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三池崇史監督作「テラフォーマーズ」宇宙船に潜入、伊藤英明と山下智久が拳を交わす

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「テラフォーマーズ」撮影風景 (c)貴家悠・橘賢一/集英社 (c)2016 映画「テラフォーマーズ」製作委員会

「テラフォーマーズ」撮影風景 (c)貴家悠・橘賢一/集英社 (c)2016 映画「テラフォーマーズ」製作委員会

三池崇史監督、伊藤英明主演により実写化が実現した「テラフォーマーズ」。映画ナタリーではその撮影現場の様子をレポートする。

貴家悠原作・橘賢一作画のマンガをもとにした本作は、火星を地球化させる“テラフォーミング計画”で異常進化を遂げた“ある生物”の駆除に向け、15人の隊員が宇宙船“バグズ2号”に乗り込むところから物語が展開する。撮影場所である東宝スタジオに足を踏み入れると、そこには主人公たちの拠点となるバグズ2号のセットが。制作費約1億円、制作日数1カ月がかけられたセットには、原作そっくりのコントロールルームも配置され、司令席にはおびただしい数のコンピュータを設置。デッキ部分が格子状となっているため「ものを落とさないように!」と注意を呼びかけながら、多くのスタッフが広い船内をせわしなく歩き回る。

しかしこれほどの舞台が用意されたにもかかわらず、監督の三池によれば「SF作品を撮っている感覚はない」という。原作の時代設定は今から500年後の未来だが、三池は「一見すると荒唐無稽に見えるストーリーでも、底辺に流れているのはリアルなドラマ。なぜ生き延びたいのか? 何を恨んでいるのか? いろんな思いを抱く人たちを1つの世界に閉じ込めることが、この作品の武器になっている」と説明。また原作の魅力を「褒められなくてもいいから、みんなが楽しめるっていうことをやっている。突き抜ける自由みたいなものを感じる」と伝えた。

この日撮影が行われたのは、出会って間もない主人公・小町小吉と元キックボクサーの武藤仁が拳を交わし、互いのキレを見せつけ合うシーン。小吉役の伊藤が武藤役の山下をリードしながら、本番直前まで動きを確認していく。三池は自らセリフを発して役者にイメージを伝え、一方で技術スタッフにもフォーカスのタイミングなど細かく指示。そんな三池はキャストに対して「伊藤英明は、今回も『120%伊藤英明』! 自分にとって非常に相性がよく、頼りになる役者です。山下さんは内側にある熱や強さが何年かに一度噴火する人だと思うんですけど、それがこの作品にあたるといいな。『やまぴーおったまげ』以上のおったまげですよ」と信頼と期待を込めて太鼓判を押した。

また本作の見どころの1つとして期待されているのが、昆虫の特殊能力を植え付けられた隊員たちが変異する姿。隊員たちの宇宙服は綿密な採寸の上で作られており、役者本人しか着ることができないほどぴったりフィットしている。そして変異シーンにて内側から筋肉や触覚が突出するため、同じように見える宇宙服でも1人ひとり異なる筋が入れられているという。

隊員たちが変異して臨むバトルシーンにおいて、残酷描写の多さからテレビアニメ版では規制されたこともしばしば。しかし三池は意図的に抑えた描写にするのはあってはならないと考えを明かし、「R指定とか年齢制限とか、前例に当てはめるのではなく、我々がその基準を新たに作っていければいい。説得力とリアリティがあれば基準も変わるんじゃないかな。死に方にしても、その瞬間がだらだらと描かれるより、例え瞬殺でも喪失感にエンタテインメント性を感じられるようなものにできれば」と述べた。

最後に三池は、本作の展望について「日本人が火星を舞台にした作品に正面からぶつかると、どんなテイストのものができあがるのか。きっとアメリカ人でも作れないものになる。観たことのない世界観で、観たことのない面白さ。そういうものが生まれてくると信じています」と力強く語った。

なお本作は5月にクランクインし、アイスランドでのロケを経て8月下旬に無事撮了した。劇場公開日は2016年4月29日に決定している。

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