「サヨウナラバ」は、2020年に上演予定だったが、新型コロナウイルスの影響により延期となったのち、2022年に上演された作品。時は昭和3年。天乃屋本家は旦那が事故死、頼みの番頭は病死し、跡取り娘である病弱なシズだけが残された。「誰かシズに添わせられる都合のいい男はいないか?」と白羽の矢が立ったのが、分家の手代・伊助だったが……。
“演劇表現探求型文化交流 芝居×狂言”を掲げる本公演は、“芝居ver.”と“狂言ver.”の2バージョンで上演される。“芝居ver.”には
上演に際しわかぎは「今回、東京公演は幻となっていた美術セットを建てこみ完全上演を致します。本来の企画意図の一つである、東京のスズナリでは小劇場空間に狂言師を立たせ、大阪で能楽堂の舞台に我々が立つという対比の妙もお楽し見た頂けたらと思います。『サヨウナラバ』=『それやったら』まぁいいか。という日本人特有の曖昧な処世術でつながって行く女たちのしたたかな物語、完全版! 劇場へ、能楽堂へお運びくださるのをお待ちしております」とコメントしている。
わかぎゑふコメント
2025年早春に、わ芝居「サヨウナラバ」の再演をさせていただく運びになりました。思えば2022年上演時はコロナ禍真っ只中で「え? まだまだパンデミック続くんや」と公演できるかどうかわからない状態の中、まず美術を作らない大決心をし、市松模様の絨毯を敷くだけのセットを東京に持って行きました。
大道具会社アーティスティックポイントの浦野さんが角が1ミリのズレもないパンチカーペットを貼り合わせて敷き詰めてくれた時は「職人魂」を見たのを思い出します。たとえ敷物ひとつだけでも、あれだけ風情のあるものの上で芝居をすれば絵になるのだと、改めて教えてもらいました。
稽古初めから罹患者が次々と出て、キャストが二転三転し、ついには本番3日前に主役が陽性になり、もうダメか?という事態を狂言師に手伝ってもらって5役をチェンジし、たった1日の稽古で東京公演に漕ぎ着け時は「ほんまに出来るんか?」の連続で気の休まる間など一瞬たりともありませんでした。
大阪に戻り、山本能楽堂での千龝楽に「ここまで辿り着きました」とご挨拶した時のお客様の温かい拍手は今でも忘れられません。あの時に「この芝居だけはキチンと再演してお見せしねば!」と心に誓っておりました。
今回、東京公演は幻となっていた美術セットを建てこみ完全上演を致します。
本来の企画意図の一つである、東京のスズナリでは小劇場空間に狂言師を立たせ、大阪で能楽堂の舞台に我々が立つという対比の妙もお楽し見た頂けたらと思います。
「サヨウナラバ」=「それやったら」まぁいいか。という日本人特有の曖昧な処世術でつながって行く女たちのしたたかな物語、完全版! 劇場へ、能楽堂へお運びくださるのをお待ちしております。
わ芝居 ~その参「サヨウナラバ」
2025年2月20日(木)〜25日(火)
大阪府 山本能楽堂
2025年3月15日(土)〜20日(木)
東京都 ザ・スズナリ
スタッフ
脚本・演出:
美津乃あわ @awamiduno
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