「マタ・ハリ」に柚希礼音・愛希れいか「すべてを懸けて」新曲追加に甲斐翔真はワクワク

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ミュージカル「マタ・ハリ」の制作発表会見が、本日6月23日に東京・品川プリンスホテル クラブeXで実施された。

左から石丸さち子、神尾佑、廣瀬友祐、愛希れいか、柚希礼音、加藤和樹、甲斐翔真、春風ひとみ。

左から石丸さち子、神尾佑、廣瀬友祐、愛希れいか、柚希礼音、加藤和樹、甲斐翔真、春風ひとみ。

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柚希礼音

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本作は、第一次世界大戦中にスパイ容疑で処刑されたダンサー、マタ・ハリの数奇な半生を描いたミュージカル。アイヴァン・メンチェルの脚本、フランク・ワイルドホーンの作曲、ジャック・マーフィーの歌詞により、2016年に韓国で初演された。日本で3度目の上演となる今回は、過去公演に続き、石丸さち子が訳詞・翻訳・演出を担う。

愛希れいか

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報道陣に加え、観客が抽選で招待された会見には、柚希礼音愛希れいか加藤和樹廣瀬友祐甲斐翔真神尾佑春風ひとみ、石丸が登壇した。会見は劇中歌のパフォーマンスで始まり、甲斐が「普通の人生」、愛希が「一生の時間」、加藤が「戦いが終わっても」、柚希が「この命の最期に」を、音楽監督・小澤時史のピアノ伴奏に乗せて披露。思いが込められた歌唱に、観客も引き込まれていた。

2018年の初演からタイトルロールを務める柚希は「大好きなマタ・ハリ役を3回もやらせてもらえるなんて本当にうれしいです。人生のすべてを懸けて挑みたいと思います!」と意気込み、「マタ・ハリのような実在した人物を演じるのが好き。本や資料には他者から見た人物像が書かれていますが、私は“本当はどうだったのか”を追い求めます。すると自分がマタ・ハリにとって世界中で1番の味方のような気持ちになるんです。マタは女スパイの側面が切り取られることが多いですが、一生懸命に生きた女性であることを演技を通して伝えたい」と言葉に力を込めた。

談笑中の愛希れいか(前列左)と柚希礼音(前列右)。

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2021年の再演からマタ役を柚希とWキャストで務める愛希は「前回は(千秋楽含む3公演が中止となり)最後までお客様にお届けできなかった。また個人的に、マタという人物が自分にとって想像しきれないほどの人生を歩んでいるため、当時は精一杯やりましたが終わったあとに反省も残りました。いろいろな意味で悔しかったので、今回は初演のような気持ちで向き合いたいと思います。私も柚希さんと同じで、すべてを懸けて演じたいですし、そうやって“すべてを懸けられる”お役に出会えること自体が幸せだなと感じております」と語った。

加藤和樹

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3度目の参加となる加藤は、マタをスパイ活動に引き入れるフランス諜報局のラドゥー大佐と、マタに真っすぐな愛を向けるパイロットの青年アルマンを回替わりで演じる。「初演のときはラドゥマン……混ざっちゃった(笑)、ラドゥとアルマンの2役をやらせていただいたのですが、再演ではラドゥ役のみでした。今回また2役に挑戦させていただけることをうれしく思っております。経験を積んだからこそ演じられるラドゥとアルマンを丁寧に見せられたら。石丸さんの“愛が強すぎる”作品なので、稽古場でヒリヒリするような瞬間もありますが(笑)、芝居を通してその愛をお客様に届けたい」とコメントした。

初参加でラドゥ役を務める廣瀬は「再々演ということでこの作品がどれだけ愛されているかを感じます。作品を愛する皆様へのリスペクトを込めながら、新たな1ピースとなれるよう精進します」とあいさつし、「ラドゥは“歪んだ愛”をマタに向ける人物と紹介されますが、戦時中というそもそもが歪んだ時代で、その愛が本当に歪んでいたのか、と疑問があります。当時、一番“真っすぐ”だったものは何なのかを見つけていけたら」と語った。

同じく初参加でアルマン役を担う甲斐は「『マタ・ハリ』は初演からずっと観させていただいていました。待望の出演です」と笑顔を見せ、「アルマンは最初、普通の人生を嫌うような鬱屈としたものを抱えていましたが、戦争やマタとの恋愛の中で、逆に普通の人生に憧れるようになる。アルマンを取り巻く状況は、当たり前だったことが当たり前じゃなくなっている今の時代を生きる人々に重なると思います」と思いを馳せた。

ドイツの将校ヴォン・ビッシング役で初登場する神尾は「僕はミュージカル界では若輩者ですので、“先輩方”の胸を借りるつもりで精一杯やらせていただきます」と登壇者たちの笑いを誘い、「実在の人物をベースとした物語には、人間の核のようなものが描かれていると思います。自分なりにそれを探したい」と目標を語った。

マタの衣裳係アンナ役を2021年公演から続投する春風は「前回、タカラジェンヌの後輩であるお2人の佇まいに、お稽古場から感動しておりました。『人生を懸けて』とお二人はおっしゃいますが、私は人生を懸けちゃうとあとがないものですから(笑)、2人のパワーをしかと受けられるようにがんばります。個人的には、日本での舞台が久しぶりなので思いを込めて大切に演じたい」と語り、「アンナはまるで石丸さち子さんですよね。俳優に掛け値なしの愛情を持って向き合う姿が最高のヒント」と石丸に目配せした。

石丸は「先ほど歌唱を聞きながら、まさに『ああ、また命を懸けた闘いが始まるんだ』と感じました。我々にとってそれほどの心持ちがないと立ち向かえない物語です。本作で一番描きたいのは、“どんな時代、どんな世界でも人間は美しいんだ”ということ。世界が混迷を極めている今、我々が過去に学んできたこと、それなのに今の状態にいるということが見えるように演出していきたい」と熱弁する。

「僕も飛行機から外を見るのが好き」とワクワクした表情で語る甲斐翔真。

「僕も飛行機から外を見るのが好き」とワクワクした表情で語る甲斐翔真。[拡大]

また今回の公演では、日本初披露となる新曲「From Way Up There」が追加されることが明らかになった。韓国で上演されている初演版と新演出版のうち、日本公演は初演版をベースとしているが、「From Way Up There」は初演版の再演時に加えられたナンバーだ。石丸は「今回どうしてもこのチームで『From Way Up There』 をやりたかったので、特別に使用許可をいただきました。この曲は、飛行機を愛するアルマンが空から見る世界の美しさを歌い、その様子にマタハリの心が動かされ、2人がデュエットするナンバーです。韓国初演版とは違う形で取り入れる予定ですので、ぜひ期待していてください」と呼びかける。これに対し、甲斐は「僕も飛行機に乗ると、離陸・着陸時はシェードを開けてその土地の様子を見たいタイプなので、アルマンに共感できます(笑)」とワクワクを抑えきれない様子でコメント。続けて「ですがアルマンは戦争のために飛行機に乗っているという違いがある。その状況下で景色に美しさを見出したアルマンの思いを追求できたら」と語った。

公演は10月1日から14日まで東京・東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)、20日から26日まで大阪・梅田芸術劇場 メインホール、11月1日から3日まで福岡・博多座にて行われる。チケットの一般販売は、東京・大阪分が7月5日10:00、福岡分が9月13日10:00にスタート。

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ミュージカル「マタ・ハリ」

2025年10月1日(水)〜14日(火)
東京都 東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)

2025年10月20日(月)〜26日(日)
大阪府 梅田芸術劇場 メインホール

2025年11月1日(土)〜3日(月・祝)
福岡県 博多座

スタッフ

脚本:アイヴァン・メンチェル
作曲:フランク・ワイルドホーン
歌詞:ジャック・マーフィー
オリジナル編曲・オーケストレーション:ジェイソン・ホーランド
訳詞・翻訳・演出:石丸さち子

出演

マタ・ハリ:柚希礼音 / 愛希れいか
ラドゥー / アルマン:加藤和樹
ラドゥー:廣瀬友祐
アルマン:甲斐翔真
ヴォン・ビッシング:神尾佑
アンナ:春風ひとみ
パンルヴェ:中山昇
ピエール:長江崚行
キャサリン:青山郁代
コリフェ(ファーストダンサー):三井聡
井口大地 / 石井雅登 / 尾川詩帆 / 尾関晃輔 / 伽藍琳 / 木暮真一郎 / 坂口杏奈 / 佐々木淳平 / 高倉理子 / 花陽みく / 晴音アキ / 福本鴻介 / 森山大輔 / 山田美貴

公演・舞台情報
ミュージカル「マタ・ハリ」の制作発表会見より。左から

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アムール・タカラヅカ @AMOUR_TKRZKA

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