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「ピテカントロプス・エレクトス」は、
開幕に際し、作・演出を手がける大塚は「平安時代の人の世の移り変わりを見つめ、その無常を憂いた一人の隠者が書き記した随筆『方丈記』。彼はきっと今でも私たちのことを見て、その儚い興亡を嘆き、翻ってまた彼自身に自問自答を繰り返しているに違いない。私たちはどこから来たのか、私たちはどこへ向かうのかと。日本の近代演劇の源を辿れば必ず行き着く、あの美しい桜の園を巡る滑稽な交代劇を見つめた劇作家ときっと同じような視線で、わたしたちのことを、そして己自身のことを見つめているに違いない」とコメントした。
出演者には今村航、小川清花、
大塚健太郎コメント
行く河の流れは絶えずして、しかも、元の水にあらず。淀みに浮かぶ泡沫は、かつ消え、かつ結びて、久しく止まりたるためしなし──。
オランダの解剖学者、ウジェーヌ・デュボアは、アジアで進化した原始人類の化石を発見し、サルを意味するピテコスと、ヒトを意味するアンスロプスという二つの言葉を合成し、ピテカントロプス・エレクトスと命名した。
サルとヒトの間で直立(erect)する者。
1980年代、東京・原宿に存在した日本初のクラブもまた、その名を冠して誕生し、時代のサブカルチャーシーンを席巻。時代の精神を揺さぶり、オルタナティヴな価値観を提示しながらも、表面的な近代化を遂げた明治時代の日本を象徴する鹿鳴館の運命をなぞるかのように、儚くその役割を終えた。
いま、わたしたちが立っている、あるいは立ち尽くしているこの場所に、かつてどのようなものたちが立っていたのか。
そしてここにいずれ、どのようなものたちが立つことになるのか。
平安時代の人の世の移り変わりを見つめ、その無常を憂いた一人の隠者が書き記した随筆「方丈記」。彼はきっと今でも私たちのことを見て、その儚い興亡を嘆き、翻ってまた彼自身に自問自答を繰り返しているに違いない。
私たちはどこから来たのか、私たちはどこへ向かうのかと。
日本の近代演劇の源を辿れば必ず行き着く、あの美しい桜の園を巡る滑稽な交代劇を見つめた劇作家ときっと同じような視線で、わたしたちのことを、そして己自身のことを見つめているに違いない。
劇団あはひ新作公演 / eyes plus「ピテカントロプス・エレクトス ーあるいは私たちはどこから来たのか、私たちはどこへ行くのか?」
2024年5月24日(金)~2024年6月2日(日) ※公演終了
東京都 東京芸術劇場 シアターイースト
スタッフ
作・演出:
出演
今村航 / 小川清花 /
劇団あはひ @gekidan_awai
【掲載情報】
ステージナタリーに開幕ニュースを掲載いただきました! https://t.co/1lAibJPh3C