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星野源「ツービート」初日に奥田民生、ペト長岡らと弾き語り

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星野源「星野 源 横浜アリーナ2Days『ツービート / 弾き語りDay』」の様子。(撮影:三浦知也、五十嵐一晴)

星野源「星野 源 横浜アリーナ2Days『ツービート / 弾き語りDay』」の様子。(撮影:三浦知也、五十嵐一晴)

星野源が12月16日と17日の2日間にわたり、神奈川・横浜アリーナにて単独公演「星野 源 横浜アリーナ2Days『ツービート』」を開催した。

今年の春に行われた全国ツアー「星野源の復活アアアア了!」以来の単独公演となった今回のアリーナ公演には、2日間合わせて約2万2000人が来場。この記事では弾き語りという縛りを設けて行われた初日公演「ツービート / 弾き語りDay」の模様を紹介する。

今年2月の東京・日本武道館公演では2人の女性ナースにエスコートされながらステージに現れた星野だが、今回はミニスカサンタ2人とともにステージに登場。両手に花とばかりに美女2人を引き連れた星野はステージ中央に到着するや否や、退場しようとする女性たちのスカートを覗き込もうとしたり、追いかけたりと“スケベ心”丸出しの茶番でオーディエンスを笑わせる。ひとしきり盛り上げたあと定位置に戻った星野はアコースティックギターを抱えると、まずは「歌を歌うときは」をスポットライトを浴びながらゆったり歌い上げ、観客を滋味のある世界へ誘う。続いて軽やかにギターを爪弾きながら「ギャグ」と「化物」の2曲を続け、曲中に「こんばんは星野源です!」と挨拶。これをきっかけに大きな手拍子が起き、温かな一体感が作り出された。

「ようこそお越しくださいました。すごいね」と場内を見渡した星野は、「今日はお寒い中、本当にありがとうございます」と観客に感謝を伝えると、「1回立ってみましょうか? 『アリーナー!』ってやっていいですか?」とコール&レスポンスをリクエスト。大きなレスポンスが返ってくると「満足!」と笑顔を浮かべた。そして観客を着席させると「くせのうた」「レコードノイズ」を連続で披露。「レコードノイズ」では声にリバーブをかけ、楽曲のスケール感を倍増させていた。

「こんなに人がいてめっちゃ広いのに、1人って気がする(笑)」と語った星野は、今回の弾き語りライブを行うことにした経緯を説明。「曲を作るときは部屋で1人でほそぼそと作るわけです。で、なんとなく原点に返ってみたいと思って」という考えからライブを企画したことや、奥田民生がかつて広島・広島市民球場で弾き語りライブをしたことに憧れていたことを語った。「フィルム」「くだらないの中に」というライブでおなじみの曲を続けたあと、星野は「寂しくなったので友達呼んでもいいですか?」と長岡亮介(ペトロールズ)を呼び込んだ。アコースティックギターを抱えて登場した長岡は、「この空間すごい。ずるい。気持ちいいっしょ?」とほんのり星野への嫉妬をにじませる。それに対して星野は「気持ちいい。一緒に気持ちよくなろう」と返し、長岡と息の合ったセッションで「穴を掘る」と「Night Troop」を披露した。このブロックのラストを飾った「地獄でなぜ悪い」では星野も長岡も足でリズムを取りつつ朗らかな歌声を響かせた。

単独公演の際は、親交のあるアーティストたちによるビデオメッセージや、撮り下ろし映像が上映されることが恒例となっている星野のライブ。横浜アリーナ初日公演では“一流ミュージシャン”たちからの応援メッセージということで、レイザーラモンRGと清水ミチコによる入魂のモノマネ映像が観客を笑わせた。

ライブの中盤で星野は、セグウェイに乗ってアリーナエリアに設営されたサブステージに移動。「どうも、どうも。決して手は出さないでください。危険ですので」と茶目っ気たっぷりに語りながらサブステージにたどり着くと、「ひらめき」「スカート」といった自身の楽曲のほか、敬愛する細野晴臣の「冬越え」や、NUMBER GIRL「透明少女」のカバーを披露した。サブステージでのパフォーマンスを終えた星野は、X JAPAN「Forever Love」をバックにセグウェイに乗って退場。その後、白いタオルを頭に巻き、グレーの作務衣に着替えてステージに表れた彼は「ども奥田民生でーす」「今日はなあ、ワシの代表曲『さすらい』をやるけん」と語ると「さすらい」を堂々と歌い出した。しかし「待てー! こらー! ちがーう!」と邪魔が入り、なんと作務衣を来た本物の奥田がステージへ。「だいたいこの格好ギター合わないんだよ」とぼやきながらも奥田は星野と一緒に「さすらい」を歌い、さらにPUFFY「MOTHER」のカバーをツインボーカルで披露。続けて「2人でやるために新曲作ってきました」と星野が明かすと、奥田が「すごいよ。だって俺ならありものでやるもん」と感嘆する。星野が奥田とのデュエットで届けたのは陽気なフレーズがふんだんに盛り込まれた「愛のせい」。途中まで真面目に歌っていた2人だが曲の終盤ではふざけ出し、しまいには笑い出す始末。和やかな雰囲気の中で奥田とのコラボコーナーは終了した。

本編最後のブロックは、長岡とのセッションによる「桜の森」からスタート。長岡の高い歌声がダンサブルなナンバーを彩り、観客を心地よく揺らした。「明日もよろしく!」という挨拶で長岡を送り出した星野は、ライブの始まりと同じように1人に。「ワークソング」「夢の外へ」を歌い上げたあと、「今日は裏テーマとして、歌を歌い始めた頃と今をつなげるというライブにしたいなと思ってやりました。六畳一間で作った曲が、こうやって皆さんに聴いてもらえるのはうれしいです」と語る。そして「ばらばら」で本編を締めくくった。

盛大なアンコールが起きる中、スピーカーからは朗々とした寺坂直毅のナレーションが響く。そして閉じられていたステージを覆う赤いゴージャスなカーテンが開き、白いスーツを着用した星野、長岡、ピエール中野(凛として時雨)、ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)、小林創による「Crazy Crazy」のセッションがスタート。躍動感たっぷりのアンサンブルをバックに星野は、この日初めてハンドマイクでパフォーマンスをし、明るい歌声でオーディエンスを熱狂の渦へと巻き込む。ゲストアーティストを送り出したあと、彼は「弾き語りライブというのは嘘でした!」と謝罪し、「ああ幸せです」としみじみと口にする。そして再びギターを抱えると「Stranger」を穏やかに歌い上げ、「よいお年を。また会いましょう」という挨拶をもって「ツービート / 弾き語りDay」に幕を下ろした。

星野源「星野 源 横浜アリーナ2Days『ツービート / 弾き語りDay』」
2014年12月16日 横浜アリーナ セットリスト

01. 歌を歌うときは
02. ギャグ
03. 化物
04. くせのうた
05. レコードノイズ
06. フィルム
07. くだらないの中に
08. 穴を掘る
09. Night Troop
10. 地獄でなぜ悪い
11. ひらめき
12. スカート
13. 冬越え
14. 透明少女
15. 老夫婦
16. さすらい
17. MOTHER
18. 愛のせい
19. 桜の森
20. ワークソング
21. 夢の外へ
22. ばらばら
<アンコール>
23. Crazy Crazy
24. Stranger

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