ハイバイ20周年「て」が開幕、岩井秀人は16年間の旅を経て「『て』の演出はこれにて完了」

「ハイバイ20周年『て』」が本日12月19日に東京・本多劇場でスタートした。

「て」は2008年に初演された、岩井秀人作・演出によるハイバイの代表作。岩井の実の家族をモデルに、祖母の認知症をきっかけに実家に再集合した4人兄妹が、過去の関係を清算しきれず、“お互いの分かり合えなさに沈んでいく”様が描かれる。出演者には大倉孝二、伊勢佳世、田村健太郎、後藤剛範、川上友里、藤谷理子、板垣雄亮、岡本昌也、梅里アーツ、乙木瓜広、岩井、小松和重が名を連ねた。

岩井は「ハイバイ20周年公演『て』が、いよいよ12月19日から本多劇場で始まりました！」「岩井秀人という一人の作家の『どーしようもない家族のハナシ』が、16年間も世界を旅した果ての姿を、ぜひご覧いただきたいと思います」「『て』の演出は、これにて完了しましたので、僕が演出するのは、これで最後になります。ぜひこの機会に見ていただければと思います！」とコメントした。

東京公演は12月29日まで。その後、1月8・9日に富山のオーバード・ホール 中ホール、18日に高知・高知県立県民文化ホール グリーンホール、2月1・2日に兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールでも上演される。

岩井秀人コメント

ハイバイの岩井です。

ハイバイ20周年公演「て」が、いよいよ12月19日から本多劇場で始まりました！

この「て」は、2008年の初演時に下北沢駅前劇場にて、当日券を求めて並ぶお客さんの行列ができ、なおかつわたくし岩井が「あ、現実ベースの物語を書いていこう」と心に決めるきっかけとなった作品でもあります。

ご覧いただいた方々から、「自分の家族を思い出した」「自分の過去に別の視点が持てた」といった感想をいただき、「演劇って、そういう効能があるんだなあ」と学ばせてもらった作品でもあります。

あれから16年。全国で公演を重ね、ロンドンでリーディング、韓国ではソウル演劇祭にて作品賞他３冠獲得した、ハイバイの大大代表作に育った「て」が、下北沢へと帰ってまいりました。

岩井秀人という一人の作家の「どーしようもない家族のハナシ」が、16年間も世界を旅した果ての姿を、ぜひご覧いただきたいと思います。

めちゃくちゃ素晴らしいキャストが揃いまして、稽古の進行も猛スピードでした。おかげで５連休ぐらいしました。もうこれ以上のブラッシュアップはないかな、と思います。
つまり、「て」の演出は、これにて完了しましたので、僕が演出するのは、これで最後になります。
ぜひこの機会に見ていただければと思います！


岩井秀人