少女と幽霊の対話描く、劇団あはひ「光環(コロナ)」金沢で開幕

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劇団あはひ「光環(コロナ)」が、本日7月9日に石川・金沢21世紀美術館 シアター21にて開幕した。

アンド21(芸術交流共催事業) 劇団あはひ「光環(コロナ)」より。(撮影:奥祐司)

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アンド21(芸術交流共催事業) 劇団あはひ「光環(コロナ)」より。(撮影:奥祐司)

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「光環(コロナ)」は「芸劇eyes」にラインナップされ、4月に初演された作品。能の構造を“反転”させ、出会うことがなかった恋人に思いを馳せる少女と幽霊の対話が描かれる。

アンド21(芸術交流共催事業) 劇団あはひ「光環(コロナ)」より。(撮影:奥祐司)

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開幕に際し、作・演出を手がける大塚健太郎は「わたしたちは今日、2022年7月9日あるいは10日という『唯一の』一日をこの場所で過ごしますが、それが『唯一』であるのは、本当はそれが『複数』あったからだということを知っています。いま、この瞬間には、まったく異なる私たちがいたかもしれないということ。そんなことをこの二年間、折に触れて思っています。今日というこの日、この場所に訪れた観光客である『わたし』から、『あなた』に向けて。この手紙を上演します」とコメントした。

公演は明日7月10日まで。なお本作はこのあと、「豊岡演劇祭2022」の1プログラムとして、9月23日から25日にかけて兵庫・芸術文化観光専門職大学 静思堂シアターでも上演される。

大塚健太郎コメント

「胡蝶」という能の演目があります。

旅の僧が早春の都を訪ねると、故宮のなかに色違いの梅が咲いているのを見つけ、眺めていると、一人の女に声をかけられます。

なかなか身元を明かそうとしない女ですが、さらに僧が問いただして明かされた彼女の正体は、梅の花に縁のない身の上を嘆く一頭の蝶でした。

その夜、僧の夢の中で彼女は本来の姿、つまり胡蝶の精霊として現れ、梅の花と出会えた喜びを表して舞いながら明け方の空へ消えていきます。

新古今和歌集、壮子、源氏物語といった引用を駆使しながら進行する一曲ですが、その内容は言ってみればとてもささやかなものです。わたしたちは今日、2022年7月9日あるいは10日という「唯一の」一日をこの場所で過ごしますが、それが「唯一」であるのは、本当はそれが「複数」あったからだということを知っています。

いま、この瞬間には、まったく異なる私たちがいたかもしれないということ。

そんなことをこの二年間、折に触れて思っています。

今日というこの日、この場所に訪れた観光客である「わたし」から、「あなた」に向けて。

この手紙を上演します。

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アンド21(芸術交流共催事業) 劇団あはひ「光環(コロナ)」

2022年7月9日(土)・10日(日)
石川県 金沢21世紀美術館 シアター21

作・演出:大塚健太郎
演出:松尾敢太郎
出演:古瀬リナオ、安光隆太郎

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