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名曲も珍曲も!電気グルーヴ、盟友参加&ファン狂乱の「塗糞祭」

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電気グルーヴ「電気グルーヴ25周年記念ツアー “塗糞祭”」11月8日の東京・Zepp Tokyo公演の様子。

電気グルーヴ「電気グルーヴ25周年記念ツアー “塗糞祭”」11月8日の東京・Zepp Tokyo公演の様子。

電気グルーヴが11月8日に東京・Zepp Tokyoにて、結成25周年記念ツアー「塗糞祭」の最終公演を開催した。

1991年にアルバム「FLASH PAPA」でメジャーデビューを果たし、以降さまざまな変遷を経ながら活動を続けている電気グルーヴ。彼ららしい人を食ったようなタイトルが付けられた今回のツアーには、電気のアニバーサリーイヤーを祝うべく多くのファンが参加し、レア曲を詰め込んだセットリストからなるライブを堪能した。また東京公演の2日目にはメジャーデビュー以降の歴代メンバーであるCMJKと砂原良徳、過去にサポートを務めたDJ TASAKA、合体ユニットを結成して活動していたスチャダラパー、電気とは旧知の仲である天久聖一といったゲストが登場した。

緞帳が開くと真っ白な大階段の上でビシッとポーズを決めた石野卓球とピエール瀧が登場し、ライブの幕開けを告げる。万雷の拍手が沸く中、2人はまずは「電気グルーヴ25周年の歌(駅前で先に待っとるばい)」をパフォーマンス。大階段にはプロジェクションマッピングによってイコライザーの映像や歴代のアーティスト写真が次々と映し出される。石野卓球はツアーグッズである「塗糞刷毛」を手に伸びやかな歌声を響かせ、その横でピエール瀧は奇妙かつキレのあるダンスを披露。しっかり歌で25周年を祝ったあとは「Twist of the world」「B.B.E.」など懐かしいナンバーをプレイしていく。「Hi-score」ではレトロなゲーム画面が階段に映し出され、それにあわせて瀧がゲームのキャラのようにジャンプをしたり、ハゲを肯定する「ザ・ケトルマン」では息の合ったツインボーカルを響かせたり、メンバーのコンディションは序盤から絶好調。MCも普段以上に切れ味が鋭く、2人は収録用のカメラが入っていることなどどこ吹く風。瀧が「『塗糞祭』にようこそ! 塗り残しのないように、塗って、塗って、塗りまくれ」と観客を煽れば、卓球は「今日はいろんなゲストが来るんで。今日オンリーのゲストもいます」と言い放ち矢継ぎ早にギャグを飛ばす。さらにサポートのagraphこと牛尾憲輔が前日の東京公演の初日で一瞬呼吸困難になったことを暴露したり、「瀧『じぇじぇじぇ』やれ!」と瀧にムチャ振りをしたりしながらも「酒飲んでないからね。平常運転だから!」と豪語。そして「最初の挑戦者!」とCMJKを呼び込んだ。以降のブロックから場内の空気と湿度はどんどん上昇し、すっかり蒸し風呂状態に。ここではCMJK在籍時の「ビコーズ」「マイアミ天国」「Bingo!」という初期曲が新たなアレンジでパフォーマンスされ、観客を狂喜乱舞させる。CMJKとのセッションの終盤で卓球は、「新宿LOFTのメンバー募集で電話をかけたのが、こんな付き合いになるとは思いませんでした。これからもよろしくお願いします」と述べ拍手を浴びていたが、彼が去ると「ああ、やっと帰ったー」と悪態をついて観客を笑わせた。

「続いての挑戦者を呼びましょう」という瀧の紹介で登場したのは、アルバム「VOXXX」をともに制作し、同アルバムのツアーにも参加したDJ TASAKAだ。彼は現れるなり小島よしおのモノマネで観客にアピールし、「浪曲インベダー」「ドリルキング社歌」の2曲を卓球と瀧とともにパフォーマンス。「浪曲インベダー」はほとんどライブで披露されていない曲とあって、イントロが鳴るなり「ウオー!」という歓声が起こり、フロアは大盛り上がりとなった。そしてTASAKAと入れ違いで、次の“挑戦者”であるスチャダラパーが登場する。Boseが「聖☆おじさんが戻ってきました! 電気グルーヴ、25周年おめでとうございます!」と高らかに叫んだことを機に、SHINCOが繰り出すトラックに乗せて卓球、瀧、Bose、ANIの4MCによる「聖☆おじさん」が披露された。仲良くセッションを始めた2組だが、MC中に瀧がお客さんに渡すために用意していた1000円をANIが盗んだという疑惑が浮上。仲裁に入ったBoseの「お互いラップで勝負しろ!」というひと言から、ANIの先攻でラップ対決が勃発した。そして2人ともシリアスなトラックに乗せて渾身のラップを繰り出し、瀧の「こうやって気持ちをぶつけてみるのもいいもんだな」という言葉をもって仲直り。ANIと瀧が「Unity!」とガッツリ握手を交わし収録用のカメラに向かってアピールすると、Boseが「せっかく電気とやるなら、“心のベスト10 第1位”があるんだよ。みんなの大好きな、あのラップで締めようじゃないか」と「今夜はブギーバック」へとつなげる。曲の途中で一旦退場していた牛尾も合流して、先輩たちを横に熱唱。最後はスチャの音頭で「電気グルーヴ」のコール&レスポンスが繰り広げられ祝福ムードが漂った。

スチャ退場後は再びプロジェクションマッピングを交えながら、「完璧に無くして」を皮切りに新旧のナンバーが披露される。そして「21世紀もモテたくて…」が始まると、スペシャルゲスト・天久聖一が登場した。網タイツに身を包んだ体をポリバケツに入れ、ゴミをあしらった金髪のウィッグを被り、足元はティッシュ箱という天久の奇妙なファッションにメンバーも客席も大爆笑。パフォーマンスは無事完遂されるも、卓球は「もう帰って!」と容赦なく言い放ち、天久も「明日はあなたのマンションのゴミ置き場にいるかもしれませんよー」というセリフを残してぎこちない足取りで去っていった。

ここまでですでに1時間半が過ぎていたが、ライブはまだまだ中盤戦。卓球は「無理しなくていいよ! 無理して観るもんじゃないから!」と観客に呼びかけ、このあともマイペースなライブを展開することを予告し、自由奔放なトークになだれ込んだ。卓球が観客を引かせるマシンガントークを炸裂させると、瀧は「俺はそんなお前が好きだよ」と告白。しかし卓球は「俺はそうでもない!」と笑いながら返し、突然「『TOKYO TRIBE』の竹内力のモノマネしてよ。にしおかすみこのマネも入れて」と再びムチャ振り。ステージのカオスっぷりが最高潮に達したところで、最後のゲストである砂原良徳が呼び込まれた。彼は「瀧の曲をいっぱいやります」と人生の「俺が畳だ!殿様だ!」を皮切りに、自身が在籍していた時代の楽曲を中心にメドレーでつないでいった。特に盛り上がりを見せたのは「ママケーキ」。途中まで普通にシンセを弾いていた砂原だが、曲の終盤でマイクをつかむとステージ中央へ。そして卓球や瀧とマイクリレーを繰り広げ、さらには踊りまで披露。まさかのコラボレーションにオーディエンスは激しく沸き立った。

その後、「Shangri-La」をもって砂原参加のブロックは終了。卓球は「いよいよ終わりを迎えます、人生が!」とうそぶき、再び客を置いてけぼりにするトークを瀧とともに繰り広げる。脱線気味のトークに自ら「もう楽屋で話そう!」と終止符を打つと「ま、そんな感じで、今後ともよろしくお願いします」と挨拶。そして「モノノケダンス」からノンストップでラストスパートをかけていく。クライマックスでは「一番古い歌詞でお送りします!」という言葉から「N.O.」の原曲である「無能の人」と、1990年にインディーズで発表された1stアルバム「662 BPM BY DG」に収録されているバージョンと同じ歌詞およびアレンジによる「電気ビリビリ」がパフォーマンスされフロアの狂騒状態はピークに達する。スモークがフロアにも大量に噴射され、刺激的な余韻を残して「塗糞祭」は終幕を迎えた。

なお「塗糞祭」最終日の模様は12月21日(日)にWOWOWにてオンエアされる。視聴可能なファンは、狂乱の一夜の模様を番組で追体験しよう。

電気グルーヴ「電気グルーヴ25周年記念ツアー “塗糞祭”」
2014年11月8日 Zepp Tokyoセットリスト

01. 電気グルーヴ25周年の歌(駅前で先に待っとるばい)
02. Twist of the world
03. MUD EBIS
04. B.B.E.
05. Hi-score
06. ザ・ケトルマン
07. ビコーズ
08. マイアミ天国
09. Bingo!
10. 浪曲インベダー
11. ドリルキング社歌
12. 聖☆おじさん
13. ANI vs 瀧
14. 瀧 vs ANI
15. 今夜はブギーバック
16. 完璧に無くして
17. FLASHBACK DISCO
18. Baby's on Fire
19. 21世紀もモテたくて…
20. 俺が畳だ!殿様だ!
21. ポパイポパイ
22. ちょうちょ
23. お正月
24. 富士山
25. ママケーキ
26. Shangri-La
27. モノノケダンス
28. Upside Down
29. Fake it!
30. スマイルレス スマイル
31. ジャンボタニシ
32. カメライフ
33. 無能の人
34. 電気ビリビリ

WOWOWライブ「電気グルーヴ25周年記念ツアー“塗糞祭”」

2014年12月21日(日)23:00~

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