NICO Touches the Walls、20代ラストツアー初国際フォーラムで完結

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NICO Touches the Wallsの全国ツアー「NICO Touches the Walls TOUR 2015 “まっすぐなツアー”」が、7月19日に行われたバンドにとって初の東京・東京国際フォーラム ホールA公演をもってファイナルを迎えた。

NICO Touches the Walls(Photo by Atsushi Kimura)

NICO Touches the Walls(Photo by Atsushi Kimura)

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2年ぶりの全国ツアーとなった今回は、最新シングル「まっすぐなうた」を携えて各地を回った彼ら。最終公演が行われた東京国際フォーラム ホールAはツアー中最大規模のキャパシティである約5000人を収容する会場で、映像や照明演出が映えるホール会場ならではのスケール感のあるステージとなった。

光村龍哉(Vo, G)(Photo by Atsushi Kimura)

光村龍哉(Vo, G)(Photo by Atsushi Kimura)[拡大]

SEのボリュームが大きくなるとともに観客が立ち始め、暗転と同時にメンバーがステージに登場。光村龍哉(Vo, G)はひと言「今日は来てくれてどうもありがとう」と挨拶すると、スポットライトの下で「雨のブルース」を歌い始める。息遣いも聞こえるような柔らかい歌声は会場いっぱいに広がり、バンドの演奏が加わるとさらに情感を増す。スクリーンには雨粒が映し出され、しっとりとした空気を紡いだ。穏やかなオープニングで観客の意表を突いたところで、対馬祥太郎(Dr)の刻むタイトなリズムをベースに展開していく「TOKYO Dreamer」へ。タイトルにちなんで東京のさまざまな景色を映し出した映像をバックに、伸び伸びとしたアンサンブルが奏でられていく。バンドのエンジンが本格的にかかったのは「ローハイド」から。「いこうぜ! 東京」という光村のシャウトをきっかけに、古村大介(G)がギターを豪快に鳴らす。スクリーンには楽しげな表情の4人が順番に大映しになり、バンドのコンディションが万全であることをうかがわせた。さらにその勢いに乗ったまま、真っ白な照明がまぶしくステージを照らした「ホログラム」、対馬の軽やかなドラムが光る「バイシクル」、勢いのある「N極とN極」などBPMが速いナンバーが投下された。また序盤のハイライトとなったのは、女言葉でつづられた歌詞が印象的なサーフロックチューン「いいこになっちゃいけないの」。「悪い子になる時間がきましたよ」という光村の紹介から、坂倉心悟(B)の奏でる太くグルーヴィなベースを口火に、オルガンのような音色のギターが鳴る。会場にはサイケデリックなムードが漂い、最後は光村のため息のような声がほのかに漏れ、観客をうっとりとさせた。

古村大介(G)(Photo by Atsushi Kimura)

古村大介(G)(Photo by Atsushi Kimura)[拡大]

「どんだけ待たせるんだと各地でたくさんお叱りを受けまして……」という光村の言葉から始まったMCコーナー。光村は全国ツアーをしていなかった間のバンドの活動を振り返り、「ベストアルバムをリリースしたときにツアーを回らなかったので、これがベストアルバムのツアーです」と発言。「5000人が聴きたい曲が必ずあるよ。新旧いろいろ取りそろえてきたんで、長くなるよ」と予告すると、「かけら-総べての想いたちへ-」から始まるバラードづくしのブロックにつなげた。観客がイントロで驚きの声を上げた「エトランジェ」を経て、ロウソクの炎のようにゆっくりと明滅する照明のもとで披露されたのは「君だけ」。ノイズ混じりのギターが緊迫した空気を生み出し、光村の歌声が曲の展開とともに壮絶さを増していく。そしてギターのフィードバックノイズが残る中で対馬の叩くシンバルが響き、重々しい空気を一掃するように「Diver」がスタート。青白い照明に包まれながら4人は、力強いバンドサウンドを奏でた。

坂倉心悟(B)(Photo by Atsushi Kimura)

坂倉心悟(B)(Photo by Atsushi Kimura)[拡大]

「めちゃくちゃ気持ちいいですね」とホールを見渡した光村は「こんなに音がきれいだと思わなかったです」としみじみ。また今現在バンドの平均年齢が29.5歳のため、今回が20代最後のツアーであることに言及すると「次会うときは30代の脂っぽい僕らに会いに来てください」と冗談交じりに語り、「観ていて飽きない。聴いていて飽きない。そんなバンドになっていこうと。そういう所存であります。長い付き合いにしましょうね」と口にした。

本編最後のブロックはシングル曲のオンパレードに。光村の爪弾く素朴なアコースティックギターと雄々しいコーラスが印象的な「Mr.ECHO」、星空のような照明が曲の世界を彩った「夏の大三角形」、拳を突き上げながら満面の笑みを浮かべる観客に、メンバーも笑顔になった「ニワカ雨ニモ負ケズ」が立て続けに披露される。今回のツアーの主役とも言える1曲「まっすぐなうた」の前に光村は「東京に捧げます!」と叫び、エレキギターをかき鳴らしながら歌い上げた。またこの日はツアーファイナルということで、光村の「俺らの新しいステージをしかと受け止めてもらえますか?」という言葉に続いてライブ初披露となる新曲「渦と渦」もパフォーマンスされた。同曲は不穏なギターの音色から始まり、激しく勢いのあるサウンドが展開するロックチューン。手数の多い対馬のドラム、疾走感のある坂倉のベース、メロディアスな古村のギター、光村の歌声が広い会場に響きわたる。そしてライブ本編は「天地ガエシ」で大団円を迎えた。

対馬祥太郎(Dr)(Photo by Atsushi Kimura)

対馬祥太郎(Dr)(Photo by Atsushi Kimura)[拡大]

アンコールに応えて再登場したメンバーはニコニコしながら、古村、坂倉、対馬のトリプルドラムと光村のアコースティックギターと歌で構成されるアコースティックバージョンの「手をたたけ」をプレゼント。間奏では光村もドラムに加わり、息の合った圧巻のリズムセッションを繰り広げる。さらに、そのままライブの定番曲「THE BUNGY」になだれ込み、陽気なムードを作り出す。

その後光村は「口笛吹いて、こんにちは」のフレーズをつま弾きながら、「またやりたいです、国際フォーラム。みんなの拍手や声援がめっちゃ気持ちよく降ってくるのよ」と言いホール内を見渡す。そして「今日はお知らせしなきゃならないことがあります」と急に神妙な面持ちになると、「NICO Touches the Wallsにとって記念すべき100曲目の楽曲『渦と渦』、9月2日にシングルとしてリリースいたします。20代最後のシングルになります」と述べる。続けて「カップリングにはもう1曲新曲を入れます。すごいタイトルの曲です」と観客を焦らしたのち、「『僕は30になるけれど』という曲で……。30目前の今の思いをブチ込みました」と観客を笑わせた。発表はこれだけに終わらず、光村は2016年1月8日にキャリア3度目となる東京・日本武道館公演を開催することをアナウンス。「当たり前のように武道館をやってやろうと思います。大好きだからね武道館。新年あけましておめでとうの挨拶を、武道館でさせてください」と述べ、「武道館で待ってまーす!」と叫んだ。

NICO Touches the Walls(Photo by Atsushi Kimura)

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ツアーの締めくくりとして届けられたのは「口笛吹いて、こんにちは」。メンバーも観客も口笛を吹き朗らかなムードを作り出し、ライブはクライマックスを迎える。そして光村の「次は素敵な30代を迎えているはずのNICO Touches the Wallsに会いにきてください。最高の全国ツアーをありがとう。20代のNICO Touches the Wallsをありがとうございました!」という感謝の言葉をもって「まっすぐなツアー」は終幕した。

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NICO Touches the Walls「NICO Touches the Walls TOUR 2015 “まっすぐなツアー”」
2015年7月19日 東京国際フォーラム ホールA セットリスト

01. 雨のブルース
02. TOKYO Dreamer
03. ローハイド
04. ホログラム
05. バイシクル
06. N極とN極
07. いいこになっちゃいけないの
08. かけら-総べての想いたちへ-
09. エトランジェ
10. 君だけ
11. Diver
12. Mr.ECHO
13. 夏の大三角形
14. ニワカ雨ニモ負ケズ
15. まっすぐなうた
16. 渦と渦
17. 天地ガエシ
<アンコール>
18. 手をたたけ
19. THE BUNGY
20. 口笛吹いて、こんにちは

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卓 也 マ マ @ta98mama

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