これは、「オルレアンの少女-ジャンヌ・ダルク-」「火の顔 / アンティゴネ」に続き、深作組が“戦争と女性”をテーマに上演する「新ドイツ三部作」の完結篇。「未婚の女」はエーヴァルト・パルメツホーファーの戯曲で、2014年にオーストリアで初演された。作中では1945年と現代を舞台に、三世代の女性の心の闇が描かれる。日本初演となる今回は、大川珠季が翻訳・ドラマトゥルクを担う。
1945年4月、オーストリア中部の村。ナチスドイツによる支配が終わる数日前、1人の若い男が脱走兵として処刑された。兵士を密告したのは、村に住む若い女・マリア。しかし戦後、価値観は一転し、マリアはナチスの協力者として裁かれる。時は流れ、現代。ウルリケは祖母・マリアのノートから、この事件の真相に迫る。一方、ウルリケの母・イングリッドは、母に対する復讐を誓い……。
孫娘役を「オルレアンの少女」で主演を務めた
夏川は「また深作組と一緒にメッセージを伝えられることを嬉しく思います! 会場の銕仙会能楽研修所を調べて、戦々恐々としています。この厳粛な雰囲気の中、目の前のお客様にちゃんとメッセージを届けられるよう、稽古に励んで参ります!」とコメント。
深作は「三世代に渡る、3人の母娘の〈抑圧〉と〈抵抗〉の物語。過去と現代が交錯する〈鎮魂劇〉を、東京・青山にある銕仙会能楽研修所の洗練された〈能舞台〉の上に表現することで、ドイツと日本、2つの敗戦国の〈戦後史〉がくっきりと浮かびあがることでしょう。僕たちはいつも、過去の戦争と次の戦争の間の時代を生きている。未来の可能性を忘れてしまわないためにも、この〈裁判劇〉を大切に作ります」と語った。
夏川椎菜コメント
「オルレアンの少女」から約1年ぶりとなる、舞台への挑戦です。
また深作組と一緒にメッセージを伝えられることを嬉しく思います!
台本の初稿を頂いた時「とりあえず今回は、旗を振り回す事はなさそう」と思い、ちょっと荷が降りる思いだったのですが、会場の銕仙会能楽研修所を調べて、戦々恐々としています。
この厳粛な雰囲気の中、目の前のお客様にちゃんとメッセージを届けられるよう、
稽古に励んで参ります!
ご来場お待ちしています。
深作健太コメント
いま〈新しい戦前〉という言葉が、あちこちでささやかれています。
23年秋、深作組は〈戦争と女性〉をテーマに描く〈新ドイツ三部作〉完結篇として、
オーストリアの気鋭の劇作家エーヴァルト・パルメツホーファーによる
「未婚の女」を、大川珠季さんの翻訳で日本初演いたします。
三世代に渡る、3人の母娘の〈抑圧〉と〈抵抗〉の物語。
過去と現代が交錯する〈鎮魂劇〉を、東京・青山にある銕仙会能楽研修所の
洗練された〈能舞台〉の上に表現することで、ドイツと日本、2つの敗戦国の
〈戦後史〉がくっきりと浮かびあがることでしょう。
主演には「オルレアンの少女」に続いて、深作組のミューズ・夏川椎菜さんをお迎えします。
過去と現在を繋ぐこの難役は、強い言葉の力をもつナンちゃんしかいないと思いました。
母親役にはWキャストで、しなやかで強靱な表現力をもったお二人、
サヘル・ローズさんと、宮村優子さん。
そして物語の鍵を握る祖母役には、山村美智さん。
さらに様々な役を演じるコロス役としてイケメン俳優陣、
有川マコトさん、宮地大介さん、小田龍哉さん、神農直隆さんら、
今回もまた信頼する素敵なキャスト・スタッフが揃いました。
「未婚の女」は〈鎮魂〉の物語です。
僕たちはいつも、過去の戦争と次の戦争の間の時代を生きている。
未来の可能性を忘れてしまわないためにも、この〈裁判劇〉を大切に作ります。
「未婚の女」
2023年10月18日(水)~22日(日)
東京都 銕仙会能楽研修所
作:エーヴァルト・パルメツホーファー
翻訳・ドラマトゥルク:大川珠季
演出:
出演:
関連記事
メグミ・ツカサ🍋 @6k2zbQ1jPgybgW2
深作健太が「未婚の女」能舞台で日本初演、夏川椎菜らが三世代の現代劇に挑む(コメントあり) https://t.co/ory9B4CnS8