青春舞台「1518! イチゴーイチハチ！」続編決定、ボイメン辻本達規「皆さんの心が動く舞台に」

「青春舞台『1518! イチゴーイチハチ！』2023」の上演が決定。本日3月29日に東京都内で製作発表会が行われた。

2021年に上演された「青春舞台『1518! イチゴーイチハチ！』」は、相田裕のマンガ「1518! イチゴーイチハチ！」の舞台化作品。作中では、高校を舞台に、けがで野球の道を諦めた少年が生徒会に入りながら、新たな道を模索する物語が描かれる。続編となる今回は、相田が自ら脚本を手がけ、佐野瑞樹が演出する。前作に続き出演する辻本達規（BOYS AND MEN）、菊池愛、佐野に加え、新たに尾花貴絵、内海大輔らが出演者に名を連ねた。

製作発表会には、辻本、菊池、尾花、内海、佐野が登壇した。キャスト登壇前に、これまでミュージカル「テニスの王子様」をはじめとする多くの2.5次元作品を手がけてきた片岡義朗プロデューサーが企画意図を説明した。「近年、2.5次元作品では、激しいサウンドやムービングライトを用いて“勝負”を描く作品が多いように感じています。そこで、“現実の若者の生活に即した作品を”との思いで、ある意味アンチテーゼ的な意味合いで、ありふれた高校生活を描く作品を題材に舞台を立ち上げました。将来このシリーズが“テーゼ”になるまで取り組んでいきたいと思います」と語った。

前作で初めての外部舞台出演と初主演を経験し、再び烏谷公志朗役で主演を務める辻本は、「前回オファーをいただいたとき、烏谷が僕の人生に当てはまっていて、『絶対にやりたい』と思いました」と述べ、「コロナ禍でもあった中でやり通せたことは自信になりました。今回もチーム一丸となってしっかり作り上げたい」とコメント。

同じく初演から続投となる菊池は、「大好きな丸山幸に、こうしてまた出会えたことが本当にうれしいです。これからより良い“まるちゃん”を作れるようにがんばります」と意気込んだ。

本作に初参加となる尾花は、「（父がプロ野球の監督だったので）育ってきた環境と近いなと感じました。これまで野球作品との関わりがなかったのでうれしいです」と言い、自身が演じる亘環については「プロのバレリーナを目指していた時期があったり、性格的にリーダシップを取るのが好きだったりと身近に感じています」と語った。

今作から参加となり、山崎克己を演じる内海は、「個人的には、舞台経験の少なかった約10年前に共演した瑞樹さんと再会したので、当時より成長した姿を見せられたら」と笑顔で話す。また、学生時代はサッカーに打ち込んでいたという内海は「野球とは無縁だったのですが、WBCを通じて野球が好きになっているので、本作に出会えてうれしいです」と述べた。

演出と出演を兼任する佐野は、「前回は公志朗の父役、今回は幸のおじいちゃん役です。加速度的に老けていくんですが（笑）」と言って場を和ませつつ、「とにかく辻本くんが元気で明るい！ 前回の稽古場の温かさ、活気が印象的だった」と振り返る。演出については「本作では学生たちの繊細な心の機微が描かれるので、キャストたちから出てくるものを拾い上げて、みんなで作っていきたい」と展望を明かした。

製作発表会では、本作と自身の高校時代との共通点があるか問われる場面も。佐野は「もう記憶が遠い……（笑）」と笑いを誘い、辻本はまさに烏谷とリンクするという野球のエピソードを披露した。「子供のころから野球一筋でしたが肩を壊してしまい、それでも諦めきれずに野球の強豪校に通っていましたが、けがで挫折を味わいました。『同級生が甲子園に出ているのに』という悔しい気持ちをリアルに経験しています。実体験を重ねながら演じたい」と語った。

最後に、辻本が「題材として王道ではないかもしれませんが、青春時代ならではの繊細な感情を表現し、皆さんの心が動くような舞台をみんなで作っていきます。応援をよろしくお願いします！」と述べて、製作発表会を締めくくった。

公演は6月21日から25日まで東京・シアターサンモールにて。チケットの一般販売は4月27日20:00にスタート。続編決定にあたり寄せられた相田のコメントは以下の通り。

相田裕コメント

本作は、故障でスポーツの道を諦めた少年が高校で新たな道を模索する青春の物語です。

2021年の初舞台化の際に私が感じたのは、高校生の青春ドラマと舞台の相性がこれほど良いのかという驚きでした。

演者が舞台上で歌い踊り、笑う姿にはどこにも偽りがなく、そこにあるのは原作の漫画よりもある意味真実味のある「イチゴーイチハチ！」の世界でした。

私が連載時に取材で出会った中学生・高校生のエネルギーが本当に良く表現されていて、私が漫画で伝えたかったものはまさしくこれだと感じました。

今回新作を制作できることになったのは、ひとえにファンの方々の熱い応援の賜物です。

この作品を愛する人々は、まるで自分が劇中の高校に通っているかのような、登場人物の友人や家族になって見守っているような感覚を共有しているかと思います。

私も皆様と一緒に新作の舞台で登場人物たちとの再会を今から心待ちにしております。

※初出時、本文に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。