「双面ディレイ」上演に向け、ハラサオリ「強靭なモチーフに3人のダンサーがどう対峙するか」

去る12月3日に東京都内で、「双面ディレイ」の公演発表会見が行われた。

「双面ディレイ」公演発表会見より、左から金原亭小駒、常磐津和英太夫、大谷能生、ハラサオリ。

「双面ディレイ」公演発表会見より、左から金原亭小駒、常磐津和英太夫、大谷能生、ハラサオリ。

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「双面ディレイ」は歌舞伎「法界坊」の大詰として知られる舞踊「双面」を、現代のダンスパフォーマンスとして再構築する公演。演出・振付を手がけ、出演もするハラサオリは、「近年、芸術表現でもジェンダーやクィアなどの視点が注目されるが、歌舞伎の表現はある意味、それを先取りしている。歌舞伎の真似をするつもりはなく、この強靭なモチーフに私たち3人のダンサーがどう対峙するか。創作中です」と現在の心境を語った。

また、出演する常磐津和英太夫は「ふだん歌舞伎の演奏をしていると、自分が役者の身体と響き合っているような感覚になる。古典曲ではあるが、その場の役者に影響を受けつつ語る。今回はまったく未知数の座組でどうなるのか楽しみ」、作曲・編曲・演奏の大谷能生は「ジャズを中心にして活動をしているが、ジャズ音楽はもともと踊りと一緒に進化してきた。今回の試みは新しく、かつ本来的なものになる。常磐津の原作を参照して曲もダンスも創作するが、たんなる置き換えではない、いま現在の表現になるはず」とそれぞれ意気込む。さらに、出演する象のサーカス団の金原亭小駒は「今回は作品世界と現実をつなぐ間狂言として参加する。象のサーカスという明治期に出来たと思われる茶番(コント)があり、それを公演用にアレンジして観客を作品世界にいざないます。象が出ますのでご期待下さい」とコメントした。

本作には、そのほかモテギミユ、山田茉琳、常磐津佐知太夫、常磐津菊与志郎、金原亭馬太郎、柳家小はだが出演する。公演は12月16・17日に東京・ユートリヤ(すみだ生涯学習センター)にて。

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双面ディレイ

開催日程・会場

2025年12月16日(火)・17日(水)
東京都 ユートリヤ(すみだ生涯学習センター)

スタッフ

演出・振付:ハラサオリ
作曲・編曲・演奏:大谷能生

出演

ハラサオリ / モテギミユ / 山田茉琳

常磐津

(浄瑠璃):常磐津和英太夫 / 常磐津佐知太夫
(三味線):常磐津菊与志郎

象のサーカス団

金原亭小駒 / 金原亭馬太郎 / 柳家小はだ

公演・舞台情報

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