花組芝居は、古今東西の文化を取り込んだ“ネオかぶき”スタイルで活動している団体。「地獄變」は、芥川龍之介の小説を
加納は「耽美と悪魔主義に満ちた芥川龍之介の原作を、わざわざ古めかしい丸本歌舞伎仕立てにしつつも、原作と違い、娘露艸(つゆくさ)が自分の意志で、美の殉教者の道を選んだ為に、殺戮者堀河大臣は美の創造者になる、この残忍な悪趣味に、作者が恍惚と筆を進めた『地獄變』を是非上演したいと思い立ちました」と上演に至った理由を明かしつつ、「デモーニッシュな世界に、三島が愛して已まなかった竹本浄瑠璃の『嵐の如き感情の表現技法』で以て、三島がその魅力の虜になった、美しくも毒々しい、気味の悪い花を咲かせたいと考えます」と意欲を見せた。
なお本作は、修羅組と夜叉組の2チーム制で上演されるほか、配信も予定されている。
加納幸和コメント
外からは道楽だとか、才能の濫費とも言われ、内では、演出振りに冷ややかな目を注がれながらも、本当に「絶望」するまで、歌舞伎に「体ごと入ってゆ」き、存分楽しんだ三島由紀夫。彼が残した三島歌舞伎といわれる作品達が、当の梨園から見向きもされないのは、実に悲しい事実です。
そこで没後五十年に、耽美と悪魔主義に満ちた芥川龍之介の原作を、わざわざ古めかしい丸本歌舞伎仕立てにしつつも、原作と違い、娘露艸(つゆくさ)が自分の意志で、美の殉教者の道を選んだ為に、殺戮者堀河大臣は美の創造者になる、この残忍な悪趣味に、作者が恍惚と筆を進めた「地獄變」を是非上演したいと思い立ちました。
様式の定型に嵌め込まれた、バラエティ豊かなキャラクター達に、幕開きから地獄に蠢く魔王や鬼の姿を投影し、既に出来上がりつつある地獄絵図を、敢えて定式を逸脱し、金殿の装置には地獄の猛火を書き割り、ホコリ沈めの仕丁は、腹だけが異様に膨らみ、極度にやせこけた餓鬼、堀河大臣は閻魔の隈、丑輔&右馬之助は、いっそアニメキャラ風牛頭馬頭 etc.
これらデモーニッシュな世界に、三島が愛して已まなかった竹本浄瑠璃の「嵐の如き感情の表現技法」で以て、三島がその魅力の虜になった、美しくも毒々しい、気味の悪い花を咲かせたいと考えます
花組芝居「三島由紀夫没後五十年 プラス1『地獄變』」
2021年1月7日(木)~17日(日)
東京都 中目黒キンケロ・シアター
原作:芥川龍之介
脚本:
演出:
出演
修羅組
堀河大臣:
家司丑輔:
蔵人右馬之助:
絵師良秀:
弟子筆雄:
弟子縹若:
御台葵の方:
良秀娘小女房露艸:
女房冬荻:
ほか
夜叉組
堀河大臣:
家司丑輔:
蔵人右馬之助:
絵師良秀:
弟子筆雄:
弟子縹若:磯村智彦
御台葵の方:加納幸和
良秀娘小女房露艸:永澤洋
女房冬荻:山下禎啓
ほか
ルートヴィヒ白鳥王 @lohengrin_lud
芥川龍之介×三島由紀夫作品を“ネオかぶき”に、花組芝居「地獄變」
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