブルなサウンドが特長。1980代、90年代のサウンドを想起させるアレンジを含め、オーディエンスの体と感情を揺らし、ライブハウスをダンスフロアへ変貌させるポテンシャルを備えている。

2024年11月にリリースされた1stアルバム「OLA」の1曲目に収められたこの曲は、その名も「DANCE FLOOR」。冒頭の「ダンスフロア」を連呼するコーラス、「今はまだこんがらってもこっから上がっていこうよ」というラインとともにきらびやかなダンスミュージックが響きわたり、聴く者の踊りたい欲求を一気に引き上げていく。ファンキーなベースライン、軽快なギターカッティング、しなやかなグルーヴを生み出すドラム、どこかサイケデリックなシンセがひとつになったアンサンブルは、個性と親しみやすさのバランスが絶妙。“踊れる”という軸をしっかり持ちながら、このバンドにしかない独創的なアイデアがちりばめられているのだ。さらに歌モノとして楽しめるのも、この曲の吸引力。日本語をリズミカルに響かせるセンスを含め、幅広いリスナーに開かれた楽曲と言えるだろう。

曲の終盤で転調し、「未だかつてなかった未来がこっから待ってるよ」と宣言する構成も魅力的。2025年はイベントやフェスなどでも、nene Is.のダンスロックに触れる機会が増えそうだ。

nene Is.「DANCE FLOOR」

nene Is.「DANCE FLOOR」
2024年11月27日(水)配信開始 / nene Is.
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nene Is.(ネネイズ)

北海道札幌発のディスコロックバンド。2023年4月に札幌を中心に活動を開始。1980~90年代を彷彿とさせるサウンドのポップなダンスミュージックを生み出している。メンバーはKT(Vo)、リクタニグチ(B)、剛(Dr)、コト・チャン(G, Cho)の4人。