大阪公演に向けて、錦織一清が「サラリーマンナイトフィーバー」執筆秘話語る

去る8月23日に宮城・仙台電力ホールでスタートした「サラリーマンナイトフィーバー」。その大阪・大阪松竹座公演を前に、錦織一清の取材会が行われた。

「サラリーマンナイトフィーバー」は娘の願いをかなえるために奔走する、しがないサラリーマンの姿を描いた人情コメディ。2020年に初演され、昨年には配信公演が行われた。同作の作・演出を手がけ、今回、5年ぶりの舞台出演を果たす錦織は、執筆のきっかけを「20年くらい前、サラリーマンの友人に『俺たちが観られる芝居はないのかな』と言われたんです」と言い、当時、自身が出演する舞台の観客に女性が多かった様子を語った。さらに「自分は社会に貢献できているのか、と考えるようにもなってきまして。毎朝満員電車に揺られて、上司の嫌味に耐えながら営業し、疲れて帰っても年頃の娘からは煙たがられる……サラリーマンたちにエールを贈れないだろうかと思って」と明かす。

今回は自身も社長役で出演するが、やりたかったのは元サラリーマンのホームレス役。主人公に語る、「俺はスーパーマンが嫌いだ。スーパーマンは電話ボックスでスーツを脱ぎ捨てて変身するけど、そうじゃない。スーツはサラリーマンの方々の戦闘服なんだ」というセリフが好きだと話す。久しぶりの舞台出演について「出番が2幕の少しなので、5年ぶりという実感はあまりなかった」と言うが、「そこまでほかの役者がどんどん芝居を盛り上げてくれてるのに、自分が出ることで盛り下がってないか心配でしたね。自分の芝居でふざけたりできないですから」と告白する。また、「社長役は、初演では松竹新喜劇の藤山扇治郎くん、扇ちゃんがやってくれて。昨年の配信では松竹新喜劇の曽我廼家桃太郎くんが。自分のが一番つまらないと思いますよ（笑）」と謙遜した。大阪松竹座公演は10月28日から30日まで。