「岩波ホール発 白石加代子『百物語』アンコール公演第四弾」の全国ツアーが、昨日10月21日に埼玉・サンシティホール 小ホールでスタートした。
「百物語」シリーズは
開幕に際し、白石は「今回のアンコール公演でもたくさんのかたにお会いでき、とても嬉しいです」と喜びを明かす。また、「今回演じさせていただきます2作品も『怖い』だけではなく、たくさんの『なにか』がちりばめられており、味わい深いものになっています。皆様おひとりおひとりそれぞれの『なにか』を感じていただけることと思いますので、私と同じように『怖いお話は苦手』というかたにも是非観ていただきたいです」と観客にメッセージを送った。
全国ツアーは12月10日まで。白石と、本公演のプロデューサーを務める
白石加代子コメント
今回のアンコール公演でもたくさんのかたにお会いでき、とても嬉しいです。宮部みゆき作「小袖の手」は江戸時代のお話、朱川湊人作「栞の恋」は昭和のお話で、時代背景は異なりますが、それぞれに登場する「小袖」と「栞」が時空を超えて不思議な世界をつくりだします。どちらも女性を中心に繰り広げられていく物語ですが、「おんな」が大変魅力的に描かれており、演じていてとても瑞々しい気持ちになりました。私は「女」が大好きなのです。演出の鴨下信一さんが、「口の中に広がる何とも言えない美味な味。笑いも涙も、苦味も洒落っ気も、いろんな味わいがすべて揃っている。『百物語』はグルメな作品」とおっしゃっていましたが、今回演じさせていただきます2作品も「怖い」だけではなく、たくさんの「なにか」がちりばめられており、味わい深いものになっています。皆様おひとりおひとりそれぞれの「なにか」を感じていただけることと思いますので、私と同じように「怖いお話は苦手」というかたにも是非観ていただきたいです。
笹部博司コメント
今日はアンコール公演第四弾の初日、本番になるとさすがに白石加代子、ばっちりと決めてくる。今回は宮部みゆき「小袖の手」と朱川湊人「栞の恋」の二本立て、どちらも現存の作家である。
終わった後、話をした。
「小袖の手」は母親が、娘に怪談を聞かせるという構造になっている。
この母親ちょっと意地悪で、娘を怖がらせて喜んでいるところがある。
その部分の白石がお茶目なのだ。お客はそのお茶目な母親を楽しみながら、同時に母親の語る怪談に娘同様、怖くなる。
「小袖の手」は何度もやって来た演目だけれど、やる度に白石の手に入って来た感がある。
そう伝えると、とても嬉しそうだ。
白石は子どもがいない。しかし、子どものいる母親を演じるととてもいい母親を演じる。
二本目の「栞の恋」が終わった後、拍手が鳴りやまなかった。
「ほんとにこんなに拍手をいただけて嬉しいわ。題材もよかったのね。特攻隊員の青年と、昭和40年の乙女の淡い恋物語。コロナの中ほんとにたくさんのお客さまに見て頂けてわたしは幸せね」
僕は、「百物語」アンコール公演第四弾に向けて、「白石加代子『百物語』九十九話までの足跡」というタイトルの本を準備していた。演出家鴨下信一のさまざまな言葉、出演者白石加代子の「百物語」への思い、また、「百物語」に登場した作家の方たちからいただいた温かい言葉の数々、それらをきちんと残しておきたいと思ったのだ。
やっと出来上がり、会場で販売することにします。(本体価格1500円)
本には、「時代小説」(筒井康隆原作)の舞台映像が付いてきます。
稽古の最中、白石が「時代小説」のDVDを突然持って来た。
家でたまたま見始めて、あまりにも面白くて、釘付けになったという。
「自分がこんなことをやったとは信じられない。みんなに見てほしい」と言うのだ。
稽古を中断してみんなで見た。大爆笑だった。
ぼくは笑いに笑ったけれど、同時に感動した。
これは白石加代子という役者の本質をうかがい知る、大切な資料であると思った。
そして演技の本質、究極でもある。
この映像は2004年7月、岩波ホールでの上演を収録したものです。
観賞用に撮ったものではなく、資料としてホームビデオで撮ったものであることをお断りしておきます。映像、音声が十分に配慮されたものではありません。
ですから、商品ではなく、付録としました。
ただこの白石を見てもらいたかった、馬鹿なことを喜々とやっている自分が楽しくてしようがない、そこに女優白石の本質があると思ったのです。
アンコール公演第四弾と一緒にお楽しみいただけると幸いです。
書店での発売は11月1日からの予定です。
「岩波ホール発 白石加代子『百物語』アンコール公演第四弾」
2022年10月21日(金)~12月10日(土)
全国ツアー
原作:
構成・演出:鴨下信一
出演:
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水戸芸術館ACM劇場で11月3日上演いたします白石加代子「百物語」のツアーが開幕しました。白石さん、プロデューサー笹部さんのコメントがご紹介されています。
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