ゲネプロ前に行われた会見には、堤、瀬戸、大東、浅野が出席。堤は「『A Number』の台本を読んだとき、ソルターを『おろかなおっさんやな』と思った」と述べ、「クローンがテーマの作品というより、『自分とは何だ』だったり、過去に犯した罪がなぜ許されないのかだったり、人間としての課題が浮き上がる作品だと思います。肩ひじ張らずに観に来ていただけたら」と呼びかける。瀬戸は「『A Number』は親子の物語ですが、いろいろな愛の形があるんだなと。言葉の裏に何を伝えたいのかを“感じる”ことが、今回のお芝居では大事だと思っている」と話し、「苦しい作品ではありますが、もしかしたら最後には自分を好きになれる、自分に優しくなれる作品かもしれない」と語った。
大東は、「What If If Only」を「大切な人を失った悲しみの中で過ごす、“短い永遠”のような時間を描くお芝居」と表現し、「2作品を通して、“自分として今を生きる”ということが見えてくるのではないかな。ぜひ劇場で体験していただきたい」と期待を込める。浅野は、自身の役柄について「登場の仕方が見どころです」とアピールし、「(『「What If If Only』は)たった20分しかありませんので、観劇中に寝たらおしまいです(笑)。頭を使って観ようとするより、“感じて”いただけたら」と観客へメッセージを送った。
会見では、作品作りの過程で印象的だった出来事についての話題も。堤は「『A Number』はクローンを扱う作品ということで、(稽古の一環で)大学の遺伝子工学の講義を受けました」と明かし、大東も「『What If If Only』は悲しみがテーマの作品なので、僕たちは心理学の講義を受けました。遺伝子工学の講義も併せて聞いてみると『What If If Only』ともつながる部分があった。チャーチルのこの2作品が同時上演されるのは世界で初めてだそうですが、この2作品が寄り添うようにあることに、2つの講義を通じて気付けたのが面白い」と振り返った。
2作品は上演時間の違いから、稽古の進捗にも差があったという。瀬戸は「『これから堤さんと立ち稽古をがんばろう』という日に、だいとぅー(大東)が『俺たちはもう通しなんで』という言葉をかけて去っていきました。そこからの焦りが半端なかったです」と明かし、大東は「ごめんな(笑)」と目配せする。一方、浅野は「稽古を始める前に、みんなでバレーボールをやったのが一番楽しかったですね。芝居にとっても、ためになりました」とおちゃめに回答し、場の空気を和ませた。
全体の上演時間は、休憩20分を含む約2時間。東京公演は9月29日まで。その後、10月4日から7日まで大阪・森ノ宮ピロティホール、12日から14日まで福岡・キャナルシティ劇場で公演が行われる。
Bunkamura Production 2024 DISCOVER WORLD THEATRE vol.14「A Numberー数」「What If If Onlyーもしも もしせめて」
2024年9月10日(火)~2024年9月29日(日) ※公演終了
東京都 世田谷パブリックシアター
2024年10月4日(金)~2024年10月7日(月) ※公演終了
大阪府 森ノ宮ピロティホール
2024年10月12日(土)〜2024年〜10月14日(月・祝) ※公演終了
福岡県 キャナルシティ劇場
スタッフ
作:キャリル・チャーチル
翻訳:
演出:
出演
「A Numberー数」
「What If If Onlyーもしも もしせめて」
※ポピエルマレック健太朗と涌澤昊生はWキャスト。
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Mickey @minnieM1229
良い初日でした^_^ https://t.co/Ykny70O95u