10月から11月にかけて東京・小劇場B1で上演される
「藤田嗣治~白い暗闇~」は、劇団印象-indian elephant-が今年10月から来年12月にかけて上演する「国家と芸術家」3部作の第1弾。同シリーズでは、第二次世界大戦時に“国家”によって翻弄された芸術家に焦点を当てる。
また公式サイトには作・演出を手がける
なお「国家と芸術家」第2部は来年6月に東京・駅前劇場で上演される「ジョージ・オーウェル(仮)」、第3部は来年12月に「エーリヒ・ケストナー~消された名前~」再演を予定している。
鈴木アツト コメント
1920年代のパリで活躍し成功した藤田嗣治。国際経験も豊富な彼が、なぜ日本型ファシズムに乗っかり戦争画を描くに至ったのか? 太平洋戦争時の藤田がどんな野心を持っていたのか? 書くことで体感しようと思い、この戯曲を書き始めた。
藤田を調べていく中で、当時の画家たちの全てではないにしろ多くが、自ら従軍して国威発揚の絵を描いていた事実を知った。社会の役に立つ絵を描きたい、という若い画家たちの素朴な思いが、やがて、日本の画壇全体で戦争画を描くという波を作り上げる。藤田は、その波に後から乗った画家だったが、誰よりも華麗だった。誰よりも鮮やかに波に乗った。
私は、藤田にも、国民の熱狂を作り出すことに加担したという意味で、罪があったと考えている。しかし、現代の視点で彼の戦争画を見ると、単純な戦意昂揚を狙っただけの絵ではないとも感じる。彼の戦争画は、人間の業としての戦争を、人類の“闇”を捉えようとしている。だから私も、目を凝らして、その“闇”を掴もうと手を伸ばした。
劇団印象-indian elephant-「国家と芸術家」3部作公演 第1部「藤田嗣治~白い暗闇~」
2021年10月27日(水)~11月2日(火)
東京都 小劇場B1
作・演出:
キャスト
藤田嗣治:
ナタリア(娼婦):廣田明代
村中青次(画家):泉正太郎
ユーリャン(モデル):灘波愛
藤田君代(嗣治の妻):山村茉梨乃
多門土郎(小説家志望):杉林志保
山田秋平(画学生):片村仁彦
住喜代志(新聞記者):二條正士
藤田嗣章(軍医):
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劇団印象「藤田嗣治」に鈴木アツト「藤田がどんな野心を持っていたのか、書くことで体感したい」(コメントあり)
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