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本作は、生涯1600本以上の舞台を手がけた舞台美術家・朝倉摂の、日本画家時代に光を当てる作品。これまで多くの評伝劇を生み出してきた
1922年、摂は彫刻家・朝倉文夫の長女として生まれた。若くして日本画家として頭角を現す摂だが、1941年に太平洋戦争が勃発すると、摂の青春は戦時色に覆われる。戦争への憎悪や、権威的な日本画壇への抵抗心を募らせた摂は、戦後、家を出ると自画像を描き、自らの“闘争”を決意した。
朝倉摂役を荘田由紀、朝倉文夫役を
チケット販売は、兵庫公演分が9月12日、東京公演分が27日にスタート。上演に向け、瀬戸口のコメントは以下の通り。
瀬戸口郁コメント
今回の「摂」ですが──朝倉摂さんは舞台美術家として生涯に手掛けた作品が国内外で1600本超。演劇界に大きな足跡を残された芸術家です。私も生前はたいへんお世話になりました。しかし朝倉さんがロックフェラー財団の招聘で舞台美術を学びに渡米したのは48歳の時でした。それまでの前半生は上村松園賞を受賞するなど、日本画家として活躍した人だったのです。しかし「過去を振り返るのが大嫌い」だった朝倉さんは演劇の世界に突き進んで以来、絵画の世界とはきっぱりと離れます。自らの日本画家時代の作品を徹底的に封印したのです。この封印された日本画が朝倉さんの死後、遺品の整理をしていた家族によって物置の奥から発見されました。朝倉さんのかつての日本画の発掘! 美術界に激震が走りました。そして2022年、発掘された日本画を中心とする「生誕百年 朝倉摂展」という展覧会が実現します。私は初日に出かけたのですが、朝倉さんの日本画と向き合って大きな衝撃を受けました。そこには私のまったく知らない朝倉摂さんが躍動していたのです。私はあの頃の朝倉さんに会いに行きたくてたまらなくなりました。日本画家時代の朝倉摂を書いて
そこから丸2年、取材と資料との格闘に明け暮れ、なんとか戯曲を書き上げました。摂役に荘田由紀、父・文夫役に原康義、叔母役に新橋耐子、そして朝倉摂さんの日本画……この世紀のお宝の第一発見者であり、実の娘の富沢亜古が朝倉さんの母親役で出演します。キャスト・スタッフ、この秋、文学座が総力を結集して作る舞台「摂」にどうぞご期待ください!
文学座公演「摂」
2024年10月28日(月)〜11月6日(水) ※公演終了
東京都 紀伊國屋ホール
2024年11月9日(土)・10日(日) ※公演終了
兵庫県 兵庫県立尼崎青少年創造劇場 ピッコロシアター 大ホール
スタッフ
出演
※東京公演:U-30、高校生以下、留学生割引あり。
※兵庫公演:25歳以下割あり。
※初出時より見出しを変更しました。
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