青年団「S高原から」を“2022年版”にリニューアル、平田オリザ「熟成された舞台を」

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青年団 第92回公演「S高原から」が、2月19日から27日まで兵庫・江原河畔劇場、4月1日から24日まで東京・こまばアゴラ劇場で上演される。

「S高原から」より。(撮影:青木司)

「S高原から」より。(撮影:青木司)

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「S高原から」より。(撮影:青木司)

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青年団第92回公演「S高原から」チラシ

青年団第92回公演「S高原から」チラシ[拡大]

平田オリザが作・演出を手がける「S高原から」は、1991年に初演後、国内外で繰り返し上演されてきた演目。本作では、トーマス・マンの「魔の山」と堀辰雄の「風立ちぬ」をモチーフに、高原のサナトリウムで静かな日常を送る人々と、確実に訪れる死が描かれる。

上演に向け、平田は「この『S高原から』は2014年に若手公演としては取り上げましたが、本公演としては2008年のヨーロッパツアー以降、14年ぶりの再演となります。フランスや韓国の劇団でも多く上演されてきたこの作品を2022年版としてリニューアルし、いずれ海外にも回せる作品に育てていきたいと考えています。但馬の冬に、初心に返り、若い俳優たちと時間をかけて、熟成された舞台を創り上げていきます」とコメント。出演者には、島田曜蔵大竹直村田牧子井上みなみ串尾一輝中藤奨南波圭吉田庸、木村巴秋、南風盛もえ、和田華子、瀬戸ゆりか、田崎小春、倉島聡、松井壮大、山田遥野が名を連ねた。

チケットの一般販売は、兵庫公演分が1月19日、東京公演分が2月12日にスタート。

平田オリザ コメント

「S高原から」は1991年12月こまばアゴラ劇場で初演されました。当時、私たちはまだ無名の小さな劇団でしたが、この年の夏の「ソウル市民」の再演が大きな反響を呼び、まさにメジャーへの階段の第一歩を踏み出そうとしている瞬間でした。

私は、当時の小劇場演劇では取り上げられることの少なかった富裕層の退屈な日常を描くことと、死について正面から向き合う作品を書くことの二つを考えていたように思います。まだインターネットのない時代、少しずつ劇評に取り上げられ始めた私たちは、そこに浮かれず、いささか高踏的に過ぎるほどの作品を書こうと粋がっていたのかもしれません。

「ソウル市民」がトーマス・マンの「ブッデンブローク家の人々」を下敷きにしているのと同様に、本作「S高原から」はマンの「魔の山」がモチーフとなっています。当時、大きな社会課題だったHIV(エイズ)の問題を遠景に置き、「魔の山」と、そして堀辰雄の「風立ちぬ」を組み合わせるような形で、この作品は生まれました。

あれからちょうど30年が経ちました。

私たちは、兵庫県豊岡市に新たな劇場を開業し、新しいステップを踏み出そうとしています。

この「S高原から」は2014年に若手公演としては取り上げましたが、本公演としては2008年のヨーロッパツアー以降、14年ぶりの再演となります。フランスや韓国の劇団でも多く上演されてきたこの作品を2022年版としてリニューアルし、いずれ海外にも回せる作品に育てていきたいと考えています。

但馬の冬に、初心に返り、若い俳優たちと時間をかけて、熟成された舞台を創り上げていきます。

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青年団 第92回公演「S高原から」

2022年2月19日(土)~27日(日)
兵庫県 江原河畔劇場

2022年4月1日(金)~24日(日)
東京都 こまばアゴラ劇場

作・演出:平田オリザ
出演:島田曜蔵大竹直村田牧子井上みなみ串尾一輝中藤奨南波圭吉田庸、木村巴秋、南風盛もえ、和田華子、瀬戸ゆりか、田崎小春、倉島聡、松井壮大、山田遥野

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キノ @yuuhikamoryuq

青年団「S高原から」を“2022年版”にリニューアル、平田オリザ「熟成された舞台を」(コメントあり) https://t.co/PPQD0LDVkK

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