アーバンギャルドがXmasにコンドーム配布「この2年間とても苦しかった」

アーバンギャルド初のホールワンマンライブ「アーバンギャルドのクリスマス～SANTA CLAUS IS DEAD～」が12月25日に東京・日本橋三井ホールにて開催された。

この日はホール公演ということもあり、彼らはスタンディングでの熱狂的なライブとは違った独特のシアトリカルなステージを展開。メンバーは背中に天使の羽根を付けて、賛美歌「もろびとこぞりて」をダンスミュージックにアレンジしたSEとともに登場した。「子どもの恋愛」からスタートした今回のライブは、「神様、今夜エイズ検査に行ったの」という歌い出しのバラード「ラヴクラフトの世界」や「ヌーヴォーロマン」など、普段あまり演奏されないレアな曲を立て続けに披露。恒例のソロコーナーでは松永天馬（Vo）が大槻ケンヂとのコラボ曲「戦争を知りたい子供たち」のジャズバージョン、浜崎容子（Vo）は「月へ行くつもりじゃなかった」のアコースティックバージョンを披露した。

「君にハラキリ」からの後半戦では、ハイテンションなナンバー「都会のアリス」「オペラ・オペラシオネル」などをパフォーマンス。MCでは、サンタクロースを信じていた浜崎容子が母親からサンタはいないと告げられた子供時代のエピソードなどを語り、最終的には父親が牧師であるという瀬々信（G）とともに「サンタは信じている人にはいるよ！」という当たり障りのない結論に至った。

アンコールではそのサンタクロースに扮した松永が客席から登場。「避妊しろ！」と叫びながら客席を練り歩き、袋に入れたアーバンギャルド特製コンドーム200個を配りながらステージへ。「処女捨てたもうことなかれ！」と歌いながらコンドームを投げるライブ定番曲「ベビーブーム」を演奏した。

メンバー紹介ののち、浜崎により2月8日にワンマンライブ「フラッシュバック・ワンマンVol.1『少女は二度死ぬ』」、4月4、5日に2DAYSワンマン「二部制☆鬱だ一番！アーバンギャルドまつり2015～ワンマン＆スペシャル・今度は戦躁だ！～」が行われることが発表された。「フラッシュバック・ワンマン」は各アルバムの楽曲を収録順に披露するという新シリーズ。4月の2DAYSはいずれも1日2公演で、初日に「詩劇:アーバンギャルドの新宿に死す」、2日目に「浜崎容子VS松永天馬！水玉紅白歌合戦」と題した謎のイベントがそれぞれ第2部に開催される。なおチケットが一般発売されるのは第1部のみで、第2部は先行予約をした人のみ観覧することができる。

この発表ののち、浜崎は谷地村啓（Key）、鍵山喬一（Dr）とメンバーの脱退が相次いだ2年間を回顧し、「この2年間はとても苦しかった」とその心情を吐露。しかし来年4月に加入するおおくぼけい（Key）やサポートメンバーのことにも触れつつ「アーバンギャルドは今が最高の状態だと思う」と締めくくった。

MC終了後はアーバンギャルドも参加している、12月17日に発売されたかしぶち哲郎のトリビュートアルバム「a tribute to Tetsuroh Kashibuchi ～ハバロフスクを訪ねて」より、ムーンライダーズのカバー「スカーレットの誓い」をライブ初披露。ラストに今年発表したアルバム「鬱くしい国」のリードトラック「さくらメメント」を演奏し、初ホールワンマンの幕を下ろした。