妊娠・出産への問いを投げかける、和田ながら×やんツー「擬娩」開幕

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和田ながら×やんツー「擬娩」が、昨日10月16日に京都・京都芸術センター 講堂で開幕した。

和田ながら×やんツー「擬娩」より。(撮影:白井茜、提供:KYOTO EXPERIMENT)

和田ながら×やんツー「擬娩」より。(撮影:白井茜、提供:KYOTO EXPERIMENT)

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和田ながら×やんツー「擬娩」より。(撮影:白井茜、提供:KYOTO EXPERIMENT)

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これは「KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2021 AUTUMN」のラインナップ作品。したための和田ながらが2019年に初演した同作を、今回はメディアアーティストのやんツーをコラボレーターに迎えてリクリエーションする。“擬娩”とは妻の出産前後に、夫が出産に伴う行為の模倣をするという習俗。今作では男女の出産未経験の出演者たちが、母だけが可能とされてきた妊娠・出産体験を舞台上で解放し、シミュレートしながら、産むことへの問いを投げかけていく。

開幕に際し、演出の和田は「『擬娩』という行為を考えていると、演劇のプリミティブな方へ遡上していくような感覚があります。産むことを知らない身体で、産むことを想像してみる。こっけいでさえあるこの古来の営みは、今の私たちに必要なテクノロジーに違いない、と、今回の再創作であらためて確信しました。10代の出演者も30代のやんツーさんと私も、一緒にじたばたしてます。こんなふうにじたばたすることから、自分たちの来し方行く末をもう一度考えなおしたい」とコメント。

美術を手がけるやんツーは「悪魔を欺くために隣室で夫が苦しむふりをするとか、想像妊娠のようにつわりをするとか、妻の出産後に謹慎して動物をしばらく食べないだとか、お産に合わせて夫の睾丸にくくりつけた紐を引っ張るといったものまで、かつて営まれてきた『擬娩』という風習は、国や地域で実に多様だったようです。なので今回私たちが四苦八苦しながらつくった演劇も間違いなく擬娩。現代人は失われた想像力を取り戻すことができるのか?! 是非お楽しみください」とメッセージを送った。

上演時間は約1時間30分を予定。公演は本日10月17日まで。本日の17:00開演回では和田、やんツーに加え、アーティスト・サウンドデザイナーの荒木優光をゲストに迎えたポストパフォーマンストークが実施される。

なおステージナタリーでは、「KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2021 AUTUMN」の特集を展開中。新ディレクターの川崎陽子、塚原悠也、ジュリエット・礼子・ナップのインタビューを掲載している。

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「KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2021 AUTUMN」

2021年10月1日(金)~24日(日)
京都府 ロームシアター京都、京都芸術センター、京都芸術劇場 春秋座、THEATRE E9 KYOTO ほか

和田ながら×やんツー「擬娩」

2021年10月16日(土)・17日(日)
京都府 京都芸術センター 講堂

演出:和田ながら
美術:やんツー
出演:石川大海、オサム、岸本昌也、杦本まな保、松田早穂

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