中山優馬を囲み「偉いねえ！」と柴田理恵・風間杜夫・白石加代子が和気あいあい「大誘拐」開幕

中山優馬、柴田理恵、風間杜夫、白石加代子の四人芝居「『大誘拐』～四人で大スペクタクル～」が、本日2月6日に東京・シアター1010で開幕する。これに先駆け昨日5日、フォトコールと囲み取材会が行われた。

「大誘拐」は天藤真が1978年に発表した推理小説で、1991年に映画化された作品。今回は、笹部博司の上演台本・演出、小野寺修二のステージングで舞台化される。作中では、82歳の小柄な老婆・柳川とし子（白石）が国家権力とマスコミを手玉に取り、100億円を略取した事件を描くコメディが展開する。

フォトコールでは物語の中盤、テレビ局やラジオ局がとし子が現れるのを待つ中、とし子が生中継に登場するまでが披露された。4人で多くの役を演じる中山、柴田、風間、白石は、それぞれ小道具や衣裳の早替わりなどを用いて、次々に別人に成り変わる。さらにキャストは舞台上の暗闇に隠れて存在感を消し、目まぐるしい場面の切り替えをテンポ良く、息ピッタリに行った。

また本作では、出演者が舞台上で語り手も担う。それまで話の中の人物だったとし子がいよいよ姿を現すシーンでは、語り手だった白石が瞬時に登場人物のとし子として登場し、存在感の大きさを印象付けた。

フォトコール前の囲み取材会にはキャスト4人が登壇した。中山は「素敵な作品を大先輩の皆さんとご一緒させていただけるということで、めちゃくちゃ気合いが入っています」と述べ、「“誘拐”はネガティブで強いワードですが、その中に人間らしい感情が渦巻く、愛にあふれる作品です」と紹介。すると白石が「偉いねえ！」、柴田も「（このメンバーの中で）一番しっかりしてる」と口々に中山を褒め、その場が温かい空気に包まれた。また中山はメインで演じる誘拐グループのリーダー・戸並健次役について「健次はゴリゴリの関西弁なので、関西人としての血が騒ぎます。すごくセリフをしゃべりやすい（笑）」と自身との共通点を語った。

白石は、自身がメインで演じるとし子を「お金持ちのおばあちゃん」と表現する。司会から「もし自分（白石）が誘拐されたら、身代金はいくらかけられたいか？」と本作の物語にちなんだ質問をされると、白石は「そうねえ……私には持っていかれるような資産も何もないから、私を誘拐する人はいないと思うなあ」と回答。司会が「そこは（本作の物語と同じく）100億円と言ってほしかったです（笑）」と返すと、白石は「あ、そうか。ごめんごめん。100億円」とニッコリ答えて場を和ませた。

和歌山県警本部長・井狩大五郎役を中心に演じる風間は「劇中にある優馬くんのショータイムが見どころ」と中山に代わってアピールしつつも「あのショータイム、20分間くらいあるよね？」とオーバーに表現し、「そんなに長くないです（笑）」と中山にツッコまれる。そんな風間について柴田は「稽古中でも爆笑を生んでばかり。舞台に出てこんな自由に、楽しそうにする方、ほかにいらっしゃるのかな（笑）」と話した。

また司会から「大体1人何役くらい演じているか？」と問われた4人は、お互いの演じる役をカウントし合う。風間から「柴田さんが一番大変じゃない？」と指摘された柴田は、メインで演じるとし子の元家政婦・中村くら（くーちゃん）役を含めて、約9役を演じると話す。柴田は「とにかくたくさんの役を演じ分けますが、物語の流れに乗ってやるので楽しいです」とほがらかに話した。

最後に、中山は「ちょっと笑えて、ホロっとできて、なんか痛快。そういう時間をお届けします。明日は雪予報ですがお気を付けてお越しください」と観客を気遣いながら、取材会を締めくくった。本作は2月11日までシアター1010で上演されたあと、3月まで愛知・大阪・兵庫・大分・山口・島根・広島・新潟・山梨・茨城・宮城・富山を巡演する。